ファクタリングなのに利率に従って利息が発生することがある?

通常、ファクタリングとは企業が保有する売掛金などの債権をファクタリング会社へ売却し、期日よりも前に現金化することで資金を調達する手法です。もし、ファクタリング会社が買い取った売掛金の売掛代金が、期日に支払われず決済できなかった場合でも、そのリスクはファクタリング会社が負うことになります。

そのため、売掛債権を売却した後は、その後の責任を追及されることはないわけですが、このようなファクタリングをノンリコースファクタリングといいます。ノンリコースファクタリングの場合、融資ではないのでファクタリング会社に支払う費用は手数料であり、利息ではありません。

ただし、ファクタリングでも利率に従い利息が発生するものもありますので、その内容を確認しておきましょう。

 

「ノン」が付かない「リコースファクタリング」とは

ノンリコースファクタリングという名称の意味を確認すると、「リコース」は償還や2次請求、それを否定するように頭に「ノン」がついていることがわかります。これは、さかのぼって償還や2次請求を負わなくてよいという意味です。

しかし、中には「ノン」がつかないリコースファクタリングもあります。銀行などが扱うファクタリングに多く、もし銀行が買い取った売掛金の決済ができなかった場合、「償還請求権特約」や「買い戻し特約」という特約が付帯されているため、買い戻しすることが必要となります。

発生するリスクは売掛債権を売却する側が負うことになるため、売掛金を買い取る銀行などはリスクを負わない形の契約です。

さらにリコースファクタリングの契約には、先に述べたような特約が付帯されているため、売掛債権を譲渡するというよりも売掛金を担保に融資を受けることとみなされています。

 

融資とみなされれば適用される利率に従い利息が発生

ファクタリングであったとしても、融資であれば発生する手数料は利息とみなされることになります。

利息を計算する上で適用される利率は、利息制限法に基づき、元本100万円以上であれば年率15%を上限として金利が発生します。

審査の内容もほとんど融資を受ける場合と変わらないため、利用できる方は限定されやすくなってしまうでしょう。

 

利用しやすいのはノンリコースファクタリング

ノンリコースファクタリングで審査の対象となるのは、ファクタリングを利用する方ではなく売掛先の信用性などであり、経営状況に不安がある場合でも利用しやすくなっています。

また、ファクタリング会社に支払う費用は利息ではなく手数料です。ノンリコースファクタリングは融資ではなく、債権売買により成立する取引です。

そのため、売掛債権をファクタリング会社に売却する際にも、債権譲渡契約を結ぶことになり、融資などで締結される金銭消費貸借契約とは異なります。