いま熱い資金調達方法はこれ!メリット・デメリットを徹底解説

資金調達する方法はいろいろありますが、シーンによって選ぶべき方法は異なります。

また、一言で資金調達するといっても、お金を借りる方法もあれば資本を増やす方法、資産を現金化する方法など種類はいろいろです。

そこで、いま熱い資金調達方法について、それぞれのメリット・デメリットを含めシーンにより選ぶべき方法を紹介します。

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資金調達ガイドブック

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9つの資金調達方法のメリットデメリットから申請方法、さらに審査落ちした時の対処法までをまとめた経営者必見のガイドブックです。

資金調達とは

「資金調達」とは、会社経営や事業運営において、必要とするお金を外部から手配することです。

何のために金銭を確保するのか、調達した資金の役割を次の2つに分けて説明します。

  1. 目的
  2. 役割

目的

資金調達をする目的は、会社や事業を継続するためです。

たとえば赤字経営でも、手元にお金があり、仕入れ代金や従業員の給与、借入金の返済など様々な支払いができれば会社は倒産しません。

しかし黒字経営でも、手元にお金がなく、返済や支払いができなければ会社は黒字倒産します。

事業を運営し、会社経営を続けたいのなら、手元の資金は枯渇させることはできず、そのために資金調達することが必要です。

手元資金が不足するよりも前に、どのタイミングで足らなくなるのか把握しておき、資金調達することが必要といえます。

役割

事業運営や会社経営における「資金」は、人間の身体で例えると「血液」と同じ役割を担います。

流れが滞れば病気になってしまい、不足すれば生命危機に陥る可能性もあるなど、人が生きていく上で血液は必要不可欠です。

会社経営における資金も同様に、流れが停止すれば事業がたちいかなくなってしまい、不足してショートすれば倒産します。

順調に資金繰りを保つためにも、適切な方法を選んで手元のお金を枯渇させないことが重要です。

資金調達の種類1.負債を増やす方法

事業運営や会社経営において資金を枯渇させないためにも、どのような資金調達の方法があるのかまずは把握しておきましょう。

資金調達の種類として、まず中小企業などが最も多く利用しているのが「負債」を増やす方法です。

「デットファイナンス」ともいわれる方法であり、「借入金融」と呼ばれています。

融資を受けることや社債を発行することなどで負債を増やせば、手元のお金も増えます。

負債を増やす資金調達について、次の3つを説明します。

  1. メリット
  2. デメリット
  3. 種類

デットファイナンスとは?メリット・デメリットや種類ごとの違いを解説

メリット

負債を増やすことで借金も増加するものの、次のメリットはあります。

  • 資金調達の相手先の数が多い
  • 利息の損益計上で節税効果が見込める
  • 資金調達が経営関与につながらない

借入先は民間銀行以外にも、政府系金融機関や消費者金融などいろいろあります。

また、元金以外に支払った利子は、損金として計上できるため節税対策につなげられます。

さらに銀行などから経営や事業に関する口出しはされず、自由な経営を可能とすることもメリットです。

デメリット

負債を増やす資金調達の方法は、借金が増えることを意味するため、以下のデメリットがあります。

  • 返済義務を負う
  • 利息を支払わなければならない
  • 負債が増えすぎれば信用力が低下する

借りたお金は当然返さなければならず、元金だけでなく、金利に応じた利息も支払うことが必要です。

あくまでも借金であり、増えすぎれば信用力が低下するため注意してください。

種類

負債を増やす資金調達の種類として、次の6つが挙げられます。

  1. 民間銀行の融資
  2. 政府系金融機関の融資
  3. 自治体の制度融資
  4. ビジネスローン
  5. 手形割引
  6. 社債

それぞれ説明します。

民間銀行の融資

民間銀行から融資を受ける方法は、主に次の4種類です。

プロパー融資 銀行独自の責任で行う貸し付け
信用保証協会保証付き融資 信用保証協会の保証のもとでの貸し付け
証書貸付 借用証書を差し入れた上での貸し付け
当座貸越 自動的な定期預金口座からの貸し越し

