ファクタリングと建設業の相性は?よい理由や利用における注意点を解説

ファクタリングは、特に建設業界では利用度が高いといえますが、相性がよいからです。

建設業とファクタリングの相性がよいのは、業界特有ともいえる請負契約が関係しています。

そこで、ファクタリングと建設業の相性について、よい理由や利用における注意点を解説します。

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建設業の資金繰りを支えるファクタリング事例5選

建設業の資金繰りを支えるファクタリング事例5選

建設業の経営者・財務担当者のために、実際に当社をご利用いただいた事例をもとに、ファクタリングの利用のタイミングなどを詳しく解説した資料です。

建設業とファクタリングの相性

ファクタリングは、特に建設業とは相性がよいといえます。

その理由として、次の9つが挙げられます。

  1. 必要な前金を準備できる
  2. 大型契約を結びやすくなる
  3. すぐに手元のお金を増やせる
  4. 赤字でも利用できる
  5. 倒産リスクを回避できる
  6. 企業評価を下げない
  7. 支払期間が調整できる
  8. 短期の資金ニーズに対応できる
  9. 建設業振興基金の保証制度が利用できる

それぞれの理由を説明します。

①必要な前金を準備できる

建設業とファクタリングの相性がよい理由として、売掛金が支払われるまでに必要な「前金」も、ファクタリングなら準備しやすいことが挙げられます。

建設業界は目的物が完成した後に報酬が支払われる請負契約のため、完成まで報酬は支払われません。

さらに発注者から元請け、元請けから下請けへと仕事が依頼される「重層下請構造」による契約となります。

工事を発注した元請けから一部代金の前払いはされたとしても、基本は「後払い」なので売掛金が発生します。

そのため、人件費・機材費・下請けから孫請けへと仕事を依頼するための外注費など、手元の資金だけで賄うことができないケースも少なくありません。

このようなときでも、工事が完了した後で受け取る予定の報酬をファクタリング会社に売却し、前倒しで現金として受け取ることができます。

②大型契約を結びやすくなる

建設業がファクタリングを利用することで、大型契約を結びやすくなります。

本来なら、目的物完成後の完成物と引き換えに、それまでの工事代金が支払われます。

しかし、数千万円や数億円規模の工事では、その工事にかかるすべての費用を立て替えることは困難です。

そのため、代金の一部が前金として支払われることもあるといえますが、次の下請けに工事を依頼するときも同じく、前金を渡さなければなりません。

このような場合でも、ファクタリングを利用すれば、外注する費用を賄うことができるため、大口契約も受けやすくなるでしょう。

ファクタリングを使って複数の現場を円滑化させることにより、受注可能数を増やし事業拡大に繋げることも可能です。

③すぐに手元のお金を増やせる

ファクタリングを使えば、すぐに手元のお金を増やすことができることは、建設業と相性がよい理由として挙げられます。

建設業では突発的に仕事の依頼が入ることもめずらしいことではありませんが、工事内容によっては予定外の外注が発生することもあります。

しかし、手元の資金が不足していれば工事を請け負うことができず、せっかくのビジネスチャンスを逃してしまいます。

突発的に受注したい仕事が発生したとき、資金面で断らなければいけないことはもったいないことです。

このような場合でも、ファクタリングを使えばスピーディに資金を調達できるため、受注したい仕事を請け負うことができます。

④赤字でも利用できる

融資を受けることができない建設会社でも、ファクタリングなら審査に通りやすく、赤字でも利用できます。

建設業者が資金調達する手段として選ぶのは銀行からの融資が一般的であるものの、赤字経営のケースも多いため審査に通らず借入れできないことも少なくありません。

しかしファクタリングなら、銀行融資を受けることができない建設業者でも、売掛金を保有していれば資金調達の方法として活用できます。

⑤倒産リスクを回避できる

ファクタリングは償還請求権なしのノンリコース契約であることが一般的であるため、利用後に売掛先が破綻したため売掛金が回収できなくても、利用業者が弁済義務を負うことはありません。

