保有する売掛金を資金化するファクタリングは、中小企業の間で効率的な資金調達の方法として活用されるようになりました。
一般的にあまり耳にすることのないファクタリングという英語の名称は、どのような意味や由来で付けられたのでしょう。
そこで、ファクタリングという英語はどこからきた言葉なのか、その由来をご説明します。
ファクタリングの意味
ファクタリングという読み方を英語にすると「factoring」になりますが、この英語表記の言葉の由来は「factor」からの派生によるものです。
「factor」という英語の言葉が持つ意味は、因数分解・要因・要素・代理人などの種類があります。
カタカナ英語としても「ファクター」という言葉は、要因や要素という意味でビジネスの場面などで使用されています。
そのファクターに現在進行形の「ing」を合わせた略語がファクタリングです。
「ファクタリング」というカタカナ英語の場合、、売掛債権を買い取るサービスそのものを指します。
サービスの内容をあらわす意味としては、代理人をあらわしているといえるでしょう。
売掛債権の英語表記
日本の商取引では、掛け取引が一般的です。
会社が先に商品やサービスを販売・提供し、取引先に対して未払金を請求するフローが掛け取引ですが、ここで発生するのが売掛債権です。
ちなみに売掛債権は英語で「Accounts receivable」と表記します。
商品やサービスは販売・提供したけれど、その代金を現金回収できていないことで、請求を可能とする権利が売掛債権です。
ファクタリングの資金調達における有効性
欧米ではリスク回避のため、輸出などは前払いによる取引が浸透しつつあります。
日本の掛け売りで発生した売掛債権の支払いサイトは、月末締め翌月末支払いの場合もあれば、月末締め翌々月末支払いという場合も見られます。
仮に月末締め翌々月末支払いで、当月の月始めに商品を納品した場合、代金をキャッシュとして受け取る決済までの期間は3か月程度です。
商品を納品する前に行った仕入れ代金の支払いは、売掛債権が入金されるよりも前に到来します。
従業員に対する給与の支払いや家賃、水道光熱費などの固定費も同様です。
売上代金が入金されるよりも前に、手元の資金額に不足が生じるリスクが発生します。
そこで、掛け取引によるデメリットを回避する方法として、ファクタリングが注目されるようになったのです。
似た手法に銀行などの金融機関で手形を割り引いてもらい、手数料(割引料)を支払ってその代金を受け取る手形割引などもあります。
ただし手形割引の場合、仕組みはファクタリングと似ていても、融資とみなされます。
ファクタリングは、あくまでも所有する売掛金をファクタリング会社に売却する売買取引である点は大きな違いです。
ファクタリングによる倒産防止策
会社を経営していて決算書が赤字続きの場合、
「このままでは倒産してしまう…」
と不安になるかもしれません。
ただ、赤字が続いても手元のお金が減少しても枯渇しなければ倒産することはないといえます。
会社が倒産するのは、資金繰りが悪化し、手元のキャッシュがなくなってしまったときです。
決算書は黒字だとしても、手元の資金がショートすれば会社は倒産します。
このような事態を防ぐためにも、ファクタリングのメリットを活かし、資金繰り改善や運転資金確保に活用しましょう。