なお、中小企業の場合、都市銀行よりは地域に根差して運営する地方銀行や信用金庫などのほうが頼りやすいといえます。

政府系金融機関の融資

政府系金融機関とは、国が出資・運営する金融機関です。

特に日本政策金融公庫は、中小企業などに積極的に事業資金の貸し付けを行っています。

創業期やスタートして間もない会社などに対しても、低金利の上、無担保・無保証で資金を貸し付けてくれることがメリットです。

しかし提出書類などが多岐に渡ることや、審査に時間がかかることはデメリットといえます。

自治体の制度融資

自治体の制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証組合の3機関が連携して資金の貸し付けを行う制度です。

自治体や、保有する自己資金と提出する事業計画書の内容によって、融資限度額や金利は変わります。

一般的に低金利の上、無担保・無保証による借入れが可能であり、保証料や利子の一部を負担してくれる自治体があることはメリットです。

ただし審査に時間がかかることや、保証料の支払いが必要であることはデメリットといえます。

ビジネスローン

ビジネスローンは、一般的な銀行融資の審査に通りにくい事業者向けの金融商品です。

最短で即日融資を可能とするなど、急いで資金を調達しなければならない場面デメリットといえます。

ただし融資限度額は低めであり、金利も高く設定されるため、長期利用すれば資金繰りが悪化してしまうことがデメリットです。

ビジネスローンとは?銀行融資との違いやメリット・デメリット等について解説

手形割引

手形割引とは、期日到来前の手形を銀行や手形割引専門業者に売却し、現金化する金融商品です。

期日を前倒しして現金化できることはメリットといえるものの、融資を受けるとみなされるため、審査では財務状況など含めた信用力が加味されます。

さらに期日に手形が決済されず、不渡りが発生すれば、その責任は利用者が負わなければならないことはデメリットです。

ファクタリングと手形割引に違いとは?メリット・デメリットをそれぞれ解説

社債

社債とは、事業資金を調達する目的で発行する債券であり、投資家から資金を集めることで手元のお金を増やせます。

種類によって無担保で発行できることはメリットです。

さらに社債であれば個人投資家を含め幅広く資金を募ることができます。

ただし期間利息を支払うことが必要であり、満期には元本を返さなければならないことはデメリットといえます。

株式と社債の違いとは?種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説

資金調達の種類2.資本を増やす方法

資金調達の種類として、「資本」を増やす方法もあります。

「エクイティファイナンス」とも呼ばれる方法であり、株式発行などで自己資本を増やすことによる資金調達の方法です。

資本を増やす資金調達の方法について、次の3つを説明します。

  1. メリット
  2. デメリット
  3. 種類

エクイティとは?デッドファイナンスとの違いやメリット・デメリットを解説

メリット

資本を増やすこととは、たとえば株式を発行し、投資家に出資してもらって手元の資金を調達します。

返済義務のない資金を調達できるため、財務体質強固につながり、外部から悪印象を抱かれることもありません。

そのため資本を増やす資金調達のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 返済義務を負う必要がない
  • 財務基盤安定につながる
  • 外部から悪印象を抱かれない

デメリット

資本を増やすことで資金を調達できれば、返済義務を負わずに手元の資金を増やし、自由に事業用資金として使うことができます。

ただし、次のデメリットには留意しておくことが必要です。

  • 経営に関与され自由な経営ができなくなる
  • 株式保有数により経営権を脅かされる
  • 配当金の支払いが必要になる

投資家は、会社の将来性や上場後の株式売却によるキャピタルゲインを狙って資金を投じます。

そのため経営に関与されることになり、自由な経営ができなくなる可能性は否定できません。

また、発行株式数と投資家の保有割合によって、会社の経営権を脅かされるリスクもあります。

経営者の経営方針を貫きにくくなるだけでなく、利益が出れば配当金の支払いも必要になることは理解しておきましょう。

種類

資本を増やす資金調達の種類として、次の3つが挙げられます。

  1. ベンチャーキャピタル
  2. エンジェル投資家
  3. クラウドファンディング

それぞれ説明します。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは、未上場の新興企業に資金を投じる投資会社です。

