【2024年最新版】ファクタリングの売買手数料の全知識!契約形態別の売買手数料と抑え方まで徹底解説

ファクタリング利用時に支払う手数料は、正式には売買手数料といいます。
ファクタリングの活用を検討している時に、気になるのが売買手数料についてです。

ファクタリングは契約形態によって売買手数料相場が異なります。 その他、内訳ごとに相場があり、ポイントを押さえることで売買手数料を安く抑えることも可能です。

今回は、ファクタリングを利用するときにかかる売買手数料の相場をはじめ、費用を安く抑えるためにどのような方法があるのかを解説していきます。
コストを抑えて迅速に資金調達するためにも、ぜひ、ご一読ください。

 

ファクタリングの売買手数料の相場

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングは、契約に「売掛先」が関与するか異なるため、売買手数料相場もどちらのファクタリングで契約するかによって次のように違いがあります。

なお、ファクタリングは売掛債権の売買のため、利息制限法の規制を受けません。
相場からかけ離れた売買手数料で契約することがないよう慎重に判断することが重要です。
利息制限法とは?上限は何パーセント?計算方法などをわかりやすく解説

  1. 2社間ファクタリングの売買手数料相場…10~20%
  2. 3社間ファクタリングの売買手数料相場…1~9%

それぞれの売買手数料相場について詳しく説明していきます。

2社間ファクタリングの売買手数料相場

「2社間ファクタリング」とは、ファクタリング契約のうち、利用者とファクタリング会社のみで取引を行うファクタリングです。

売掛先に対し、売掛債権をファクタリング会社に譲渡することについて、承諾を得る必要もないため、スムーズに手続きが進みます。
そのため売掛金を現金化するまでの時間が早く、ファクタリングによっては即日対応してもらえるなど、スピード感のある資金調達が可能です。
ただし売掛金は利用者が回収業務を代行し、ファクタリング会社へ送金することが必要になるため、回収した売掛金を使い込まれたり持ち逃げされたりする「リスク」が発生します。

また、「売掛債権」は目に見えない資産であり、売掛先に対して本当に債権が発生しているかファクタリング会社から存在確認ができず、架空債権や水増し債権、二重譲渡のリスクもあるため、売買手数料は3社間ファクタリングよりも高めに設定され、10~20%が相場となります。

3社間ファクタリングの売買手数料相場

「3社間ファクタリング」とは、利用者とファクタリング会社だけでなく、「売掛先」も契約に関与するファクタリングです。

ファクタリング会社に売掛債権を譲渡することについて、売掛先に伝え承諾を得ることが必要となります。
売掛金は、売掛先からファクタリング会社に直接支払いが行われるため、使い込みなどのリスクは発生せず、売買手数料は1%~9%が相場となり、2社間契約よりも割安に設定されることが一般的です。

本当に売掛債権が発生しているのか、ファクタリング会社から売掛先に確認することもできるため、ファクタリング会社にとっては安心して契約を結ぶことができます。

ただし利用者にとっては、売掛先にファクタリングの利用を知られることでその後の取引に影響が及ばないか懸念が生まれます。
「資金繰りが悪化しているのではないか…」 「経営難に陥っているのではないか…」 このような不安を感じた売掛先が、その後の取引を見直し、取引停止や取引量削減といった行動に出ないとも限らないからです。
そのため中小企業の多くは、3社間ではなく2社間による契約を選択する傾向が多いです。

また、2社間ファクタリング3社間ファクタリング共に、売掛先からの回収が何らかの理由で出来なくても、その弁済責任を利用者が負うことはない償還請求権なし(ノンリコース)の契約です。

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ファクタリングの売買手数料を決定する項目

ファクタリングで支払う売買手数料は、ファクタリング会社が行う審査によって決まります。
売買手数料を決定づける項目は主に次の4つです。

  1. 契約方式の種類
  2. 売掛債権の金額
  3. 売掛先の信用力
  4. 過去の利用実績

4つの項目を含め、総合的な判断で売買手数料は決まりますが、それぞれの項目について説明していきます。

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契約方法の種類

前述したように、契約方式が2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかによって、売買手数料は大きく異なります。
一般的に、3社間ファクタリングの方が、売買手数料が低い傾向にあります。

売掛債権の金額

売掛債権の額面が大きいほど、売買手数料が低い傾向にあります。
ファクタリング会社が1つの契約で負担する経費や手間が売掛債権の額に左右されない為、額面が大きいほど効率よく利益を残せるからです。

