ファクタリングは建設業の最適な資金調達方法?相性がよい理由を徹底解説

ファクタリングというサービスはいろいろな業界や業種でも活用可能な資金調達の方法ですが、特に建設業界では利用度が高いといえます。

なぜ建設業界で多くファクタリングが取り入れられているのかというと、請負契約が関係しています。

そこで、なぜ建設業界でファクタリングが資金調達に有効とされているのか知り、資金不足などのピンチに活用していきましょう。

 

建設業とファクタリングの相性がよい理由

ファクタリングで資金を調達するとよい業種や業界はいろいろありますが、特に建設業とは相性がよいといえます。

その理由として、次の9つが挙げられます。

  1. 売掛金支払いまで必要な前金を準備できる
  2. 大型契約を結びやすくなる
  3. すぐに手元のお金を増やすことができる
  4. 審査に通りやすく赤字でも利用可能
  5. 元請会社の倒産リスクを回避できる
  6. 負債を増やさないため企業評価を下げない
  7. 支払期間が調整可能
  8. 短期でお金が必要なときにぴったり
  9. 建設業振興基金の保証制度が利用できる

それぞれの理由について説明します。

①売掛金支払いまで必要な前金を準備できる

建設業とファクタリングの相性がよい理由として、売掛金が支払われるまでに必要な「前金」も、ファクタリングなら準備しやすいことが挙げられます。

建設業界は目的物が完成した後に報酬が支払われる請負契約のため、完成まで報酬は支払われません。

さらに発注者から元請け、元請けから下請けへと仕事が依頼される「重層下請構造」による契約となります。

工事を発注した元請けから一部代金の前払いはされたとしても、基本は「後払い」なので売掛金が発生します。

そのため、人件費・機材費・下請けから孫請けへと仕事を依頼するための外注費など、手元の資金だけで賄うことができないケースも少なくありません。

このようなときでも、まだ受け取っていない売掛金を先に現金化できるのがファクタリングです。

工事が完了した後で受け取る予定の報酬をファクタリング会社に売却し、前倒しで現金として受け取ることができます。

②大型契約を結びやすくなる

建設業がファクタリングを利用することで、大型契約を結びやすくなります。

本来なら、目的物完成後の完成物と引き換えに、それまでの工事代金が支払われます。

しかし、数千万円や数億円規模の工事では、その工事にかかるすべての費用を立て替えることは困難です。

そのため、代金の一部が前金として支払われることもあるといえますが、次の下請けに工事を依頼するときも同じく、前金を渡さなければなりません。

前金として下請けに支払うことができるお金がなければ、工事を発注できないとも言い換えることができます。

このような場合でも、ファクタリングを利用すれば、外注する費用を賄うことができるため、大口契約も受けやすくなるでしょう。

ファクタリングを使って複数の現場を円滑化させることにより、受注可能数を増やし事業拡大に繋げることも可能です。

③すぐに手元のお金を増やすことができる

ファクタリングを使えば、すぐに手元のお金を増やすことができることは、建設業と相性がよい理由として挙げられます。

建設業では突発的に仕事の依頼が入ることもめずらしいことではありませんが、工事内容によっては予定外の外注が発生することもあります。

しかし、手元の資金が不足していれば工事を請け負うことができず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまうでしょう。

工事代金は完成まで受け取ることができないため、業務を請け負う上で必要となる資材・建材費用・人件費・外注費など立て替えることができるか判断しなければなりません。

突発的に受注したい仕事が発生したとき、資金面で断らなければいけないことはもったいないことです。

このような場合でも、ファクタリングを使えばスピーディに資金を調達できるため、受注したい仕事を請け負うことができます。

④審査に通りやすく赤字でも利用可能

融資を受けることができない建設会社でも、ファクタリングなら審査に通りやすく、赤字でも利用できます。

建設は人々の生活基盤となる建物を建築するために欠かすことができない業界ですが、土木建築工事の請け負いを業とします。

ゼネコンと呼ばれる大企業から中小企業まで様々な規模の建設業者が存在しており、建設業といっても公共施設やインフラ整備、民間の施設や一般の住宅などいろいろな建物などに携わっています。

