ファクタリング手数料の相場はいくら?費用を抑える方法を徹底解説

ファクタリング手数料の相場はどのくらいなのか、経営者が一番気になるところですよね。

ファクタリングは方式によって手数料相場が異なります。 その他、内訳ごとに相場があり、ポイントを押さえることで手数料を安く抑えることも可能です。

今回は、ファクタリングを利用するときにかかる手数料の相場はどのくらいなのか、費用を安く抑えるためにどのような方法があるのか、などを解説していきます。

コストを抑えて迅速に資金調達するためにも、ぜひ、ご一読ください。

 

ファクタリング手数料の相場

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングは、契約に「売掛先」が関与するか異なるため、手数料相場もどちらのファクタリングで契約するかによって次のように違いがあります。

  1. 2社間ファクタリングの手数料相場…10~20%
  2. 3社間ファクタリングの手数料相場…1~9%

それぞれの手数料相場について説明していきます。

2社間ファクタリングの手数料相場

「2社間ファクタリング」とは、ファクタリング契約のうち、利用者とファクタリング会社のみで取引を行うファクタリングです。

売掛先に対し、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することを伝えたり、承諾を得る必要もないため、スムーズに手続きが進みます。 そのため売掛金を現金化するまでの時間が早く、ファクタリングによっては即日対応してもらえるなど、スピード感のある資金調達が可能です。

ただし売掛金は利用者に回収業務を代行してもらうことが必要になるため、回収した売掛金を使い込まれたり持ち逃げされたりする「リスク」が発生します。

また、「売掛債権」は目に見えない資産であり、売掛先に対して本当に債権が発生しているかファクタリング会社から存在確認ができず、架空債権や水増し債権、二重譲渡のリスクもあるため、手数料は3社間ファクタリングよりも高めに設定され、10~20%が相場となります。

3社間ファクタリングの手数料相場

「3社間ファクタリング」とは、利用者とファクタリング会社だけでなく、「売掛先」も契約に関与するファクタリングです。

ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することについて、売掛先に伝え承諾を得ることが必要となります。

売掛金は、売掛先からファクタリング会社に直接支払いが行われるため、使い込みなどのリスクは発生せず、手数料は1%~9%が相場となり、2社間契約よりも割安に設定されることが一般的です。

本当に売掛債権が発生しているのか、ファクタリング会社から売掛先に確認することもできるため、ファクタリング会社にとっては安心して契約を結ぶことができます。

ただし利用者にとっては、売掛先にファクタリングの利用を知られることでその後の取引に影響が及ばないか懸念が生まれます。

「資金繰りが悪化しているのではないか…」 「経営難に陥っているのではないか…」 このような不安を感じた売掛先が、その後の取引を見直し、取引停止や取引量削減といった行動に出ないとも限らないからです。

そのため中小企業の多くは、3社間ではなく2社間による契約を選択する傾向が多いです。

 

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ファクタリング手数料を決定する項目

ファクタリングで支払う手数料は、ファクタリング会社が行う審査によって決まります。

手数料を決定づける項目は主に次の5つです。

  1. 契約方式の種類
  2. 売掛債権の金額
  3. 支払期日までの日数
  4. 売掛先の信用力
  5. 過去の利用実績

5つの項目を含め、総合的な判断で手数料は決まりますが、それぞれの項目について説明していきます。

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契約方法の種類

前述したように、契約方式が2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかによって、手数料は大きく異なります。

一般的に、3社間ファクタリングの方が、手数料が低い傾向にあります。

売掛債権の金額

売掛債権の額面が大きいほど、手数料が低い傾向にあります。

ファクタリング会社が1つの契約で負担する経費や手間が売掛債権の額に左右されない為、額面が大きいほど効率よく利益を残せるからです。

支払期日までの日数

売掛金の支払いまでの期日が長いほど、それまでに売掛先が倒産する可能性や差押えに遭うリスクは高くなるため、支払期日までの日数が短いほうがファクタリング会社にとってリスクの低い契約となります。

売掛先の信用力

ファクタリング会社は利用者の信用力よりも、売掛先の信用力を重視し審査を行います。

売掛先の経営状況や財務状態が良好なほど、ファクタリング会社の抱える未回収リスクは軽減されることとなるため、手数料も低くなる傾向になります。

過去の利用実績

初めてファクタリング契約を結ぶ利用者よりも、すでに利用実績のある利用者のほうが、ファクタリング会社も安心して契約できます。

過去利用時に連絡が取りやすい、審査に必要な書類をスムーズに提出している、集金代行を期日通り行っていることなどは、ファクタリング会社からの信頼度が上がる要因となります。

