ファクタリングで銀行融資の審査に不利になるケースとは?登記のリスクを解説

ファクタリングは、銀行融資などの審査に通らない方も資金調達に利用できるなど、審査が厳しくないことが特徴といえます。

しかしどのような場合でも通るわけではなく、ファクタリングで債権譲渡登記などを行った場合は、のちの銀行融資の審査に影響する恐れもゼロではありません。

そこで、ファクタリングで銀行融資の審査に不利になるケースについて、登記の必要性を解説します。

ファクタリングの特徴

売掛債権とは商品やサービスを販売や提供したけれど、その代金は後払いという掛け取引で発生する請求権です。

掛け取引で発生する売掛債権は、商品などの販売から入金されるまで1か月や2か月、長ければ半年や1年というタイムラグが発生します。

その間の様々な支払いに充てる資金が不足してしまう可能性も否定できません。

この場合、ファクタリングで保有する売掛債権を前倒しで受け取ることができれば、不足する支払い代金に充てることもでき資金繰りも改善しやすくなります。

銀行融資の審査と異なる基準

ファクタリングは銀行融資などと異なり審査が甘いことが特徴ですが、その理由は審査で重視される項目が融資審査と異なるからです。

銀行融資では、審査で重視するのは申し込みを行った利用者の信用力のため、以下を重視します。

  • 決算書は赤字ではないか
  • 債務は超過していないか
  • 現在や過去の借入れ・返済履歴
  • 事業計画の内容・将来性
  • 収益性は見込めるか

様々な部分を調査・確認していくため、審査の内容も厳しく時間もかかります。

しかしファクタリングは、審査で重視するのは利用者ではなく売却する売掛債権が確実に回収できるかを重視します。

そのため売掛先企業の信用力が高ければ、利用者が赤字や債務超過、税金滞納などの状況でも利用できることはあります。

銀行融資の審査に通らず、資金を調達する方法に悩んでいる場合、ファクタリングなら資金確保につながる可能性もゼロではありません。

最短即日で資金調達できる

ファクタリング専門業者にもよりますが、最短で即日現金化が可能になるのもファクタリングの特徴です。

銀行融資は準備しなければならない書類も多く、審査での確認事項も多いため、資金調達まで時間がかかります。

しかしファクタリングは必要書類も簡素化されており、最短で即日現金を調達できるため、急いで資金が必要という場面にも対応できます。

弁済責任なしで利用できる

ファクタリングはノンリコース契約が一般的ですが、ノンリコースということは償還請求権がない取引であることを意味します。

償還請求権のあるリコース契約の場合、売掛債権を売却後に売掛先企業が倒産し、債権回収ができなくなったときに返還を求められます。

しかし一般的なファクタリングはノンリコース契約のため、売掛先企業の倒産で売掛債権を回収できなくなっても、責任を負う必要はありません。

銀行融資の審査で不利にならない

銀行やノンバンクから借り入れを行った場合、信用情報機関にその内容や情報が登録され、金融同士がその情報を共有します。

申し込みを行った事実や、いくら借り入れを行ったのか、返済は滞りなく行われているのかなど登録されますが、銀行融資の審査でもこの情報は確認されます。

ただ、ファクタリングの申し込みや利用した内容は、信用情報機関に登録されません。

そのためファクタリングを利用したことを理由に、銀行融資の審査で不利になるといったことはないといえます。

むしろファクタリング利用によるオフバランス化で、銀行融資の審査に有利になると考えられます。

ファクタリングの注意点

ただしファクタリングで資金調達した場合、ファクタリング専門業者に対して支払う売買手数料が発生します。

ファクタリング専門業者に売掛債権を買い取ってもらい、支払われる買取代金は売買手数料が差し引かれた金額です。

発生する売買手数料は、売却する売掛債権の金額や種類、売掛先企業の信用力、売掛債権を回収できるまでの期間など様々な項目により決まります。

ファクタリング専門業者が抱える貸し倒れリスクの高さに比例することになるので、信用力が高い売掛先企業の売掛債権が売却の対象なら低く設定されます。

しかしリスクの高い売掛先企業の債権と判断されれば、売買手数料が高めに設定されることや、買い取りを拒否されこともあります。

悪徳業者か判断しにくい場合がある

ファクタリング業界はまだ法律での規制や整備がされていないため、設定される売買手数料の割合などはファクタリング専門業者次第です。

また、法整備が行き届いていないことをいいことに、悪徳業者などが横行しやすい環境となっていることも注意が必要といえます。

ノンバンクなど貸金業者であれば、貸金業登録を行い、貸金業法に従った事業の運営がされています。

設定される金利も利息制限法で規制された範囲でおさまるはずですが、ファクタリングには登録制度も売買手数料の上限もないため、法外な契約に気がつかない恐れもあります。

そのため、悪徳業者と契約しないために、前もって売却予定の売掛金の売買手数料の相場を知ることが大切です。

複数のファクタリング専門業者から相見積もりを取得する方法で、比較してみるとよいでしょう。

なお、一般的なファクタリングの売買手数料相場は、2社間ファクタリングが10~30%、3社間ファクタリングは1~5%程度です。

ファクタリング後に銀行融資を受ける場合の注意点

3社間ファクタリングで行われる通知や承諾は、売掛債権を買い取ったファクタリング専門業者が権利を所有していることを主張するためにも必要です。

しかし2社間ファクタリングは売掛先企業と違い、通知や承諾は必要がありません。

そのため、もし、別のファクタリング専門業者が、自分の会社もその売掛債権を買い取ったと主張してきたときに対抗する方法がなくなってしまいます。

そこで利用されるのが債権譲渡登記制度で、不動産登記や商業登記と同じように、誰が誰に対しいつ売掛債権を譲渡したのか公的に証明することができます。

この登記制度が新しくできたことで、売掛先企業から同意を得ることなくファクタリングがサービスとして提供されやすくなったともいえます。

債権譲渡登記が融資審査に影響するリスク

債権譲渡登記はファクタリング専門業者が、自らが債権の権利者であることを証明するために行われます。

登記の費用はファクタリング利用者が負担することになるため、余計な費用が発生する点は否めません。

さらに登記情報として登録されるので、誰でもその情報を閲覧することが可能です。

誰でも見ることができるということは、売掛先企業も確認することができますし、銀行などが融資の審査過程で確認する可能性もゼロではないといえます。

売掛先企業が自社の売掛債権の権利者を確認することは考えにくくても、銀行が確認しないとは限らないため、できるだけ避けた方がよいでしょう。

ファクタリング専門業者によっては、債権譲渡登記を行わず留保という形で対応してくれるケースもあります。

柔軟に対応してくれるファクタリング専門業者を選ぶようにしてください。

まとめ

ファクタリングは、銀行融資の審査に通らない場合でも、比較的スムーズに資金調達できます。

借入れではないことや、オフバランス化が可能となる方法のため、本来ファクタリングの利用は、銀行融資の審査においても有利になると考えられます。

しかし債権譲渡登記が必要になると、銀行融資の審査に不利になる恐れもあります。

未登記や留保で対応できるファクタリング専門業者を選べば、銀行融資の審査に影響することのない資金調達が可能となるため、業者選びは慎重に行うようにしてください。