会社が倒産してしまうのは赤字だからというイメージが強いでしょうが、実際には黒字でも事業は続けることができなくなるため、そのような状況は回避しなければなりません。
そこで、順調に利益を生んでいる黒字でも倒産してしまう理由はなぜなのか、回避するにはどうすればよいかご説明します。
中小企業経営者向け!

そもそも会社が倒産するとはどのような状態なのか
実は「倒産」という言葉は法律用語なく、法人や個人などが債務超過などを理由に色々な支払いに行き詰り、事業を継続できなくなってしまった状態を指しています。
その中でも「黒字倒産」とは、利益が出ている黒字状態であるのに、事業を続けることができなくなってしまうことです。
赤字などが続き、経営状態が悪化を回避できず倒産してしまうならまだしも、黒字なのに倒産してしまうのは不思議に感じる方もいるでしょう。
実際、赤字でも倒産を回避し、会社経営を続けているケースは少なくありません。
赤字であることだけを理由に、倒産することはないといえます。
黒字なのに倒産してしまう理由とは
では、会社が利益を出していて黒字なのに、倒産してしまう理由は何なのでしょう。主な理由として次のことが挙げられます。
売掛金管理が十分でない
黒字倒産に至ってしまう原因として、売掛金の管理が十分でないケースは少なくありません。
商品を販売すれば売上が計上されますが、その代金が実際に入金されるのは1~2か月先になります。
この間、売掛金が発生することとなりますが、掛け取引による現金入金のタイミングのズレが資金繰り悪化の原因です。
売上は先に計上されることで、損益計算書上は利益を生んでいたとしても、現金が入っていなければ支払いに充てる資金不足に陥る可能性もあります。
黒字倒産に至らないためにも売掛金はできる限り早めに回収することが望ましく、反対に買掛金はいつ支払い予定か把握しておくことが重要です。
過剰な在庫が発生している
黒字倒産の理由として挙げられるもう1つは、在庫の管理が徹底されていないことにより、
過剰在庫が発生していることです。
注文があったときに在庫不足にならないように、できるだけ在庫は多いほうがよいと考えることもあるでしょう。
しかし適切な在庫管理ができていなければ、結果として過剰在庫になり、黒字倒産を招く要因になってしまいます。
黒字倒産を回避するために必要なことは?
黒字倒産を回避するためには、会社の財政や経営状態を把握するため、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書を確認します。
特にキャッシュフロー計算書は、会社の実態を知る上で有効であり、経営状態を理解する上でも有効です。
資金繰りを悪化させない経営を
いくら黒字が出ていても、手元の資金がショートすれば倒産を回避できなくなってしまいます。
そこで、黒字倒産を回避するためにも資金繰りを悪化させないように心がけましょう。
黒字倒産の要因になる売掛金や在庫の管理はもちろんのこと、無駄な資産は保有しないようにすること、締日・入金日・支払日に気をつけることが大切です。
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