キャッシュフローの損益分岐点は企業の状態を把握するために欠かす事ができない基礎知識です。
事業の方向性が間違えていないか、事業が適切に行われているのか、利益の拡大をすべきなのかといった事業の評価を行うための情報は、損益分岐点の適切な把握によって理解する事ができます。
そこで、損益分岐点とキャッシュフローの関係について皆さんにご紹介いたします。
損益分岐点の求め方
損益分岐点というのは売り上げと経費の金額が一致し、利益が出てこないギリギリの売り上げ金額です。
売り上げと経費が一致していると赤字になることはないのですが、借金を抱えている場合には借金返済分の収入を得る事ができなくなっています。
そのため損益分岐点は、赤字にならないギリギリラインと考えてはいけないポイントなのです。
損益分岐点は、変動費を算出し売上高で割った変動費率を計算し、固定費を1—変動費率で割った値です。
計算自体は非常に簡単なので、定期的に事業の見直しのためにも計算を行うように注意してみましょう。
損益分岐点の活かし方
損益分岐点は利益がゼロになる売上高と考える事ができるのですが、キャッシュフローを正常に生み出すようなギリギリの売上高を別個に考えておかなければいけません。
資金繰りを維持するための最低ラインに当たる収益分岐点売上高は、固定支出と借金の返済額、そして利益率を元に計算する事ができます。
収益分岐点売上高は理論上の利益が0になる損益分岐点よりも資金繰りに影響を与えてしまう数字です。
経営を維持するために必要なギリギリラインとなる売上高なので、この数値を知らずに経営を進めるのは得策ではありません。
経営者として、どのくらいの利益が必要になるのか、会社経営を継続できる範囲をしっかりと考えておくようにしましょう。
損益分岐点で経営を変える
損益分岐点が明確になる事で、固定費と変動費が明確になります。
経営を行う上で大切なのは固定費を利益で回収し、変動費のコントロールを行いながら収益を拡大する事です。
損益分岐点を狙って経営をすれば問題ないと考えていると、急激な変動費の変化や、固定支出の増額などのあおりを受け、経営に支障をきたしてしまいます。
そのため損益分岐点というのは、あくまでも仮想の目安なのです。
損益分岐点には借金返済の数値が組み込まれて算出されているわけではありません。
経営上、しっかりと収益分岐点売上高も同時に考えるようにしましょう。