後払いファクタリングとは、後払いで購入した商品やサービスを売却し、現金化するサービスです。
商品代金を支払う前に、手数料を差し引いた金額がお支払われ、後日代金が決済されます。
一般的なファクタリングとは異なり、金融庁から注意喚起されているサービスのため、トラブル回避のためにも仕組みを理解しておくことが必要です。
そこで、後払いファクタリングについて、仕組みや特徴・利用するリスクをわかりやすく解説します。
目次
後払いファクタリングとは
「後払いファクタリング」とは、「ツケ払いファクタリング」や「後払い現金化」とも呼ばれているサービスで、後払いで買った商品やサービスを売って現金化するサービスです。
購入した商品やサービスの代金を支払う前に、後払いファクタリング業者から手数料を差し引かれたお金が支払われます。
そのため後払いファクタリングは売掛金の買い取りによる現金化ではなく、「買掛金」の現金化といえます。
買掛金は、商品や材料などを掛け取引(後払い)で仕入れたときの会計処理で用いる勘定科目です。
1か月間で仕入れた商品代金などを、まとめて翌月以降に支払います。
個人消費者の買い物についても、手元に現金がなくクレジットカードの利用もできない方が後払い購入できるように、大手ファッションサイトなどが「ツケ払い」や「後払いサービス」としてスタートさせています。
後払いファクタリングは、この事業者の買掛金や個人消費者のツケ、それをさらに発展させて資金調達することを可能とした仕組みです。
売掛金が発生しない事業者でも、後払いファクタリングを使えば資金を調達できてしまいます。
一般的なファクタリングと後払いファクタリングの違い
「一般的なファクタリング」は、ファクタリング会社へが売掛債権を売却し、現金化するサービスです。
法律上の債権譲渡契約を結ぶことで、手数料を差し引いた額が入金されます。
しかし「後払いファクタリング」は、一般的なファクタリングとは異なり、商品やサービスをファクタリング会社へに売却するサービスです。
形式的には商品の売買であるものの、締結する契約は「金銭消費契約」に該当する恐れがあるため、金融庁の公式サイトでも「「今すぐ現金」「手軽に現金」にご注意ください!~いわゆる 後払い(ツケ払い)現金化 に要注意~」と注意を呼び掛けています。
後払いファクタリングの仕組み
後払いファクタリングは、名称に「ファクタリング」とついているものの、一般的なファクタリングとは大きく異なるサービスです。
すでに金融庁の公式サイト内にある「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」にもあるとおり、貸金業に該当する給与ファクタリングに代わる危険な資金調達方法として注目されているサービスともいえます。
貸金に該当する仕組みでありながら、貸金業登録をしていない業者が扱っていることが多いため、違法性の高い契約を結ばないためにも注意が必要です。
リスクが高いといえる後払いファクタリングには、以下の3つの契約方式があります。
- 転売代行方式
- 宣伝報酬方式
- キャッシュバック方式
それぞれ解説します。
給与ファクタリングとは?個人の給料現金化の違法性をわかりやすく解説
転売代行方式
後払いファクタリングの契約形式のうち「転売代行方式」とは、後払い決済が可能なスマートフォンアプリやプリペイドカードを利用する方式です。
以下の流れで利用します。
- 後払いで指定商品を購入する
- 購入した商品を転売業者に委託する
- 転売した商品の売却代金を受け取る
- 後日購入した商品の代金を支払う
スマートフォンアプリやプリペイドカードで業者指定のサイトで指定商品を購入すると、その商品を業者がすぐに買い取って買取金額が入金されます。
即日現金化も可能であることが特徴であり、多くの後払いファクタリング採用されている契約方式といえます。
宣伝報酬方式
後払いファクタリングの契約形式のうち「宣伝報酬方式」とは、後払いで商品を購入した後、レビュー投稿することでが支払われる契約方式です。
以下の流れで利用します。
- 宣伝報酬を受け取ることのできる商品を後払いで購入
- 購入した商品のレビューを投稿する
- レビューによる宣伝協力費を受け取る
- 後日購入した商品の代金を支払う
購入価格の6~7割を宣伝協力費として受け取り可能なケースが多いといえます。
たとえばすぐに受け取りできる情報商材やデジタル商品などを対象にしていることが多く、転売代行方式同様に即日報酬の受け取ることができます。
キャッシュバック方式