その建設業者が資金調達する手段として選ぶのは銀行からの融資が一般的ですが、どの業者でもスムーズに金融機関からお金を借りることができるわけではありません。

しかしファクタリングであれば、銀行融資を受けることができない建設業者でも、売掛金を保有していれば資金調達の方法として活用できます。

⑤元請会社の倒産リスクを回避できる

建設業者がファクタリングで資金を調達することのメリットはいろいろありますが、その中でも「償還請求権なし」の契約による保全効果が大きいといえます。

ファクタリングは償還請求権なしのノンリコース契約であることが一般的なので、もしファクタリング利用後に売掛先が破綻し売掛金が回収できなくても、利用業者が弁済義務を負うことはありません。

上場している大手の建設会社が元請なら、簡単に経営が破綻してしまうことはないでしょう。

しかし建設業界は重層下請構造であるため、2次・3次と下請けとして業務を請け負う建設業者が存在します。

直接の元請けが上場企業なら安心できても、中小規模の会社が元請けの場合、破綻により売掛金が未払いで回収できなくなる可能性は否定できません。

仮に破綻しなかったとしても、工期が遅れ売掛金の入金も遅延してしまう可能性も考えられ、中小規模の建設業者ではその未払いや回収遅れが命取りになることもあると考えておくべきです。

しかしファクタリングなら、売掛金を先に現金化させることができる上に、万一回収できなかったときの保全効果も得ることができます。

⑥負債を増やさないため企業評価を下げない

手元の運転資金が必要なとき、銀行やノンバンクでお金を借りれば負債を増やすことになり、高利の借入れがあれば企業評価は下がります。

しかしファクタリングなら負債を増やさないため、企業価値を下げません。

貸借対照表上の印象を落とす心配がないため、資金調達後に銀行融資を検討している場合でも審査で不利になることはありません。

企業経営では決算書の貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の見た目が大事であり、会計書類に記載される数字が銀行融資の審査可否を左右します。

貸借対照表は資産や負債を示し、損益計算書は会計年度内でかかった費用や生み出した利益などをあらわしますが、銀行融資における企業評価は基本的にこの2つの書類で判断されます。

仮に融資を実行した後に建設会社が倒産すれば、貸したお金は回収できなくなり利息として見込んでいた利益も生むことができなくなるからです。

そのため決算書に記載されている負債(借入金)や、売上高と利益によっては、審査が通らず融資を受けることができない可能性が出てきますが、ファクタリングなら借金を増やさないため決算書を汚すことはありません。

⑦支払期間が調整可能

建設業で支払いが行われるサイトは2~3か月は当たり前であり、その間に入金がない状態が続きます。

ファクタリングなら、仮に仕事量が減ってしまった時期でも支払サイトを調整し、入金を早期で受け取る方法として活用できるでしょう。

建設業者の万一に備えるセーフティネットとしての役割も期待されるといえます。

⑧短期でお金が必要なときにぴったり

手元に資金がない場合、銀行からお金を借入れて調達することはできても、それほど長期間ではないケースもあります。

このような場合にも、ファクタリングは有効な資金調達の方法として活用できます。

特に複数の現場を抱えている建設業者の場合、保有する売掛金を2社間ファクタリングで売却し、業務運営のコストに充て立ち回ることにも使えます。

⑨建設業振興基金の保証制度が利用できる

ファクタリングが建設業と相性がよいことは理解していただけたことでしょう。

そして、ファクタリング会社にとっても建設業者は契約したい相手といえます。

その理由は次の3つです。

  • 買い取ることとなる売掛金が大きく大口契約になりやすい
  • 建設業の取引は元請けの規模などからみたときリスクが低い
  • 一般財団法人建設業振興基金によるファクタリング契約保証事業がある

この中で、一般財団法人建設業振興基金とは、資格取得に向けた研修・就職・キャリアアップなど、建設業を様々な角度から支援する団体です。

他にも建設業者を対象にして、資金援助や保証業務なども行っています。

元請けからの工事代金を保証することから、ファクタリング契約の保証業務などもその1つであり、ファクタリングで資金調達しようとする建設業者にとってメリットとなる活動が行われています。

ファクタリング会社も安心して利用者と契約を結ぶことができるため、建設業の利用者もファクタリングを申し込みやすくなります。

建設業がファクタリングを利用するときの注意

建設業がファクタリングを利用するとき、次の6つには注意しておきましょう。

  1. 買取手数料がかかること
  2. 売掛先の信頼性が低いと資金調達できないこと
  3. 3社間ファクタリングでは経営難を勘ぐられるリスクがあること
  4. 譲渡できない売掛債権は使えないこと
  5. 悪徳業者に騙されるリスクがあること
  6. 売掛金額面内の資金調達にとどまること