しかし、売掛債権の下限や上限を設けているファクタリング会社も多いため、売却前に確認をしたほうがよいでしょう。

売掛先の信用力

ファクタリング会社は利用者の信用力よりも、売掛先の信用力を重視し審査を行います。
ファクタリング会社が買い取る売掛先の経営状況や財務状態が良好なほど、ファクタリング会社の抱える未回収リスクは軽減されることとなるため、売買手数料も低くなる傾向になります。

過去の利用実績

初めてファクタリング契約を結ぶ利用者よりも、すでに利用実績のある利用者のほうが、ファクタリング会社も安心して契約できます。
過去利用時に連絡が取りやすい、審査に必要な書類をスムーズに提出している、集金代行を期日通り行っていることなどは、ファクタリング会社からの信頼度が上がる要因となります。

逆に、過去に遅延やファクタリング会社とのトラブルを起こしているとリスクの高い取引と判断され、審査に通らない場合や売買手数料が割高に設定される可能性が高いです。

ファクタリングの売買手数料の内訳

売買手数料が高ければファクタリング会社の利益が増えることになるため、ファクタリング会社としては高い売買手数料のほうが有利な契約となります。

しかし利用者の立場になってみれば、できるだけコストは抑えたいはずです。
そこで、適切な売買手数料が設定されるか知るためにも、ファクタリング契約で発生する売買手数料の内訳を確認しておくことをおススメします。

ファクタリングの売買手数料には、次の6つの費用で構成されることが一般的です。

  1. 基本売買手数料
  2. 審査・事務手数料
  3. 印紙税
  4. 振込手数料
  5. 債権譲渡登記費用
  6. 出張費用

また、これらの内訳はファクタリング会社によってはその他費用や、諸経費として請求される場合もあります。 

それぞれの費用について説明していきます。

基本売買手数料

前述したとおり契約形態によって変わります。 ファクタリングサービスを利用するうえで必ず発生するものです。

審査・事務手数料

審査手数料や事務手数料などの費用の有無もファクタリング会社によって異なるものの、数千円程度が相場であることが多いといえます。

印紙税

ファクタリングで債権譲渡契約を締結するときに、契約書には印紙を貼ることが必要です。
売掛債権の額面により、200円から数十万円まで金額は異なります。

債権譲渡登記費用

2社間ファクタリングの場合、債権譲渡登記を求められることがあります。

法務局に債権譲渡登記の設定を行うことで、対抗要件を具備します。
債権譲渡登記ができるのは法人のみですが、登録免許税7,500(債権個数が5,000個以下の場合)と司法書士報酬が数万円かかることになり、利用者が負担します。

そのため登記を必須とするファクタリング会社の場合、個人事業主は契約できないこととなり、法人の場合でもコストが発生しますので、コストを抑えるには登記留保という形で、申請書は作成するものの必要のない限りは登記しないというファクタリング会社を選んだほうがよいといえます。

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出張費用

ファクタリングを利用したいけれど本業も忙しくファクタリング会社の店頭窓口まで出向くことが難しい場合、ファクタリング会社の担当者が出張対応してくれる場合もあり、その際にかかる費用が出張費用です。
売買手数料とは別途請求される費用であり、担当者が利用者を訪問するにあたり、かかった出張費や交通費などが別で請求されます。

ただしファクタリング会社によっては、出張費や交通費は請求しないケースもあるため、事前に確認しておくことが必要です。

 

 

ファクタリングの売買手数料を抑える方法

利用者からすると、売買手数料はなるべく安く抑えたい項目です。
その方法として、次の6つをポイントとして押さえたうえでファクタリング会社選びをするようにしてください。

 

  1. 複数の会社から相見積りを取得する
  2. 3社間ファクタリングで契約する
  3. 売掛債権をまとめて売却する
  4. 信用力の高い売掛金を売却する
  5. 担当者と信頼関係を築く
  6. 債権譲渡登記を含む契約を選ぶ

それぞれのポイントについて説明していきます。

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複数の会社から相見積りを取得する

売買手数料はファクタリング会社独自の審査で決まりますが、相場を知るためにも複数の会社から相見積りを取得し、比較・検討することをおススメします。
公式サイトにおおよその売買手数料も記載されていますが、売却する債権によって売買手数料は異なるため、相見積りを取得したほうが安心です。