上場している大手の建設会社が元請なら、簡単に経営が破綻してしまうことはないでしょう。

しかし建設業界は重層下請構造であるため、2次・3次と下請けとして業務を請け負う建設業者が存在します。

直接の元請けが上場企業なら安心できても、中小規模の会社が元請けの場合、破綻により売掛金が未払いで回収できなくなる可能性は否定できません。

仮に破綻しなかったとしても、工期が遅れ売掛金の入金も遅延してしまう可能性も考えられます。

ファクタリングなら、売掛金を先に現金化させることができる上に、万一回収できなかったときの保全効果も得ることができます。

⑥企業評価を下げない

手元の運転資金が必要なとき、銀行やノンバンクでお金を借りれば負債を増やすことになり、高利の借入れがあれば企業評価は下がります。

しかしファクタリングなら負債を増やさないため、企業価値を下げません。

貸借対照表上の印象を落とす心配がないため、資金調達後に銀行融資を検討している場合でも審査で不利になることはありません。

企業経営では決算書の貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の見た目が大事であり、会計書類に記載される数字が銀行融資の審査可否を左右します。

決算書に記載されている負債(借入金)や、売上高と利益によっては、審査が通らず融資を受けることができない可能性があります。

ファクタリングなら、借金を増やさないため決算書を汚すことはありません。

⑦支払期間が調整できる

建設業で支払いが行われるサイトは2~3か月は当たり前であり、その間に入金がない状態が続きます。

ファクタリングなら、仮に仕事量が減ってしまった時期でも支払サイトを調整し、入金を早期で受け取る方法として活用できるでしょう。

建設業者の万一に備えるセーフティネットとしての役割も期待されるといえます。

⑧短期の資金ニーズに対応できる

手元に資金がない場合、銀行からお金を借入れて調達することはできても、それほど長期間ではないケースもあります。

このような場合にも、ファクタリングは有効な資金調達の方法として活用できます。

特に複数の現場を抱えている建設業者の場合、保有する売掛金を2社間ファクタリングで売却し、業務運営のコストに充て立ち回ることにも使えます。

⑨建設業振興基金の保証制度が利用できる

ファクタリングが建設業と相性がよく、ファクタリング会社にとっても建設業者は契約したい相手です。

その理由として、次の3つが挙げられます。

  • 買い取ることとなる売掛金が大きく大口契約になりやすい
  • 建設業の取引は元請けの規模などからみたときリスクが低い
  • 一般財団法人建設業振興基金によるファクタリング契約保証事業がある

この中で、一般財団法人建設業振興基金とは、資格取得に向けた研修・就職・キャリアアップなど、建設業を様々な角度から支援する団体です。

他にも建設業者を対象にして、資金援助や保証業務なども行っています。

元請けからの工事代金を保証することから、ファクタリング契約の保証業務などもその1つであり、建設業者にとってメリットとなる活動が行われています。

ファクタリング会社も安心して利用者と契約を結ぶことができるため、建設業の利用者もファクタリングを申し込みやすくなります。

建設業のファクタリング利用における注意点

建設業がファクタリングを利用するとき、次の6つには注意しましょう。

  1. 売買手数料が発生する
  2. 売掛先の信頼性が重要である
  3. 経営難を勘ぐられるリスクがある
  4. 譲渡できない売掛債権は使えない
  5. 悪徳業者に騙されるリスクがある
  6. 売掛金額面内の資金調達にとどまる