①買取手数料がかかること

建設業でファクタリングを利用するときに、まず注意したいこととして「買取手数料」時がかかることが挙げられます。

最短即日で資金調達できることや、赤字決算に債務超過など財務状態が悪くても利用しやすいことはメリットでも、それらのリスクの高さの分、買取手数料はけっして安いわけではないことは理解しておきましょう。

②売掛先の信頼性が低いと資金調達できないこと

建設業がファクタリングを利用するときに、業績が悪い売掛先の売掛金では資金調達できない場合があることは留意しておいてください。

売掛先の信頼性が重要といえますが、業績が悪い売掛先では倒産してしまうリスクも高く、売掛金を回収できなくなる可能性もあるからです。

ファクタリングを利用するときには、経営が安定している信用力の高い売掛先の売掛金を選ぶようにしましょう。

③3社間ファクタリングでは経営難を勘ぐられるリスクがあること

建設業がファクタリングを利用する際に3社間ファクタリングを選ぶと、売掛先にファクタリングの事実を知られることは避けようがありません。

しかしファクタリングは経営状態が良くない会社でも利用可能なため、売掛先から経営状態が悪化しているのかと経営難を勘繰られる可能性もあります。

その結果、売掛先とのその後の取引において、取引量や取引頻度を変更される可能性もゼロではないといえます。

3社間ファクタリングを選ぶときには、ファクタリング利用に快く協力してくれる売掛先があるときのほうが安心です。

④譲渡できない売掛債権は使えないこと

建設業がファクタリングを利用するときには、譲渡できない売掛債権は使えないことを理解しておきましょう。

売掛先との契約で、債権譲渡禁止特約が付されているケースが該当します。

現在では民法が改正され、債権譲渡禁止特約がついている契約の売掛債権だとしても、流動化させることは可能です。

しかし、ファクタリング会社もトラブルはできるだけ避けたいと考えるため、譲渡が禁止されている契約内の売掛債権は買取不可とする場合が多いといえます。

⑤悪徳業者に騙されるリスクがあること

建設業がファクタリングを利用するときには、売掛金を売却する相手が悪徳業者でないか十分に確認することが必要です。

買取手数料の安さなどに安易に飛びついてしまうと、悪徳業者に騙されるリスクが高まることを理解しておいてください。

表向きファクタリング会社を装った悪徳業者は、売掛金の買い取りと見せかけて、法外な利息を請求してきます。

⑥売掛金額面内の資金調達にとどまること

建設業がファクタリングを利用するときには、売掛金額面内の資金調達にとどまることを踏まえた上で売掛金を現金化しましょう。

ファクタリングは、保有する売掛金を売却することで現金に換えることができるサービスです。

そのため、現金として調達できる金額は売掛金額までとなり、買取手数料が差し引かれる以上、本来受け取ることのできた金額よりも少なくなります。

建設業がファクタリング会社を選ぶときのポイント

建設業がファクタリング会社を選ぶときのポイントは主に次の4つです。

  1. 買取手数料の安さ
  2. 現金化までのスピード
  3. 買取限度額の有無
  4. 建設業の実績の高さ

それぞれのポイントについて説明します。

買取手数料の安さ

建設業がファクタリング会社を選ぶときには、やはり買取手数料の安さはチェックしたほうがよいでしょう。

ファクタリングで発生する買取手数料は、

  • 2社間ファクタリング 10~20%
  • 3社間ファクタリング 1~9%

という相場です。

ただし、売却する売掛金の種類や金額、回収までの日数など様々な項目を加味し、ファクタリング独自の審査で買取手数料は決まるため一律ではありません。

できるだけ有利な条件で売掛金を買い取ってくれるファクタリング会社のほうが、コストを抑えて資金を調達することができます。

現金化までのスピード

建設業でファクタリング会社を選ぶときには、売掛金を現金化するまでのスピードが早い会社を選びましょう。

急いで資金が必要という場面で、審査が進まず入金まで時間がかかるのでは、ファクタリングを利用する意味がありません。

ファクタリング会社によっては、最短即日で売掛金を現金化できるところもあるため、できるだけスピード感を持った対応が可能な会社を選んだほうがよいといえます。

買取限度額の有無

建設業がファクタリング会社を選ぶときには、買取限度額が設定されていないか確認しておきましょう。

たとえばファクタリング会社が買取可能とする売掛金に下限が設定されていると、少額債権では買い取りを拒否されてしまいます。

