企業が経営活動の状況確認をし、評価する際に用いられるのは主に財務諸表です。
財務諸表は運営活動の財務上の結果を報告する目的で作成されますが、貸借対照表、損益計算書、利益処分計算書、附属明細表の4つがあります。
特にバランスシートとも呼ばれる貸借対照表は、資金調達や運用に関連する書類ですのでしっかりと読めるようにしましょう。
貸借対照表とは?
事業活動を実質的に動かす際に資金の調達をし、そして調達した資金をどのように使うのかが重要です。
それらを読み取ることができるのが貸借対照表です。
貸借対照表は、
- 資産
- 負債
- 純資産
の3要素で構成されています。
左側(借方)が資産、右側(貸方)が負債+純資産となり、双方の金額は一致します。
左右のバランスが取れることから、貸借対照表をバランスシートと呼んでいます。
貸借対照表が示す意味は?
資金の調達方法は貸方の負債と純資産で確認します。調達された資金の運用先(使用先)は資産から確認することができます。
負債からの資金は、銀行から融資を受けた場合や社債で、元本だけでなく利息も返済する必要のある資金です。
純資産からの資金は、株主や投資家からの資本金が主で、返済する必要の無い資金だと言えます。
<h2自己資本が高い会社は体力がある
負債と純資産の比率は、バランスシートを確認するタイミングによって異なります。
例えば事業が低迷していて借入金の返済が困難な状況に陥れば、最終的には倒産という末路をたどる可能性もあります。
そうならないように、返済の必要がない自己資本の比率を確保しておく必要があるでしょう。
自己資本が多いほど、体力のある会社だと言い換えることができます。
また、利益の積立分である内部留保も純資産に含まれます。
内部留保とは?
活動結果で得た当期純利益の中から、税金、株主配当、役員賞与といった支払い分を差し引いた残りです。
得た利益を株主など全て分配せず、内部に残しておくのは事業拡大の設備投資、さらには赤字になったときの蓄え、借入金返済などに充てることができるようにするためです。
バランスシート内では、利益準備金、任意積立金、繰越利益剰余金のどれかで純資産として計上されます。
自己資本の適正な比率は?
自己資本の比率は、
「純資産/(負債+純資産)」
で算出できますが、企業や業種、戦略などでどれくらいの比率が適正か異なります。
一般的な目安として20~30%くらいと考えられます。
資金の流れの確認を
負債と純資産で調達した資金を、借方の資産へ移動して運用していきます。
資金は現金や預金、製品や商品またはサービスなどを提供した分の売掛金、将来提供のもととなる製品、仕掛品、原材料、設備などの固定資産、そして事業に必要である投資といったものへと形を変えていき、運用されることになります。
会社の懐事情を知るためにしっかりと理解を!
このようにバランスシートは、お金がどのように流れているかを確認するために活用できる書類です。
財務状況を見える化したものですので、会社の懐事情を把握することができます。