3社間ファクタリングで契約する

売買手数料を抑えるなら2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングを選ぶべきです。
3社間ファクタリングで契約を考えている場合、売掛先に了承は得られるのか、資金調達までの日数はどのくらいか、売掛先にファクタリング利用を知られてもその後の取引などに影響しないか、様々な点を考慮しながら決定するようにしてください。

売掛債権をまとめて売却する

ファクタリング取引では、債権額に関わらず事務手続きにかかるコストはほぼ一定です。
そのため、複数の少額債権を個別に売却するよりも、ある程度まとまった金額の債権をまとめて売却する方が、1件あたりの事務コストを抑えられます。

例えば、10万円の債権を10件個別に売却するより、100万円分をまとめて売却する方が、書類作成や審査、振込手続きなどの事務作業を1回で済ますことができ、結果として総合的な売買手数料負担を軽減できる可能性があります。

ただし、これはあくまでも事務コストの観点であり、売買手数料率の決定には売掛先の信用力がより大きな影響を与えることに注意が必要です。

信用力の高い売掛債権を売却する

前述したようにファクタリングの審査でもっとも重視されるのは売掛先の信用力です。
売買手数料を抑えたいなら、信用力の高い売掛先の債権を売却したほうがよいといえるでしょう。

担当者と信頼関係を築く

ファクタリング会社の担当者と信頼関係を築くことは、少なからずファクタリングの売買手数料を抑えることにつながります。

ファクタリングでは、売買手数料を決めるときに売掛先の信用度を重視しますが、利用者の信用度も最低限は審査に加味されます。
これはファクタリングに保証人や担保は必要ないことから、売掛金を回収できないリスクがあるためです。

信用度の判断には、ファクタリング会社の担当者の意向が少なからず反映されることもあるので、良好な関係を築くようにしましょう。

債権譲渡登記有の契約を結ぶ

ファクタリング会社の承諾を得て、債権譲渡登記有りの契約にすると、ファクタリングの売買手数料を抑えられる可能性があります。

債権譲渡登記とは、債権(売掛金を受け取る権利)がファクタリング会社に移ったことを公的に証明する手続のことです。
主に2社間ファクタリングにおいて、売掛債権の二重譲渡のリスクを抑えるために利用されています。
債権譲渡登記をすると、法務局で誰でも登記の確認ができるようになります。

取引先の信用管理がよほど厳しくない限り、登記の確認をすることはほとんどないですが、ファクタリングの利用を知られるリスクはあるのでその点には、注意しましょう。

 

ファクタリングの売買手数料の仕訳と勘定科目

ファクタリングを利用した後、仕訳や勘定科目についてどのように計上すればいいか分からない経営者や経理の方もいらっしゃるかと思います。
売買手数料発生時の、仕訳や勘定科目について説明をしていきます。

なお、今回は売買手数料の仕訳に着目しているため2社間ファクタリングでも3社間ファクタリングでも仕訳方法や勘定科目は同一です。
ファクタリング利用時の総合的な仕訳では、2社間ファクタリング3社間ファクタリングについて仕訳方法が異なるため、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

ファクタリングの仕訳はどうやる?勘定科目と会計処理の方法を徹底解説

買取代金がファクタリング会社から入金された場合の仕訳

ファクタリング契約の締結後に、ファクタリング会社から入金があった際に仕訳を行います。

ファクタリング会社へ支払う売買手数料は「売掛債権売却損」の勘定科目で処理します。
100万円の売掛金をファクタリング会社に譲渡したときの売買手数料が5万円だった場合には、以下のような仕訳となります。

借方 貸方
現金・預金     95万円 未収入金      100万円
売掛債権売却損   5万円

売買手数料の勘定科目は「売掛債権売却損」

売掛債権を譲渡する際の売買手数料は、「売掛債権売却損」として会計処理するのが適切です。

ファクタリングを利用する企業の中には、将来的な銀行融資を検討している方も少なくないでしょう。銀行融資への影響を懸念し、ファクタリング利用を隠すような会計処理を考えるのは、自然な発想かもしれません。
「支払手数料」や「雑損失」などの科目を使用することで、表面上はファクタリング利用を見えにくくすることは可能です。

しかしながら、ファクタリングの利用規模が大きく、それに伴う売買手数料も高額になる場合、前年度比較で「支払手数料」や「雑損失」の急増が目立つ可能性があります。

このような変化は、銀行から質問を受ける可能性があることを念頭に置いておく必要があります。
また、会計処理の方法については、税理士と相談の上で決定することをお勧めします。

