ファクタリング基礎知識(資金調達実践編)

支払いや運転資金が急ぎで必要な場合、即日で振り込むスピーディーなファクタリングが有効です。手続きや必要書類を最小限に抑えることが可能な会社であれば最短数時間で売掛金を現金化することが可能な場合があります。

ファクタリングは売買契約に基づく資金調達であり、経理処理には勘定科目「未収金」「売掛金」「受取手形」などを用います。請求権の売却にあたり、仕訳処理や消費税の非課税区分などにも留意が必要です。

経済産業省は債権を流動化させて資金調達する方法を推奨しています。ファクタリングも債権流動化の１つであり、借入に代わる合法的な金融サービスとして機能します。

売掛金をファクタリング会社へ買取ってもらうとき、買取率は、売買手数料により決定されます。売買手数料率は、売掛先の信用力、利用者の信用力、支払い期日までの日数等が審査で重視されます。相場は1〜20%程度と幅広く、2社間か3社間かでも異なります。相場から離れた買取手数料を設定している悪徳業者には注意が必要です。

利用前には、ファクタリング契約書の内容の確認が必須です。償還請求権（リコース）があるファクタリングは売掛金の譲渡を装いながら、売掛金を担保にした借入のため融資の扱いとなります（日本貸金業協会での注意喚起されています）。他に偽装譲渡、債権の二重譲渡リスクなど、法的トラブルを防ぐための注意喚起がなされています。 他にも利用前に注意する点について紹介しています。

ファクタリングを利用した後も、利用者はファクタリング契約書の内容に基づき、買い取った債権に関する取引先への通知の有無や、支払状況の管理には引き続き注意が必要です。取引先の支払い遅延や売掛金の回収不能となると、遅延損害金が発生する場合や、契約上のトラブルに発展する可能性等もあり、利用後に注意する点を知っておく必要があります。

ファクタリングにはメリット・デメリットの両方があります。メリットはスピーディーな資金確保が可能な点、借入ではないので信用情報への影響がない点、赤字や税金・社会保険滞納でも利用できる点、売却した売掛債権等が返済不能になっても売却した事業者に返済義務は生じない点等があります。一方で、デメリットは高めの手数料や債権譲渡登記が求められる場合がある点、継続的に利用しすぎるとかえって資金繰りに悪影響を与えて、多重債務と同じリスクを負う点があげられます。

ファクタリングの審査では、主に買い取りを希望する売掛金について、売掛先の信用度を確認します。審査基準は会社によって異なります。決算書や口座情報の提出を求められる場合もあり、審査結果によっては売買手数料の料率が変動します。

銀行やその他金融機関の貸付審査よりは甘いと言われていますが、落ちないわけではありません。審査に通らない理由として、債権の架空性の疑い、売掛先が個人事業主であったり信用度が劣る、貸し倒れの可能性があり不良債権化リスクが高いと判断される等が挙げられます。信用度について不安な方は、事前に審査基準を確認することが重要です。