反対に上限が決まっていると、金額の大きな売掛金を現金化したくても利用できません。

建設業では多額の売掛金が発生しやすいため、買取限度額が高いファクタリング会社のほうがより多く資金を調達できます。

建設業の実績の高さ

建設業でファクタリング会社を選ぶときには、建設業のファクタリング実績が高い会社を選ぶようにしましょう。

実績が豊富であれば、建設業ならではといえる業界特有の事情なども理解しているため、よりスムーズに資金調達しやすくなります。

また、建設業では売掛金額が大きくなりやすいため、資金力の高いファクタリング会社のほうが安心です。

規模の小さなファクタリング会社の場合、すぐに必要な資金を準備できなくなる可能性もあるため、建設業のニーズにも対応できるファクタリング会社を選ぶようにしてください。

まとめ

ファクタリングは建設業の資金調達手段として有効であるのは、建設業界特有ともいえる重層下請構造と請負契約が関係しています。

仕事の規模や金額が大きいため、発生している売掛金が期日どおり入金されなければ、たちまち事業継続が難しくなることも少なくありません。

しかしファクタリングであれば、そのような資金繰りを円滑にし、発注先からの業務依頼にもすぐにこたえることができます。

そしてファクタリング会社にとっても、建設業との契約はいろいろなメリットがあります。

もし手元の資金が不足している場合や、資金繰りが悪化しているなどで悩んでいるのなら、ファクタリングで資金調達することを検討してみてはいかがでしょう。

今後はさらに建設業界で需要が拡大すると考えられますので、悩む前にまずは一度相談してみてください。

ファクタリングのおさらい

建設業とファクタリングの相性についてここまで述べてきましたが、ファクタリングにはどのような特徴があるのか

おさらいしましょう。

「ファクタリング」とは、保有する売掛金を現金化する資金調達の方法です。

売上計上したものの、まだ回収していない売掛債権をファクタリング会社に売り、現金に換える方法といえます。

事業者間の取引では、商品やサービスの受け渡しと同時にその代金が支払われるわけではなく、「掛け」による取引が一般的です。

このときに発生するのが売掛金(売掛債権)で、売掛先から代金が支払われる期日を待てば入金されますが、それまでの間に資金不足で厳しい状況に追い込まれる中小企業も少なくありません。

このようにすぐにお金が必要という場面において、活用できるのがファクタリングです。

ファクタリングは、次の2つの契約方法があります。

  1. 2社間ファクタリング
  2. 3社間ファクタリング

それぞれのファクタリングについて説明していきます。

2社間ファクタリング

「2社間ファクタリング」は、資金を調達したい利用者と、ファクタリング会社で契約を結ぶファクタリングです。

売掛先を契約に関与させないため、その事実を知られることはありません。

そのため売掛金を回収するのは利用者となり、回収後はファクタリング会社にすみやかに支払うという流れが発生します。

ファクタリング会社の立場になれば、回収した売掛金を利用者に使い込まれてしまうのではないかという不安が生じる契約です。

そのため3社間ファクタリングと比較すると、買取手数料は高めに設定されることがデメリットです。

ただし売掛先に対する説明や承諾を得る流れが必要ないため、はやければ即日現金化が可能になるなど、スピーディに資金を調達できるメリットがあります。

3社間ファクタリング

「3社間ファクタリング」は、利用者とファクタリング会社だけでなく、売掛先も契約に関与することになるファクタリングです。

そのため先に売掛先にたいする債権譲渡の通知を行い、承諾を得ることが必要になります。

ファクタリング会社は、売掛金は売掛先から直接支払われることや、売掛債権の存在を確認できるなどリスクの小さい契約を結ぶことが可能です。

そのため2社間ファクタリングよりも買取手数料は低く設定されることがメリットですが、売掛先に債権譲渡の事実を知られることはデメリットといえます。

ファクタリングを使って資金を調達することは、銀行から融資を受けることができない危ない会社というイメージを与える可能性があるため、その後の取引にも影響しないとは言い切れないからです。

また、売掛先に対する説明や承諾を得る時間や手間がかかるため、2社間ファクタリングのように即日現金化は厳しくなります。

それらを踏まえた上で、どちらのファクタリングを利用するか検討することが必要といえるでしょう。