貸金業者を営む金融業者は、都道府県知事または財務局長の登録を受けることが必要とされています。
貸金業とは、金銭の貸し付け、または手形割引などの金銭貸借の媒介を業とすることですが、ノンバンクと呼ばれている消費者金融、カード会社、信販会社、リース会社などが貸金業者として該当します。
従来までは必要書類を提出すれば簡単に貸金業者として事業を営むことは可能でした。しかし、平成19年12月以降はこのように登録必須の免許制になったともいえ、登録審査も厳しくなっています。
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貸金業者として登録せずに金銭の貸し付けを行ったら?
もし登録せず貸金業者としての免許もないのに金銭の貸し付けを業として行った場合、貸金業法に違反する行為として10年以下の懲役、または3,000万円以下の罰金などが科されます。
貸金業を営んでいるとう表示や、貸金業を営むことを目的とした広告、金銭の貸付契約の締結の勧誘なども、登録なしで行うことはできません。
貸金業登録には純資産額5,000万円が必要
貸金業者として登録するときには、以前までは個人が300万円、法人なら500万円の純資産額(純資産要件)があれば開業できていました。しかし、平成22年6月に改正貸金業法が施行されたことにより、その純資産額は5,000万円に増額されています。
それまでに貸金業として登録していた場合にも、平成22年6月以降は5,000万円に増額することが必要とされています。
貸金業務取扱主任者とは
また、平成22年6月に改正貸金業法が施行されたことで、貸金業者の営業所単位ごとに貸金業務取扱主任者の設置も義務付けられています。
貸金業としての業務に従事する者50人に対して1人以上はこの貸金業務取扱主任者の設置が必要です。
貸金業務取扱主任者とは、従業員などに対して法令遵守や業務の適正化を図るための助言・指導を行う職務を担当する者であり、試験に合格して主任者登録を行うことが必要となっています。
貸金業者は事務所や営業所なしでは営業できない
以前は事務所や営業所などが存在せず、携帯電話のみを使用して金銭を貸し付けようとする090金融などが横行していました。
そのため現在では、貸金業者として登録する際には、固定電話を設置することを可能とする独立した事務所や営業所を設けることが必須とされています。
また、貸金業登録を行っても3年という有効期間が設けられているので、この期間を過ぎる2か月前には更新手続きを行うことが必要です。
正規の貸金業者か見極めた上で取引を
このように、貸金業者として事業を営むには色々な規定を守った上で登録を行い、免許ともいえる資格を取得しておくことが必要とされています。
もしお金を借りようとしている業者のうち、事務所や店舗がどこにあるか明確にされていなかったり、先にのべたような貸金業者として登録する上で必要な要件を満たしていないと考えられる業者の場合には危険ですので取引しないようにしましょう。
なお、ファクタリングは貸金業ではありませんので、貸金業者としての登録は必要ありません。ただし、貸金業者の登録が必要ないファクタリング業者を装い、裏では金銭を貸し付けようとする悪徳業者も存在しますので、そのような業者とは取引しないようにしてください。