上場後に購入した株式を売ってキャピタルゲインを得ることを目的としています。

返済義務のない多額の資金を調達できることはメリットである一方、上場に向けて経営に関与され、出資金額に見合うリターンを求められます。

エンジェル投資家

エンジェル投資家は、起業して間もないスタートアップ企業やベンチャー企業に資金を投じる個人投資家です。

多くのエンジェル投資家は、元々実業家や経営者だった方のため、自身の経験をもとに経営アドバイスやビジネスパートナー紹介などの支援をしてくれます。

しかしベンチャーキャピタル同様に、上場に向けて経営に関与される恐れもあるため、相性や目的などを理解した上で出資してもらうことが必要です。

エンジェル投資家とは?出資してもらうメリット・デメリットや探し方を解説

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上にアイデアやビジネスを公開し、賛同した不特定多数の個人から少額資金を集める資金調達の方法です。

多数の賛同者を集めれば多額の資金調達につながるメリットはある一方、インターネット上に公開したアイデアを盗用されるリスクがあります。

また、目標金額が達成できなければ資金調達につながらないなど、一定のルールが設けられているケースは注意が必要です。

なお、クラウドファンディングは、寄付以外にも購入や金融など種類があるため、負債を増やす方法に含まれる場合もあります。

クラウドファンディングとは?やり方やメリット・デメリットを簡単に解説

資金調達の種類3.資産を現金化する方法

資金調達の種類として、「資産」を現金化する方法もあります。

「アセットファイナンス」とも呼ばれる方法であり、所有している資産を売ってお金に換えることで、手元の資金を増やします。

資産を現金化する資金調達について、次の3つを説明します。

  1. メリット
  2. デメリット
  3. 種類

メリット

資産を売ってお金に換える方法として、対象となる資産不動産や自動車以外にも、有価証券・特許・売掛債権などが挙げられます。

そのため資産を現金化する資金調達のメリットとして、次の2つが挙げられるでしょう。

  • 返済義務を負わない
  • オフバランス化が可能

所有している資産をお金に換えるだけのため、返済義務を負う資金を調達するわけではありません。

また、資産を売って貸借対照表をオフバランス化でできれば、財務改善につながあります。

デメリット

資産を売って現金化することで手元のお金を増やすことはできるものの、調達額は資産価値や信用力に依存します。

そのため資産の現金化による資金調達では、次のデメリットに注意しましょう。

  • 換金できる資産を所有していなければならない
  • 調達できる金額は資産価値に留まる

種類

資産を現金化する資金調達として、次の3つの方法が挙げられます。

  1. ファクタリング
  2. 資産売却
  3. リースバック

それぞれ説明します。

ファクタリング

ファクタリングは、掛け取引で発生した売掛金を、ファクタリング会社に売って現金化する金融サービスです。

売上計上後にまだ入金されていない代金を現金化できます。

審査では売掛先の信用力が重視されるため、赤字経営や債務超過の会社でも利用できることもメリットです。

また、最短で即日現金化できるなど、すぐにお金が必要なケースにおいても、ニーズが高い方法といえます。

ただし売買手数料が高めに設定されるため、利用期間を決めるなど計画性を持った活用が重要です。

ファクタリングとは?仕組みや売買手数料の決まり方を分かりやすく解説

資産売却

所有する資産を売却し、現金化する方法です。

資産を売ってお金に換えるため、次のような資産が対象となります。

  • 土地・建物
  • 車両
  • 設備・備品
  • 無形固定資産(権利など)
  • 在庫

今は使用していない工場やビルなどを売ってお金に換えることで、手元の現金が増えるだけでなく、固定資産税や管理コスト削減にもつながります。

ただし希望する金額で買い取ってもらえないリスクがあることや、調達できる金額は資産価値の範囲に依存することには注意が必要です。

リースバック

リースバックとは、家を売却してその代金を得るとともに、売却後の家と賃貸借契約を結び引き続き住み続ける手法です。

「売る(Sell)」と「賃貸(Lease)」を合わせた名称どおり、「セールアンドリースバック」と呼ばれています。