逆に、過去に遅延やファクタリング会社とのトラブルを起こしているとリスクの高い取引と判断され、審査に通らない場合や手数料が割高に設定される可能性が高いです。

ファクタリング手数料の内訳

手数料が高ければファクタリング会社の利益が増えることになるため、ファクタリング会社としては高い手数料のほうが有利な契約となります。

しかし利用者の立場になってみれば、できるだけコストは抑えたいはずです。

そこで、適切な手数料が設定されるか知るためにも、ファクタリング契約で発生する手数料の内訳を確認しておくことをおススメします。

ファクタリングの手数料には、次の6つの費用で構成されることが一般的です。

  1. 基本手数料
  2. 審査・事務手数料
  3. 印紙税
  4. 振込手数料
  5. 債権譲渡登記費用
  6. 出張費用

また、これらの内訳はファクタリング会社によってはその他費用や、諸経費として請求される場合もあります。 

それぞれの費用について説明していきます。

基本手数料

前述したとおり契約形態によって変わります。 ファクタリングサービスを利用するうえで必ず発生するものです。

審査・事務手数料

審査手数料や事務手数料などの費用の有無もファクタリング会社によって異なるものの、数千円程度が相場であることが多いといえます。

印紙税

ファクタリングで債権譲渡契約を締結するときに、契約書には印紙を貼ることが必要です。

売掛債権の額面により、200円から数十万円まで金額は異なります。

債権譲渡登記費用

2社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記を求められることがあります。

債権譲渡登記ができるのは法人のみですが、登録免許税7,500(債権個数が5,000個以下の場合)と司法書士報酬が数万円かかることになり、利用者が負担します。

そのため登記を必須とするファクタリング会社の場合、個人事業主は契約できないこととなり、法人の場合でもコストが発生しますので、コストを抑えるには登記留保という形で、申請書は作成するものの必要のない限りは登記しないというファクタリング会社を選んだほうがよいといえます。

出張費用

ファクタリングを利用したいけれど本業も忙しくファクタリング会社の店頭窓口まで出向くことが難しい場合、ファクタリング会社の担当者が出張対応してくれる場合もあり、その際にかかる費用が出張費用です。

手数料とは別途請求される費用であり、担当者が利用者を訪問するにあたり、かかった出張費や交通費などが別で請求されます。

ただしファクタリング会社によっては、出張費や交通費は請求しないケースもあるため、事前に確認しておくことが必要です。

 

 

ファクタリング手数料を抑える方法

利用者からすると、手数料はなるべく安く抑えたい項目です。

その方法として、次の7つをポイントとして押さえたうえでファクタリング会社選びをするようにしてください。

 

  1. 複数の会社から相見積りを取得する
  2. 3社間ファクタリングで契約する
  3. 債権額が大きい売掛金を売却する
  4. 期日まで短い売掛金を売却する
  5. 信用力の高い売掛金を売却する
  6. 担当者と信頼関係を築く
  7. 債権譲渡登記を含む契約を選ぶ

それぞれのポイントについて説明していきます。

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複数の会社から相見積りを取得する

手数料はファクタリング会社独自の審査で決まりますが、相場を知るためにも複数の会社から相見積りを取得し、比較・検討することをおススメします。

公式サイトにおおよその手数料も記載されていますが、売却する債権によって手数料は異なるため、相見積りを取得したほうが安心です。

3社間ファクタリングで契約する

手数料を抑えるなら2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングを選ぶべきです。

3社間ファクタリングで契約を考えている場合、売掛先に了承は得られるのか、資金調達までの日数はどのくらいか、売掛先にファクタリング利用を知られてもその後の取引などに影響しないか、様々な点を考慮しながら決定するようにしてください。

債権額が大きい売掛金を売却する

売却する売掛債権の額面は大きいほど、ファクタリング会社も手数料を下げやすくなり、利用者も十分な資金を調達しやすくなります。

仮に100万円の売掛債権を2社間ファクタリングで売却する場合の手数料が20%であれば、20万円が差し引かれてしまいます。

しかし500万円の売掛債権を2社間ファクタリングの手数料20%で売却すると手数料は100万円ですが、仮に手数料を10%まで下げても50万円です。

前述したように、ファクタリング会社が負担する経費や手間は、売掛債権の額面に左右されないため、金額の高い売掛金を売却したほうが手数料は下げてもらいやすくなると考えられるでしょう。

期日まで短い売掛債権を売却する

こちらも前述したように、ファクタリングで売却する売掛債権は、期日までの期間が短いほうが手数料は低く設定されやすいといえます。

支払期日まで長めに設定されている債権の場合、売掛金が入金されるまでの間に売掛先が倒産しないとも言い切れないからです。

仮に倒産してしまえば、ファクタリング会社は売掛金を回収できなくなってしまうため、期日まで短い債権のほうが貸し倒れリスクは低く、その分手数料も下げることができます。

