トラック担保融資とは?メリット・デメリットや流れを簡単に解説

トラック担保融資とは、不動産ではなく車両を担保としてお金を借り入れる方法です。

事業に使用するトラックを担保にして融資を受けるため、詐欺まがいの取引や悪徳業者の利用といったトラブルのないように、信頼できる業者を見極めることが大切といえるでしょう。

資金不足に悩まされがちな運送事業者にとって資金調達の手段として検討されることもあるトラック担保融資ですが、実際にどのような方法なのか、その流れやメリット・デメリットについて解説していきます。

トラック担保融資とは

「トラック担保融資」とは、所有する自動車を担保にしてお金を借りることができるサービスであり、所有名義は「個人」または「事業者」のどちらでも問題ありません。

借入れ可能となる金額は、担保として差し入れる自動車の車種・年代・走行距離などにより決まります。

一般的な軽自動車や普通乗用車以外にも、トラックや重機などもその対象です。

トラック担保融資の流れ

トラック担保融資は、申し込みから実際に融資を受けるまで比較的スムーズであることが特徴です。

また、銀行や消費者金融などのように返済能力に関する審査もそれほど厳しくないことがメリットですが、車の査定を行うことが必要であるため契約するときには担保として差し入れる車両とともに来店することが必須となります。

申し込みはインターネット上で可能であったとしても、WEB上で取引が完結するわけではないことは留意しておいてください。

トラック担保融資の手続は、一般的に次の流れで進むことになります。

  1. 申し込み
  2. 必要書類の提出
  3. トラックの査定
  4. 契約・融資

それぞれの流れについて説明します。

①申し込み

トラック担保融資は、インターネット・メール・電話などで申し込みが可能です。

他にもFAX・郵送・店頭での申し込みなどいろいろな方法が用意されています。

申し込みの際には業者からのヒアリングがあり、次の項目について質問されることが多いため、手元に車検証を用意しておく必要があります。

  • 申し込み者に関すること(氏名・住所・電話番号・職業・勤務先・他社からの借入状況・年収など)
  • 担保に差し入れる自動車に関すること(車種・型式・年式・色・走行距離・車検日・事故歴・損傷の有無・購入時期・ローン残債など)

これらの情報をもとに目安となる借入可能額を伝えてもらい、正確な金額は実際に来店後の査定によって決まります。

②必要書類の提出

トラック担保融資の申し込みの際には、来店時に持参する必要書類について伝えられます。

必要書類は業者によって異なるものの、一般的には次に挙げる書類を持参することを求められるといえます。

  • 車検証
  • 自賠責保険証書
  • 印鑑登録証明書
  • 実印
  • 住民票
  • 収入証明書類(源泉徴収票・確定申告書・直近の給与明細・直近の青色申告書など)
  • 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)

なお、業者によっては出張サービスなど行っている場合もあるため、来店が難しいという場合には対応可能か相談してみるのも方法の1つですが、出張費など発生する可能性もあるためその点も確認が必要です。

③トラックの査定

必要書類持参のもとで来店し、担保として差し入れるトラックを査定した後は、実際にどのくらいの金額を借入れできるのか見積もりが提示されます。

提示された金額に了承すれば契約手続へと進むことが一般的ですが、不安なことや気になること、利子負担以外にどのような費用が発生するのかなどは確認しておいたほうがよいでしょう。

悪徳な業者なども横行しているため、来店や査定後に怪しさなどを感じたときには、不安な状態で契約するのではなく、一旦契約を中止するようにしてください。

いずれにしても安易な契約は避けるようにしましょう。

④契約・融資

提示された金額で双方が合意した場合、契約を結び融資を受けることになります。

契約書に必要事項を記入し、契約締結した後は借入れ分のお金を手渡しで受け取ります。

トラック担保融資は、振込などではなく現金手渡しであることが一般的ですが、査定料・名義変更料・リース料・管理費などの手数料が発生する場合には、融資額から差し引かれます。

どのような手数料が発生するのか伝えずに、これらの費用を差し引いて手渡しする悪質な業者も存在するため、もしも利用する場合には必ず事前に説明してもらうようにし、納得できない場合には契約しないようにしてください。

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トラック担保融資のメリット・デメリット

トラック担保融資には次の2つの種類があり、業者によってどちらの契約方式で取引できるか異なります。

  1. 預かり方式
  2. 乗ったまま方式

いずれか1つの方式のみという場合もあれば、選べる場合もあるため、次に説明するメリット・デメリットを確認した上で事前の確認が必要です。

預かり方式

トラック担保融資のうち、業者に自動車を預けた上で融資を受けるのが「預かり方式」です。

質屋の仕組みと似ていますが、業者にとっては担保として差し入れられた自動車を手元に置くことができるため、その安全性の高さから借入可能額もやや高めに設定される傾向が見られます。

完済後にトラックを戻してもらえるという方式ですが、運送業ではトラックを常時使用することになるため、選びにくい方式ともいえます。

さらに業者によって、高額な車両の管理費やパーキング代などを請求するケースもあるため、注意してください。

メリット

トラック担保融資のうち預かり方式のメリットは、

  • 比較的安全な業者が多い
  • 借入可能額が高めに設定されやすい

などです。

デメリット

トラック担保融資のうち預かり方式のデメリットは、

  • 完済まで自動車を使えない
  • 高額な管理費など請求される場合がある
  • 名義を業者に変更される場合がある

などです。

乗ったまま方式

トラック担保融資のうち、担保として差し入れたトラックを使用しながらお金を借りることができるのが「乗ったまま方式」です。

運送業の場合、仕事でトラックを使用するため預かり方式は選択しにくいことがデメリットですが、乗ったまま方式であれば資金調達とトラック使用のどちらのニーズにも対応できます。

ただし名義変更・車検証の引き渡し・高額なリース料負担など、違法とはいえないもののリスクが高い契約方式であるため、悪質な業者が採用していることが多い方式といえます。

利子だけでなく高額な手数料も発生するため、返済困難に陥る可能性もあり、資金繰りはさらに悪化する可能性があります。

メリット

トラック担保融資のうち乗ったまま方式のメリットは、

  • トラックを使用し続けることができる
  • 周囲に借入れしていることがバレにくい

などです。

デメリット

トラック担保融資のうち乗ったまま方式のデメリットは、

  • 違法な業者が採用していることの多い方式である
  • 借入可能額が低くなりやすい
  • 車検証を業者に預けるなど違法に近い手続を求められる
  • トラック名義を業者に変更される
  • 利子と別途高額な手数料を負担しなければならない
  • 事故で車両が全損しても全額一括返済が必要

などです。

まとめ

トラック担保融資は、スムーズに資金調達できるメリットがある反面、利子や手数料などの支払いに追われる可能性があります。

さらに怪しい業者なども多いため、信頼できる業者を見極めることは容易ではありません。

焦って判断しないように、メリットとデメリットを十分に確認し、事業で使用するトラックを失わないですむ資金調達の方法を選ぶことをオススメします。