コロナ融資は返済免除可能?返済できない場合の対処法を紹介

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2020年3月にスタートしたコロナ融資は、多くの事業者の資金繰りを支援した制度でした。

ただし、事業回復に至っていない中で返済が始まり、返済免除を希望する声も少なくありません。

倒産件数は十分に抑えられたものの、返済できないことを理由に今後倒産する会社が増えないとも限らない現状です。

そこで、コロナ融資は返済免除可能なのか、返済負担の軽減に活用できる保証制度を解説します。

なお、本記事は2026年10月時点の法令・制度に基づいています。

コロナ融資とは

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「コロナ融資」とは、新型コロナウイルス感染拡大で売上減少に陥った事業者を支援するための融資制度であり、利子も担保も「ゼロ」であったため「ゼロゼロ融資」とも呼ばれていました。

通常、融資を受ければ金融機関に対して利子の支払いが必要ですが、コロナ融資では公的機関が3年間利子を負担します。

コロナ融資には、日本政策金融公庫などの政府系金融機関が直接貸し付けるゼロゼロ融資と、民間金融機関が信用保証協会の保証付きで貸し付ける民間ゼロゼロ融資があります。

後者の場合、返済できなくなったときには信用保証協会が金融機関に代位弁済しますが、その後は保証協会に対する返済義務(求償債務)が残るため、返済免除されるわけではありません。

コロナ融資の返済状況

コロナ禍が落ち着き経済回復が期待される中、コロナ融資を含む借金返済に悩む経営者は増えています。

経済の流れが大きく変化し、長引く行動制限の中で事業継続に向けて、新たに資金を借り入れた事業者は少なくありません。

その1つがコロナ融資であり、利用した事業者の多くは利子のみ支払えばよい期間である据置期間を設け融資を受けていました。

据置機関は最長5年で設定できたものの、すでに返済が開始されています。

コロナ融資の返済免除の可能性

売上激減を理由に資金繰り困難に陥ってしまった事業者にとって、コロナ融資はまさに救いの手になったといえます。

しかし、コロナ前に資金繰りが悪化していた事業者は、コロナ融資を受けることで延命された状態であり、返済資金を捻出できず事業継続が危ぶまれています。

コロナ融資が返済できない場合の対処法

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2020年3月に始まった日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や民間金融機関の保証付融資は、コロナ融資(ゼロゼロ融資)と呼ばれ多くの事業者の資金繰りを支援しました。

据置期間は最長5年で設定でき、民間ゼロゼロ融資の返済開始は2023年7月〜2024年4月に集中しました。

出典:中小企業庁 コロナ資金繰りの現状(2023年6月)

その後の返済状況は、完済・借換え・条件変更などにより事業者ごとに異なります。

返済が始まった後に免除を希望する声は多いものの、事業者向けコロナ融資は、売上減少や返済困難だけを理由に元本が一律・自動的に免除されるものではありません。

ただし、債権者の判断による債務免除や、法的整理・私的整理(中小企業活性化協議会「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」等)を通じた返済負担の減免が行われる場合はあります。

返済困難な場合、以下の対処法の検討が必要です。

  1. 据置期間を延長する
  2. 返済条件を見直す
  3. 廃業する

据置期間を延長する

据置期間の間はコロナ融資の返済に苦しんでいなかった場合、利子のみを支払う期間を延長すれば、資金繰りは悪化しにくいと考えられます。

この場合、日本政策金融公庫に据置期間を延長してもらえないか交渉することも必要です。

日本政策金融公庫では、コロナ融資の返済負担が重い事業者向けに、据置期間の再設定や返済期間の延長などの条件変更に応じています。

2026年時点では、借換制度(中小企業事業「危機対応後経営安定貸付」、国民生活事業「危機対応後経営安定資金」)も用意されているため、相談してみましょう。

返済条件を見直す

コロナ融資の返済条件の見直しは、各都道府県の「中小企業活性化協議会」(2022年4月に中小企業再生支援協議会から改組)に相談できます。

協議会では、資金繰り状況に応じて次の支援を受けられます。

  • 中小企業に代わり元金返済猶予を要請
  • 資金繰り計画立案と債権者との交渉(新規融資を含めた金融機関との調整や債権者との合意形成など)
  • 資金繰りに関する継続的なサポート

協議会では、常駐の専門家や外部専門家(公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士)のサポートを受けながら計画を策定し、金融機関との調整を進めます。

ただし「中小企業活性化協議会」を通す手続となるため、提出書類の作成などの準備が必要です。

出典:中小企業活性化協議会への改組(2022年4月) 

廃業する

コロナ融資が返済できない場合の対処法として、廃業することが挙げられます。

据置期間の延長やリスケジュールなどで問題解決に至らない場合、廃業という選択も方法の1つとして検討が必要です。

債務超過による法人廃業は裁判所を通して手続することになり、次の2つを選択することになります。

  1. 法人破産
  2. 特別清算

法人破産

法人破産とは、支払いができない状態(支払不能)に陥った企業や、資産をすべて売っても負債を返済できない債務超過の会社の財産を処分して債権者に配当することです。

会社の所有する財産はすべて換価し債権者に平等に配当され、最終的に法人格が消滅することにより、借金も消えます。

個人が自己破産した場合、免責決定により借金返済は免除されますが、法人の破産では免責という概念はありません。

経営者個人が連帯保証人になっている場合、法人の借金返済義務は消滅しても経営者に返済義務が移るため、慎重な判断が求められます。

なお、経営者個人の保証債務については「経営者保証に関するガイドライン」に基づく整理により、一定の生活費や華美でない自宅を残して保証債務の免除を受けられる場合があります。

特別清算

特別清算とは、債務超過に陥った会社を清算するための法的手続で、破産と同じく裁判所を通して会社法を根拠に行います。

会社法を根拠とするため、対象となる法人は株式会社に限定されます。

特別清算には、債権者集会に出席した議決権者の過半数の同意と、議決権者全体の議決権総額の3分の2以上にあたる議決権を持つ者の同意を得て協定を結ぶ「協定型」(協定は裁判所の認可決定が確定して効力が生じます)と、債権者と個別に和解契約を結ぶ「和解型」があります。

破産手続より厳格な手続は求められないため、比較的、簡易的・迅速に手続できますが、債権者の同意が必要です。

まとめ

コロナ融資で資金調達した事業者の多くは、まだコロナ前ほど事業が回復していない状況で、どのように返済資金を捻出しようと悩んでいることも少なくありません。

もし返済免除を希望する場合でも、免除ではなく据置期間を延長してもらうなどの対処が必要です。

手元の資金が枯渇すれば、会社は倒産します。

資金ショートが目前の場合は、売掛金を早期に現金化できるファクタリングで当面の資金をつなぐ方法もあります。

ただし、ファクタリングに頼り続ける状態は資金繰りの根本的な改善にはならないため、金融機関への条件変更の相談と併せて活用してください。

公認会計士・税理士 関口常裕
監修者公認会計士・税理士関口 常裕

エンサイドコンサルティング株式会社 代表取締役

「財務会計を経営にリンクさせ、行動変化を起こす」ことをモットーに活動中。財務面では経営状況に応じた資金調達ノウハウ、企業のキャッシュフロー改善に定評あり。