キャッシュフローが回ることで、経営は安定します。
企業活動において実際に得た収入から支払い分を差し引き、手元に資金が残るというお金の流れがキャッシュフローです。
決算書のキャッシュフロー計算書で報告される部分であり、企業の一会計期間においての現金収支の流れを把握することができます。
安定経営にキャッシュフローが回ることは欠かせないといえますが、どのような状況が好ましいのか、キャッシュフローの示す内容や必要な条件を解説します。
キャッシュフローが回る状況とは
キャッシュフローが回る状況とは、売上代金を期日までに回収し、固定費等の支払いを遅れずできている状態です。
まずキャッシュは、調達・投資・回収・分配の4つのサイクルで回ります。
株主や債権者など、資金の提供先から必要資金を調達し、調達資金は営業活動や有価証券などに投資・運用します。
売上や有価証券を売却したときの売買益などでキャッシュを回収し、回収したキャッシュは株主などに配当金という形で分配する流れです。
損益計算書上は利益が出ていて黒字なのに、支出が収入よりも多くなって資金不足に陥るのは、「勘定あって銭足らず」という言葉をあらわす状況といえます。
倒産する理由
損益計算書上は赤字を示していても、手元にキャッシュがあればすぐに会社は倒産しません。
しかし、手元のキャッシュがなくなれば会社はすぐに倒産します。
キャッシュが不足しないことが大切であり、キャッシュフローが回るように損益計算書上の黒字で安心しないことが必要です。
キャッシュが示す内容
キャッシュフロー計算書で「キャッシュ」とされるのは、現金そして現金同等物です。
手元にある現金はもちろん、すぐに引き出すことが可能な預金、簡単に換金できるものや価値変動リスクが少ないもの、短期投資なども含まれます。
キャッシュフローが回る必要条件
キャッシュフローが回るようにするためには、キャッシュフロー経営を行うことが重要です。
キャッシュフロー経営とは、キャッシュフローに着目した経営管理を行うことです。
具体的には、一定期間における資金の収支を予測し、いつ資金がどのくらい必要なのかを把握し、その資金をどのように調達するのか計画します。
さらに、計画した通りに資金の受け払いを行い、資金を調達する上で発生する費用はできる限り抑え、資金がショートしてしまわないことが大切です。
資金の収支における実績を計算して、実際の内容と計画を比較しながら、今後の計画の見直しなどを行い改善しましょう。