ファクタリング利用会社が当社を訴えて請求が認められなかった裁判例
【東京地方裁判所 令和2年(ワ)第19565号 不当利得返還請求事件】 弊社は中小企業へ向けたコンサルティング業務の傍ら、資金調達の支援として「ファクタリング」を行っています。 多くの企業は当社のファクタリングを利用してキャッシュフローを向上させることができ、 会社の資金繰りに役立てていただいている状況です。 ただ、ファクタリングを利用した企業の中には稀ではありますが、 当社に対し「ファクタリングは実質的に金銭消費貸借契約(貸金契約)に該当する」「公序良俗に違反する」などと 主張しはじめるものがあります。 背景には、ファクタリングを利用した中小企業から依頼を受けて訴訟提起し、 着手金等の利益を得ようとする弁護士の存在も見え隠れします。 令和3年5月27日、とある土木物流関係事業を行っている中小業者が当社を訴えた訴訟において、「請求を棄却する判決」が下されました。 今回はその事件の概要や流れ、判決の内容について詳しく説明いたします。 企業の資金調達やファクタリングをとりまく状況、事業者向けファクタリングについての法的な理解などを正確に把握していただける 内容となっていますので、ぜひ今後の参考にしてみてください。 1. 事案の概要 本件は、土木物流等を主要事業とするA社が当社を訴えたケースです。 A社と当社のファクタリング契約の内容 A社はかつて、資金調達のために6回にわたって当社におけるファクタリングサービスを利用しました。 A社が当社へ譲渡した債権の額面額は合計4245万円、当社の手数料が642万円分差し引かれたため、 A社が受け取った譲渡金額は合計3603万円です。 これは事業者ファクタリングの一般的な相場です。 また当該ファクタリング契約においては、債権の譲受人である当社ではなく譲渡会社であるA社が自ら債権回収を行い、 回収した金額を当社へ支払う内容となっていました。いわゆる「2社間ファクタリング」の事例です。 A社による当社への不当利得返還請求 A社は上記の通りファクタリングを利用して資金調達を行ったのですが、後に当社に対し、 弁護士をつけて「ファクタリング契約は実質的に貸金契約であり、手数料が高額過ぎるために過払い金が発生する」と主張してきました。 本来、ファクタリングは「債権譲渡契約」です。 債権譲渡契約には利息制限法は適用されません。 それより超過する手数料の設定も認められますし、ファクタリング業者が貸金業者として登録する必要もありません。 そもそもファクタリング業者は金融機関よりも高いリスクを被っている以上、銀行と同じ利率ではビジネスが成り立たないのです。 金融機関で融資を受けられない状況の中小企業がファクタリングを頼って資金調達を行い、生きながらえているケースも多々あります。 ところがファクタリング契約が貸金契約となると「利息制限法」や「貸金業法」が適用されるので、 高額なファクタリングの手数料は「利息制限法違反」となってしまいます。 するとファクタリング利用企業はファクタリング会社に対し、払いすぎた「利息」の返還請求ができるのです。 いわゆる「過払い金請求」です。 A社は上記のような理屈を展開し、当社との間の2社間ファクタリングは「実質的に貸金契約」であり、 利息制限法に引き直して計算すると597万4309円の「払いすぎ利息」が発生している、と主張しました。 ...