買い手は不動産会社やファイナンス会社などのリースバック業者であるため、現金一括で比較的早く支払われることがメリットです。

ただし賃貸借契約は定期借家契約が多く、一定期間は住み続けることができても、いずれ退去が必要になるでしょう。

買い戻しできる場合もあるため、家を手放したくないときには契約内容を確認し、納得した上で契約を結びましょう。

ハウスリースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを解説

パターン別の最も熱い資金調達方法

資金調達が必要なケースは様々です。

手元のお金を増やさなければならないタイミングやシーンによって、選ぶべき方法は異なります。

そこで、以下のパターンごとに、最も熱き資金調達の方法について紹介します。

  1. 起業・スタートアップの資金調達
  2. 事業拡大の資金調達
  3. 運転資金の資金調達
  4. 至急準備が必要な資金調達

起業・スタートアップの資金調達

起業やスタートアップのタイミングにおける資金調達の方法として、最も熱いのは以下の4つです。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 自治体の制度融資
  • エンジェル投資家
  • クラウドファンディング

たとえば民間銀行からお金を借りたくても、実績がなければ審査に通りません。

しかし日本政策金融公庫や自治体の制度融資であれば、審査に通りお金を借りられる可能性はあります。

また、スタートするビジネスやアイデアに将来性や収益性が見込めるのなら、エンジェル投資家に出資してもらえることも期待できます。

クラウドファンディングを活用しても、資金調達に成功する可能性はあるといえます。

事業拡大の資金調達

事業拡大においては、設備投資などで多額の資金が必要となります。

そのため事業拡大のタイミングで最も熱い資金調達方法は、主に次の2つといえます。

  • 銀行融資
  • ベンチャーキャピタル

実績があり、事業が軌道に乗っている状況であれば、民間銀行から融資を受けられる可能性は十分あります。

プロパー融資であれば、好条件で多額の資金を調達することにつながるでしょう。

また、将来は上場できるほど勢いが見込める場合には、ベンチャーキャピタルに出資してもらえる可能性も否定できません。

上場に成功すれば、社会的な信用も高まるため、さらに多額の資金を調達することも夢ではないといえます。

運転資金の資金調達

運転資金が必要なタイミングは、会社経営や事業運営を続ける上で必ず訪れます。

仮に資金繰りに苦労している状況の中、運転資金が必要なのであれば次の3つが最も熱い資金調達方法といえます。

  • 日本政策金融公庫の融資
  • 補助金・助成金
  • ファクタリング

日本政策金融公庫は、中小企業などにも積極的に資金を貸し付けているため、運転資金に関する相談もしやすいことが特徴です。

また、補助金・助成金などは申請における条件など満たす必要があるものの、成功すれば返済不要の資金を調達できます。

融資審査に通らない場合や、補助金や助成金が支給されるまでの間のつなぎ資金として、ファクタリングがおすすめです。

ファクタリングであれば、借入れではないため審査のハードルも低く、赤字決算や債務超過などでも申し込みできます。

至急準備が必要な資金調達

至急資金が必要で、すぐにでも準備しなければならないのであれば、次の3つの方法が最も熱い資金調達方法といえます。

  • ビジネスローン
  • 手形割引
  • ファクタリング

ビジネスローンは、早ければ即日融資が可能であるなど、比較的審査のハードルも低く必要書類も少なめです。

また、手形取引がある場合は、手形割引を使うことで前倒しで現金化できます。

手形取引がなく、請求書を発送する掛け取引である場合は、ファクタリングを利用することで売掛金を現金化しましょう。

まとめ

資金調達は、事業運営や会社経営において欠かせないことです。

ただし種類は数多く存在するため、方法ごとのメリットやデメリットを理解した上で選択することが必要といえます。

また、資金を調達する目的やタイミング、シーンによって選ぶべき最も熱い方法は異なります。

何のために資金調達するのか、いつまでにどのくらいの金額を準備しなければならないか、しっかり検討した上で選びましょう。

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