後払いファクタリングの契約形式のうち「キャッシュバック方式」とは、キャッシュバック特典の付いた商品を後払いで購入した後、キャッシュバック代金を受け取ることのできる方式です。
以下の流れで利用します。
- キャッシュバック特典付き商品を後払いで購入
- 購入した商品とキャッシュバック代金を受け取る
- 後日購入した商品の代金を支払う
対象となる指定商品は、キャッシュバック特典のついたデジタルアートやデジタルコンテンツなどが一般的です。
たとえば10万円のデジタルアートを購入し、ダウンロードするとキャッシュバックとして7万円が入金されます。
しかし後日、購入代金の10万円を支払わなければなりません。
後払いファクタリングのメリット
後払いファクタリングには、以下のメリットがあります。
- 早期に資金を調達ができる
- 利用要件が緩め
- 信用情報に影響しない
- 取引先に知られない
それぞれのメリットを解説します。
早期に資金を調達できる
後払いファクタリングは、申し込んだ当日に資金調達ができます。
24時間申し込みができ、通常のファクタリングのように契約手続や請求書の確認もなく、インターネット上で手続きが完了します。
利用要件が緩め
後払いファクタリングは、以下の書類提示で利用できることが多いといえます。
- 身分証明書 (免許証など)
- 直近数か月の入金履歴(通帳の写しなど)
- 法人登記簿謄本
後払いできる資金力の有無は確認されるものの、通常のファクタリングのような売掛先の信用力に対する審査などはありません。
信用情報に影響しない
後払いファクタリングは、銀行からの借入れではないため信用情報に影響しません。
信用情報機関に照会されないため、仮に金融事故を起こしている金融ブラックの人でも、利用できることが特徴です。
取引先に知られない
後払いファクタリングは、通常のファクタリングのように債権譲渡契約を結ぶことはありません。
一般的な3社間ファクタリングでは、取引先に債権譲渡に関する通知をすることや、承諾を得る手続が必要です。
しかし後払いファクタリングは取引先から承諾を得る必要はないため、知られることなく資金を調達できるといえます。
後払いファクタリングのデメリット
後払いファクタリングには、金融ブラックでも利用できる場合があるため、窮地に追い込まれた方にとってはメリットのあるサービスに感じることでしょう。
しかし以下のデメリットには留意が必要です。
- 手数料が高い
- 法律規制が十分ではない
- 悪徳業者が横行している
それぞれ解説します。
手数料が高い
後払いファクタリングは手数料が高く、後払い購入した商品金額の20~30%を手数料として支払わなければなりません。
30%を年利に置き換え、支払いまでの期間が1か月だった場合は年利360%となります。
業者によっては、50%以上の手数料がかかる場合もあります。
後払いファクタリングは形式的に商品の売買等であっても、経済的な実態が貸付けであれば貸金業に該当する恐れがあります。
利息制限法や出資法の金利上限は年利20%であり、後払いファクタリングの手数料を年利換算すれば240~360%になると考えれば、違法な金利設定を行う違法業者が扱っている恐れもあるため注意が必要です。
法規制が十分ではない
後払いファクタリングは、法的な規制が不十分であり、騙されたとしても保護もありません。
仮に悪質業者に騙されてしまっても、被害者自らが裁判を起こし判決を勝ち取らなければならないため、リスクの高い資金調達方法であると理解しておくことが必要です。
悪徳業者が横行している
後払いファクタリング業者は、先にも述べたとおり高額な手数料の請求や、記載内容と実態が異なるなどトラブルが数多く報告されています。
法的な許可や届出は必要ないため、ヤミ金融業者や反社会的勢力などが関与している可能性があると留意しておくべきです。
投稿された口コミなどを確認すれば、ファクタリング会社の評価をある程度調べることはできます。
申し込む前に本当に信頼できる業者か確認することが重要です。
まとめ
後払いファクタリングは早期に資金調達できるサービスと認識されていることもありますが、実際にはリスクの高い取引であるため利用するべきか慎重に検討しなければいけません。
資金繰りの改善が目的なら、事業者の保有する売掛金を現金化する一般的なファクタリングが安心です。
PMGで提供するサービスは、危険な後払いファクタリングはなく、安心して契約してもらえる信頼されるファクタリングです。
後払いファクタリングは違法になるリスクが高いため、売掛金があれば利用できる通常のファクタリングによる資金調達を検討することをおすすめします。