ゼロゼロ融資を完済する方法とは?コロナ倒産の防止策をわかりやすく解説

ゼロゼロ融資は、新型コロナウイスス感染拡大の影響で倒産してしまう企業を救ったといえる制度です。

本来であればすでに倒産していた事業者も、ゼロゼロ融資で延命していたケースも見られます。

ゼロゼロ融資で抑制されていた企業倒産が、今後は増える恐れもあるといえるでしょう。

そこで、ゼロゼロ融資を完済する方法について、コロナ倒産の防止策をわかりやすく解説します。

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ゼロゼロ融資の返済危機を乗り越える対策6選

ゼロゼロ融資の返済危機を乗り越える対策6選

経営者・財務担当者のためのゼロゼロ融資の返済危機を乗り越える対策をまとめた資料です。

ゼロゼロ融資とは

「ゼロゼロ融資」とは、コロナ禍で売上減少した事業者に対し、実質無利子・無担保で事業資金を貸し付ける制度です。

当初は日本政策金融公庫など政府系金融機関が資金の貸し付けの窓口でしたが、対応が間に合わなくなったことで2020年5月からは民間銀行なども対応しました。

融資後3年間の利子を負担するのは都道府県で、経営状況悪化により返済困難に陥った場合は、元本の最大8割または全額を信用保証協会が肩代わりする仕組みです。

最長5年間の据置期間を経て、多くの事業者が返済をスタートしています。

まだ事業を抜本的に立て直しできていない状態で、物価上昇や円安などの影響を受ける中、債務の返済に追われることは大きな打撃となるでしょう。

ゼロゼロ融資利用後の倒産の実態

ゼロゼロ融資で一時的に解決できたはずの資金繰りの問題が、新たに過剰債務を生み出したことで、今後はコロナ倒産が増える恐れがあります。

物価上昇や人件費高騰などで、ゼロゼロ融資返済の負担を大きくしているといえるでしょう。

政府による新たな借り換え保証などで資金繰りの下支えをする構えも見られますが、借り換え保証利用は経営計画策定が前提です。

以上により、倒産件数が増えることに拍車をかけることが懸念されています。

倒産抑制から倒産増加に変わる理由

ゼロゼロ融資は、多くの事業者の資金難を救い、企業の倒産を抑制したといえます。

しかし今後は、このゼロゼロ融資が倒産増加の要因となると考えられます。

そもそも実質無利子・無担保で事業資金の借入れを可能としたゼロゼロ融資は、企業が倒産することを抑え経済の下支えとなり貢献しました。

しかしその半面で、本来ならすでに事業を継続できなかった状態の企業まで存続させたともいえます。

すでに返済開始した企業にも、物価高などがすでに追い打ちをかけている状況です。

あり、返済困難な状況に陥り事業継続を断念する動きが増えることが懸念されます。

コロナ倒産が多い業種

すでに多くの企業が新型コロナウイルス感染拡大の影響で倒産していますが、たとえば2022年度にコロナ倒産した企業で多い業種は以下のとおりです。

  • 建設業
  • 卸売業
  • 製造業

この中で、卸売業ではニーズが低下しているアパレル産業の企業が多く倒産しており、製造・卸売では食品に関連した業種の企業倒産が目立っています。

収益力が戻らないまま返済原資も確保できなければ、企業の倒産増加は避けられないといえます。

コロナ倒産を防ぐ方法

ゼロゼロ融資の据置期間が終了したことにより、返済が開始してしまうことで窮地に立たされる企業も増える可能性があります。

返済が厳しい状況の中、コロナ倒産を防ぐためには次の5つの対処法を検討しましょう。

  1. 融資以外で資金調達する
  2. 借り換えを利用する
  3. リスケジュールを相談する
  4. 私的整理で交渉する
  5. 法的整理を手続する

それぞれ説明します。

融資以外で資金調達する

ゼロゼロ融資の返済開始でコロナ倒産してしまうことを防ぐためには、融資以外で資金調達することを検討しましょう。

お金を借りたくても、赤字経営や債務超過、税金滞納などがあれば金融機関の審査に通りません。

しかし融資以外の方法であれば資金を調達できる可能性はあります。

たとえば、まだ回収していない売掛金があるときには「ファクタリング」も利用できます。

ファクタリングとは、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金化することで資金を調達できるサービスです。

利用する際に審査も必要ですが、売掛先の信用力が重視されるため、銀行の審査に通らない場合でも利用できる可能性は高いといえます。

借り換えを利用する

ゼロゼロ融資の返済開始でコロナ倒産してしまうことを防ぐためには、「借り換え」を利用しましょう。

政府もコロナ禍で打撃を受けた事業者に対し、積極的な支援など配慮をするよう要請しているため、返済が厳しいときには相談してみることをおすすめします。

2023年1月10日からは、「コロナ借換保証制度」などもスタートしています。

政府系金融機関だけでなく、民間銀行のゼロゼロ融資などの借り換えに対する保証としても利用できます。

リスケジュールを相談する

ゼロゼロ融資の返済開始でコロナ倒産してしまうことを防ぐためには、「リスケジュール」を相談しましょう。

リスケジュールとは、借入金の返済が厳しい場合において、返済金額や返済方法を変更したり見直したりすることです。

ただし条件変更により、融資を受けた金融機関から新規で融資を受けることは難しくなるため、その点を踏まえた上で相談してください。

私的整理で交渉する

ゼロゼロ融資の返済開始でコロナ倒産してしまうことを防ぐためには、「私的整理」を検討しましょう。

私的整理とは、債権者である金融機関と直接交渉し、双方の合意だけで次の内容などを成立させます。

  • 毎月の返済額の減額
  • 弁済期間の繰り延べ
  • 債権の縮減

金融機関と直接交渉するため、一般的に債務整理を行っていることが公表されず、取引先などに知られず手続できます。

債務超過の程度や再建・返済計画の内容などで適切な方法を選ぶことが必要です。

法的整理を手続する

ゼロゼロ融資の返済開始でコロナ倒産してしまうことを防ぐためには、法的整理を検討しましょう。

裁判所の関与の下で手続するため、ゼロゼロ融資だけでなくすべての債権者がその対象です。

取引先や顧客が離れるリスクはあるものの、最終手段として検討しなければならない場合もあると留意しておきましょう。

なお、再建を前提とした倒産手続きは、民事再生と会社更生の2種類に分けられます。

まとめ 

ゼロゼロ融資の据置期間が終わり、返済開始となる企業が倒産することが懸念されています。

新たな保証制度を利用する上では、経営行動計画書作成や金融機関の伴走支援など必須となるため、黒字化目標などに関する具体的な計画も求められます。

計画策定段階で実現可能性が低いと判断されれば、制度を利用できない可能性もあるため、まずは確認することをおすすめします。

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