①売買手数料が発生する

建設業でファクタリングを利用するときに、売買手数料が発生します。

最短即日で資金調達できることや、赤字決算に債務超過など財務状態が悪くても買取可能である反面、これらのリスクはファクタリング会社が負います。

ファクタリング会社の負うリスクの高さ分、売買手数料に反映されるため、銀行融資の利いけっして安いわけではないことは理解しておきましょう。

②売掛先の信頼性が重要である

建設業がファクタリングを利用するときに、業績が悪い売掛先の売掛金では資金調達できない場合があることは留意しておいてください。

売掛先の信頼性が重要といえますが、業績が悪い売掛先では倒産してしまうリスクも高く、売掛金を回収できなくなる可能性もあるからです。

ファクタリングを利用するときには、経営が安定している信用力の高い売掛先の売掛金を選ぶようにしましょう。

③経営難を勘ぐられるリスクがある

建設業がファクタリングを利用する際に3社間ファクタリングを選んだ場合、売掛先にファクタリングの事実を知られることは避けられません。

売掛先から、経営状態が悪化しているのかと経営難を勘繰られる可能性もあり、その後の取引量や取引頻度を変更される恐れもゼロではないといえます。

3社間ファクタリングを選ぶときには、ファクタリング利用に快く協力してくれる売掛先を選びましょう。

④譲渡できない売掛債権は使えない

建設業がファクタリングを利用するときには、譲渡できない売掛債権は使えません。

売掛先との契約で、債権譲渡禁止特約が付されているケースが該当します。

現在では民法が改正され、債権譲渡禁止特約がついている契約の売掛債権だとしても、流動化させることは可能です。

しかし、トラブルを避けたいファクタリング会社では、譲渡が禁止されている売掛債権は買取不可とする場合が多いといえます。

⑤悪徳業者に騙されるリスクがある

建設業がファクタリングを利用するときには、売掛金を売却する相手が悪徳業者でないか十分に確認することが必要です。

売買手数料の安さなどに安易に飛びついてしまうと、悪徳業者に騙されるリスクが高まることを理解しておいてください。

表向きファクタリング会社を装った悪徳業者は、売掛金の買い取りと見せかけて金銭を貸し付け、法外な利子を請求してきます。

⑥売掛金額面内の資金調達にとどまる

建設業がファクタリングを利用するときには、売掛金額面内の資金調達にとどまることを踏まえた上で売掛金を現金化しましょう。

ファクタリングは、保有する売掛金を売却することで現金に換えることができるサービスです。

そのため、現金として調達できる金額は売掛金額までとなり、買取手数料が差し引かれる以上、本来受け取ることのできた金額よりも少なくなります。

建設業のファクタリング会社選びのポイント

建設業がファクタリング会社を選ぶときのポイントは主に次の4つです。

  1. 売買手数料の安さ
  2. 現金化までのスピード
  3. 買取限度額の有無
  4. 建設業の実績の高さ

それぞれのポイントについて説明します。

売買手数料の安さ

建設業がファクタリング会社を選ぶときには、売買手数料の安さはチェックしたほうがよいといえます。

ファクタリングで発生する売買手数料は以下の相場です。

  • 2社間ファクタリング 10~20%
  • 3社間ファクタリング 1~9%

売却する売掛金の種類や金額、回収までの日数など様々な項目を加味し、ファクタリング独自の審査で決まるため一律ではありません。

有利な条件で売掛金を買い取ってくれるファクタリング会社なら、コストを抑えて資金を調達することができます。

現金化までのスピード

建設業でファクタリング会社を選ぶときには、売掛金を現金化するまでのスピードが早い会社を選びましょう。

急いで資金が必要という場面で、審査が進まず入金まで時間がかかるのでは、ファクタリングを利用する意味はなくなります。

ファクタリング会社によっては、最短即日で売掛金を現金化できるところもあるため、できるだけスピード感を持った対応ができる業者を選んでください。

買取限度額の有無

建設業がファクタリング会社を選ぶときには、買取限度額が設定されていないか確認しましょう。

ファクタリング会社が買取可能とする売掛金に下限が設定されていると、少額債権では買い取りを拒否されます。

反対に上限が決まっていると、金額の大きな売掛金を現金化したくても利用できません。

建設業では多額の売掛金が発生しやすいため、買取限度額が高いファクタリング会社のほうがより多く資金を調達できます。

建設業の実績の高さ

建設業でファクタリング会社を選ぶときには、建設業のファクタリング実績が高い会社を選ぶようにしましょう。

実績が豊富であれば、建設業ならではといえる業界特有の事情なども理解しているため、よりスムーズに資金調達しやすくなります。

また、建設業では売掛金額が大きくなりやすいため、資金力の高いファクタリング会社のほうが安心です。

規模の小さなファクタリング会社の場合、すぐに必要な資金を準備できなくなる恐れもあります。

建設業のニーズにも対応できるファクタリング会社を選ぶようにしてください。

まとめ

ファクタリングは建設業の資金調達手段として有効であるのは、建設業界特有ともいえる重層下請構造と請負契約が関係しています。

仕事の規模や金額が大きいため、発生している売掛金が期日どおり入金されなければ、たちまち事業継続が難しくなることも少なくありません。

しかしファクタリングであれば、そのような資金繰りを円滑にし、発注先からの業務依頼にもすぐにこたえることができます。

また、ファクタリング会社にとっても、建設業との契約はいろいろなメリットがあります。

もし手元の資金が不足している場合や、資金繰りが悪化しているなどで悩んでいるのなら、ファクタリングで資金調達することをおすすめします。

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