「取引先が倒産してしまって、売掛金が回収できない」
「売掛先から振り込まれるはずのお金が振り込まれない」
不景気のいま、そんなことは絶対ない!とは言い切れません。
今回は万が一そうなってしまったとき一体どうするべきか、またその対策を解説します。
目次
売掛先から売掛債権の回収ができない場合はどんなとき?
ファクタリング契約をしている、していないに関わらず、売掛先から売掛債権の回収ができない場合がいくつかあります。
原因①債権の下振れ
回収ができない原因として、ファクタリング会社に債権譲渡した債権の下振れがあります。
例として、建設業では建設工程の遅延などにより、予定していた入金より下振れてしまうことがあります。
こうした下振れにより、ファクタリング会社に契約した金額を返金することが出来なくなってしまった場合、和解合意書をファクタリング会社と締結することが可能です。和解合意書を締結すると、返金の期日を下振れた金額の入金日にずらすことができます。
原因②売掛先が倒産
不景気が続くいま、売掛先が業績不振により実質的に破綻してしまったり、法的に破産手続きを進め倒産してしまうということは起こりうることです。
売掛先が倒産した場合、債権譲渡した債権は不良債権になります。
売掛金が回収できそうにないときの対処方法
保証型ファクタリングとは?
保証ファクタリングとは、取引先の信用調査と不渡りになったときの一定額の補償が行われるファクタリングで、債権に対してかけておく保険と考えるとわかりやすいでしょう。
もし売掛先に不安がある場合や、不渡りになりそうな債権などがある場合には、保証ファクタリングを検討してみてもよいかもしれません。
保証ファクタリングを利用するためには、サービスを提供しているファクタリング会社に保証を依頼するため保証取引基本契約の申し込みを行い、保証してほしい売掛先を選びます。
資金調達を目的とした買取ファクタリングとは異なり、保証ファクタリングにも様々なメリットがあります。
売掛金を保証してもらうメリットは?
保証型ファクタリングを利用する最大のメリットは、発生している売掛金の貸し倒れリスクを防ぐことができるところです。
取引金額が大きい売掛先の場合、貸倒れが発生すると自社の資金繰りまで影響を受けることなり、最悪の場合、連鎖倒産に繋がります。
保証型ファクタリングは売掛先に保証ファクタリングを利用している通知なども行われません。
ファクタリング会社に対する保証料は発生しても、結果として業務コストの削減に繋がることが多いようです。
債権回収会社との違いは?
債権回収会社(サービサー)とファクタリング会社はどちらも債権譲渡を伴う契約です。
しかし債権回収会社は、企業から回収出来ていない不良債権を買い取り、回収業務を代わりに行うというもので、法務局から認可を受けているため、怖いものではないでしょう。
ファクタリングは、入金日を迎えていない債権をファクタリング会社が買い取り早期に現金化するため、債権回収とは異なります。
そのため債権回収は不良債権を処理、ファクタリングはスピーディーな資金調達であるため利用者の目的も大きく異なります。
ファクタリングで回収不能に陥りそうな債権は買取ってもらえる?
結論としては、買い取ってもらえないでしょう。
売掛先が業績不振で実質的には破綻している場合や、法的にも破綻してしまった場合、ファクタリング会社が買い取った売掛金は不良債権となってしまいます。
そのような事態を避けるため、ファクタリング会社は審査の段階で売掛先の規模や、信用度などを確認していることが多く、売掛先が倒産のリスクがあるような場合は、審査の段階で買い取りを拒否する可能性もあります。
ファクタリングを利用する側は、そのまま保有していれば不良債権となった売掛金を先に現金化できるので、貸倒リスクを回避することができますが、そもそも買い取ってもらえない可能性の方が大きいため、リスクヘッジにはならないでしょう。
償還請求権ってなに?
ファクタリング契約をした売掛債権が不良債権となっても一度買い取られた売掛金の集金業務を履行しなくてよいのかは、償還請求権の有無によって異なります。
ファクタリングには
償還請求権なしの「ノンリコースファクタリング」
償還請求権なしの「リコースファクタリング」
があります。
償還請求権とは、権利が消滅したことで債務を免れた債務者に対し、権利者が対価、または資金償還を請求することができる権利を指します。支払い義務者である売掛先から売掛金が支払われなかった場合、流通を反対にファクタリングの利用者までさかのぼり、利用者に直接代償の返還を請求する権利です。
ファクタリング会社の多くは償還請求権なしの「ノンリコースファクタリング」で、
不良債権になっても、利用者に弁済義務はありません。
反対に償還請求権ありの「リコースファクタリング」は銀行や貸金業者に多く見られ、「償還請求権特約」や「買い戻し特約」などが契約内に特約で付されています。
貸金業登録をしていない業者が償還請求権ありの契約を結ぼうとする場合、それは違法業者です。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリング業界には、ファクタリングを装ったヤミ金融業者が存在しています。
ファクタリングとして債権譲渡契約(売買契約)と定められた契約を行っていても、貸金業とみなされるような契約をしている場合があります。
それは、なんらかの理由で売掛先から集金できなかった場合、契約者がファクタリング会社から一度売却した売掛債権を買い戻したり、契約者の自己資金からファクタリング会社に支払いをするように定められている契約です。
これらは、貸金業登録していないファクタリング会社では行ってはいけません。
他にも、そもそも契約書の控えを渡してくれなかったり、過剰な取り立て、法外な売買手数料での取引などには充分注意が必要です。
もし少しでも思い当たるファクタリング利用者さまは、弁護士に相談などされた方が良いでしょう。
ファクタリングの特徴を振り返り
ファクタリングとは売掛金を早期に資金化するサービスです。
保有している売掛債権をファクタリング会社が買い取ることで、本来の入金日よりも早く資金化するという資金調達方法です。
ファクタリングの特徴として以下のことが挙げられます。
・保証人や担保が不要
・最短即日で資金化できる
・信用情報に影響がない
・自社の与信は関係しない
ファクタリングは赤字決算や税金や融資の滞納があっても利用できます。
「融資が受けられず、資金不足で仕事が受けられない」
「急な支払いが続いて税金が支払えない」
といった悩みも売掛金さえあれば解決することが可能です。
ファクタリングにもさまざまな種類があり、目的によって使い分ける必要があると言えます。
適切に活用してみましょう。