信用力の高い売掛債権を売却する

ファクタリングの審査でもっとも重視されるのは売掛先の信用力です。 手数料を抑えたいなら、信用力の高い売掛先の債権を売却したほうがよいといえるでしょう。

担当者と信頼関係を築く

ファクタリング会社の担当者と信頼関係を築くことは、少なからずファクタリング手数料を抑えることにつながります。

ファクタリングでは、手数料を決めるときに売掛先の信用度を重視しますが、利用者の信用度も最低限は審査に加味されます。

これはファクタリングに保証人や担保は必要ないことから、売掛金を回収できないリスクがあるためです。

信用度の判断には、ファクタリング会社の担当者の意向が少なからず反映されることもあるので、良好な関係を築くようにしましょう。

債権譲渡登記有の契約を結ぶ

ファクタリング会社の承諾を得て、債権譲渡登記有りの契約にすると、ファクタリング手数料を抑えられる可能性があります。

債権譲渡登記とは、債権(売掛金を受け取る権利)がファクタリング会社に移ったことを公的に証明する手続のことです。

主に2社間ファクタリングにおいて、売掛債権の二重譲渡のリスクを抑えるために利用されています。

債権譲渡登記をすると、法務局で誰でも登記の確認ができるようになります。

取引先の信用管理がよほど厳しくない限り、登記の確認をすることはほとんどないですが、ファクタリングの利用を知られるリスクはあるのでその点には、注意しましょう。

 

違法業者の手数料の特徴

ファクタリング会社の中には残念ながら違法業者も存在します。

利用する際に、注意しておきたいのが「税金」の扱いです。

ファクタリング会社から提示された見積り書を確認したとき、手数料に「消費税」が課税されていれば、相手は違法業者である可能性が高いといえます。

注意しておきたいのは次の2つです。

  1. ファクタリング手数料に消費税が課税されている
  2. 手数料以外に保証金や手付金は発生する

それぞれの注意点について説明していきます。

ファクタリング手数料に消費税が課税されている

ファクタリング契約や、ファクタリング会社に支払う手数料に対し、「消費税」が課税されることはありません。

そのためファクタリング会社から提示された見積書や契約書に、「消費税」という名目の記載があれば、何に対する課税かファクタリング会社に説明を求めましょう。

なお、債権譲渡登記が必要な契約である場合には、登記の申請を依頼する司法書士に対する「報酬」には、消費税が課税されます。

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手数料以外に保証金や手付金が発生する

ファクタリングでかかる費用のうち、事務手数料や審査手数料などは「基本手数料」に含まれているケースもあれば、別途発生するケースもあります。

しかし、「保証金」や「手付金」といった費用は発生しません。

手数料が相場よりも大きく下回るファクタリング会社との契約にとびついてしまうと、本来発生しない費用を追加で請求され、合計すると多額のコストが発生するといった悪質な契約も存在します。

売却する売掛金の半分近い金額を手数料として請求されてしまうことになりかねないため、十分に注意してください。

ファクタリングの手数料に関して知っておきたいこと

ここまで紹介したもののほかに、ファクタリングの手数料について知っておくと役立つポイントを、厳選して2つ紹介します。

  1. 手数料は課税対象外
  2. 手数料だけでファクタリング会社を選ばない

以下では、それぞれのポイントについて、「具体的にどういうことなのか」や「なぜそういえるのか」などをわかりやすく解説します。ご一読いただき、ファクタリング利用時の参考としてご活用ください。

手数料は課税対象外

ファクタリング手数料は課税対象外なので、税金はかかりませんが一体何故なのでしょうか。

理由は、有価証券の譲渡と同じく非課税取引であると、国税庁によって定められているからです。

なお、債権譲渡登記が必要な場合は、消費税の課税対象になりますので、注意しましょう。

課税対象かどうかを正しく把握するためにも、債権譲渡登記が必要な契約内容なのかどうかを事前に把握しておくことが大切です。

債権譲渡登記を伴わないファクタリングの手数料に対して消費税を要求されたときは、支払い前に確認し、不審な場合には別のファクタリング会社の利用を検討してください。

手数料だけでファクタリング会社を選ばない

ファクタリング利用時に、手数料は重要な要素ではありますが、それだけでファクタリング会社を選ぶのはおすすめしません。

なぜなら、問い合わせへの対応や現金化までのスピードなどを考慮することが必要となるためです。

いくら手数料が安くても、現金化に想定した以上の時間がかかってしまっては、資金繰りに画悪影響が生じかねません。

また、ファクタリングの卒業の提案や、利用後のサポートが充実している会社を選ぶと安心して利用できるでしょう。

まとめ

ファクタリングは企業が保有している売掛金(請求書)を売却し現金化するサービスです。

現金化するときには、手数料が発生します。 手数料はファクタリング会社独自の審査により決まりますが、業者の抱えるリスクが大きいと判断されると、手数料の額は上がる傾向にあります。

そのため手数料をできるだけ安く抑えるには、未回収となるリスクの低い債権を売却する、信頼関係を築くなど、手数料を左右するポイントを押さえることが大切です。

本来、発生しない項目を費用として請求される場合には、契約を中止し、実績が豊富な信頼できるファクタリング会社に相談してみることをおすすめします。