違法業者の売買手数料の特徴

ファクタリング会社の中には残念ながら違法業者も存在します。

利用する際に、注意しておきたいのが「税金」の扱いです。
ファクタリング会社から提示された見積り書を確認したとき、手数料に「消費税」が課税されていれば、相手は違法業者である可能性が高いといえます。

注意しておきたいのは次の2つです。

  1. ファクタリングの売買手数料に消費税が課税されている
  2. 売買手数料以外に保証金や手付金は発生する

それぞれの注意点について説明していきます。

ファクタリングの売買手数料に消費税が課税されている

ファクタリング会社に支払う売買手数料に対し、「消費税」が課税されることはありません。
そのためファクタリング会社から提示された見積書や契約書に、「消費税」という名目の記載があれば、何に対する課税かファクタリング会社に説明を求めましょう。

なお、債権譲渡登記が必要な契約である場合には、登記の申請を依頼する司法書士に対する「報酬」には、消費税が課税されます。

ファクタリング取引に消費税はかからない3つの根拠を徹底解説

売買手数料以外に保証金や手付金が発生する

ファクタリングでかかる費用のうち、事務手数料や審査手数料などは「基本売買手数料」に含まれているケースもあれば、別途発生するケースもあります。

しかし、「保証金」や「手付金」といった費用は発生しません。
売買手数料が相場よりも大きく下回るファクタリング会社との契約にとびついてしまうと、本来発生しない費用を追加で請求され、合計すると多額のコストが発生するといった悪質な契約も存在します。

売却する売掛金の半分近い金額を売買手数料として請求されてしまうことになりかねないため、十分に注意してください。

ファクタリングの売買手数料に関して知っておきたいこと

ここまで紹介したもののほかに、ファクタリングの売買手数料について知っておくと役立つポイントを、厳選して2つ紹介します。

  1. 売買手数料は課税対象外
  2. 売買手数料だけでファクタリング会社を選ばない

以下では、それぞれのポイントについて、「具体的にどういうことなのか」や「なぜそういえるのか」などをわかりやすく解説します。ご一読いただき、ファクタリング利用時の参考としてご活用ください。

売買手数料は課税対象外

ファクタリングの売買手数料は課税対象外なので、税金はかかりませんが一体何故なのでしょうか。
理由は、有価証券の譲渡と同じく非課税取引であると、国税庁によって定められているからです。

なお、債権譲渡登記が必要な場合は、消費税の課税対象になりますので、注意しましょう。

課税対象かどうかを正しく把握するためにも、債権譲渡登記が必要な契約内容なのかどうかを事前に把握しておくことが大切です。
債権譲渡登記を伴わないファクタリングの売買手数料に対して消費税を要求されたときは、支払い前に確認し、不審な場合には別のファクタリング会社の利用を検討してください。

売買手数料だけでファクタリング会社を選ばない

ファクタリング利用時に、売買手数料は重要な要素ではありますが、それだけでファクタリング会社を選ぶのはおすすめしません。
なぜなら、問い合わせへの対応や現金化までのスピードなどを考慮することが必要となるためです。
いくら売買手数料が安くても、現金化に想定した以上の時間がかかってしまっては、資金繰りに画悪影響が生じかねません。

また、ファクタリングの卒業の提案や、利用後のサポートが充実している会社を選ぶと安心して利用できるでしょう。

弊社では、ピーエムジーパートナーズをグループ会社に持ち、ファクタリング利用後にファクタリングを卒業するための、財務改善や経営改善まで行うサポート体制を整えております。
「ファクタリングを一度利用すると抜け出せないんじゃないか…」「ファクタリングだけでなく、根本的に経営状態を見直したい」などお悩みの方は是非一度弊社までお問い合わせください。

まとめ

ファクタリングは企業が保有している売掛金(請求書)を売却し現金化するサービスです。
現金化するときには、売買手数料が発生します。 売買手数料はファクタリング会社独自の審査により決まりますが、ファクタリング会社の抱えるリスクが大きいと判断されると、売買手数料の額は上がる傾向にあります。

そのため売買手数料をできるだけ安く抑えるには、未回収となるリスクの低い債権を売却する、信頼関係を築くなど、売買手数料を左右するポイントを押さえることが大切です。
本来、発生しない項目を費用として請求される場合には、契約を中止し、実績が豊富な信頼できるファクタリング会社に相談してみることをおすすめします。