「資金調達」は英語で何と言う?実務で使われる表現を整理

funding word written by hand on blackboard


ビジネスの場面で「資金調達(しきんちょうたつ)」を英語で伝えようとしたとき、辞書に出てくる単語が多くて迷ったことはありませんか。

 

資料作成や英文メール、会議での説明など、場面によって適切な言葉は違います。直訳すると相手に誤解を与えてしまうケースもあるので、注意が必要です。

 

この記事では、実務で資金調達に関して頻繁に使われる英語表現や、使い分けのポイントをわかりやすく整理しました。

「資金調達」は英語でどう言う?

日本語の「資金調達」にあたる英語は一つではありません。お金を集める行為を指す場合でも、その方法や状況によって言葉を使い分ける必要があります。

 

まずは、最も基本となる表現から見ていきましょう。

最も一般的な表現|funding / financing

ビジネス会話で広く使われる表現が「funding(ファンディング)」です。これは事業やプロジェクトのためにお金を集めることを指します。

 

たとえば、「資金調達を検討しています」と伝えたい場合は、以下のように表現します。

 

・We are seeking funding. 

 

一方で「financing(ファイナンシング)」は、銀行からの融資や金融的な裏付けがある場合によく使われる傾向があります。

 

たとえば、「融資先を探しています」と伝えたい場合は、以下のように表現します。

 

・We are looking for financing.

 

どちらも似た意味ですが、ニュアンスが若干異なります。

動詞で表す場合|raise / raising funds

「資金を調達する」という動作を伝えたいときは、動詞の「raise(レイズ)」を使います。

 

具体的によく使われるフレーズは、以下の通りです。

・raise funds(資金を集める)

・raise capital(資本金を調達する)

 

注意が必要なのは「fundraising(ファンドレイジング)」という言葉です。この言葉も資金調達を意味しますが、英語圏では「非営利団体が活動に資金面で支援を受けること」を指す場合が多いです。

 

ビジネスで投資や融資を募る場合は、「raising funds」や「raising capital」と表現するほうが、誤解されにくいでしょう。

よく使われる英語表現一覧(翻訳対応)

英語には似たような単語がいくつもありますが、それぞれが持つ本来の意味を知っておくと、使い分けが楽になります。

 

ここでは、実務でよく出てくる単語の微妙な違いを解説します。

fund / funds / capital の違い

「fund」という単語は、単数形か複数形かで意味が少し変わります。

 

単数の「fund」は「特定の目的のために集められたお金の塊」を指します。「投資ファンド(investment fund)」や「年金基金(pension fund)」などがこれに当たります。

 

一方で、複数形の「funds」は、会社が自由に使える「手持ちのお金」や「資金」そのものを指すことが一般的です。「We have sufficient funds(十分な資金がある)」のように使います。

 

また、「capital(キャピタル)」は、日々の運転資金というよりは、事業の開始や拡大のための「資本金(元手)」という意味で使用されます。設備投資や会社設立の文脈で使われることが多いです。

finance / financing の実務的な使い方

「finance」は「財務」や「金融」という分野全体を指します。たとえば「Ministry of Finance(財務省)」のように使われます。

 

これに対して「financing」は、具体的にお金を工面する「行為」や「手段」に焦点を当てた言葉です。

 

・obtain financing(資金を調達する/融資を取り付ける)

・debt financing(借入による資金調達)

 

具体的な調達活動を指す場合は、「financing」を使うのが自然です。

手段別に見る「資金調達」の英語

一口に資金調達といっても、銀行から借りるのか、投資家から出資してもらうのかで、使うべき英語は変わります。

 

そのため、使い方を間違えると資金調達の方法が誤って伝わってしまうため、注意が必要です。

銀行融資の場合|loans / bank loans

銀行からお金を借りて、利息をつけて返す場合は「loan(ローン)」または「bank loans(バンクローン)」を使います。

 

銀行融資を具体的に表現するには、以下のようなフレーズを使います。

・apply for a loan(融資を申し込む)

・obtain financing from a bank(銀行から融資を受ける)

 

「financing」を使っても間違いではありませんが、相手には「融資(借金)」なのか「出資(投資)」なのかが伝わりにくいことがあります。はっきりと「借入金」であることを伝えたいときは、「bank loan」や「debt(負債)」という言葉を添えるのが確実です。

株式・投資の場合|equity / investment

新株を発行して投資家からお金を集める場合は、「equity(エクイティ)」や「investment(インベストメント)」を使います。「equity」は株主資本を意味します。

 

・equity financing(株式発行による資金調達)

・issue shares(株式を発行する)

 

ベンチャー企業などが「投資を受ける」というときは、「receive investment」や「raise equity」といった表現になります。

補助金・助成金|grants

国や自治体から支給される補助金や助成金は、英語で「grants(グランツ)」と表現します。融資とも出資とも異なり、条件を満たせばもらえる「返済不要なお金」を意味します。

 

ビジネスでお金を「調達する(raise)」という能動的なニュアンスよりは、「交付を受ける」「与えられる」という受動的なニュアンスとして使われます。

 

・government grants(政府補助金)

・non-repayable funds(返済不要な資金)

英文例で理解する「資金調達」

単語の意味を理解したあとは、実際の文章の中での使用例を見てみましょう。

 

相手や場面に合わせて、丁寧な表現とシンプルな表現を使い分けることが大切です。

 

資料・プレゼンで使える例文

投資家向けのプレゼンテーション資料や、会社の公式文書では、言葉の選び方が相手への信頼感につながります。

 

「探している」と伝える際、日常的によく使う「look for」は、机の上の書類やスマートフォンなど、身近にある「目に見えるもの」を探す場面に適した言葉です。一方、「seek」は、解決策や真理、そして資金のように、「形はないが、価値あるもの」を追い求めるときに使われます。

 

そのため、資金調達という目標を掲げる場面では、「seeking」を使うほうが文脈にも適しています。

 

・Our company is seeking funding to expand our business.(弊社は事業拡大のために資金調達を検討しています。)

 

メール・英会話で使えるシンプル表現

普段のメールのやり取りや口頭での会話では、難しい単語を並べるよりも、シンプルでわかりやすい表現が好まれます。

 

We are currently raising funds.(現在、資金を集めています。)

 

ここで使われている「raising funds」は、「資金を集める」という活動全般を指す便利な表現です。

 

厳密には「出資(投資)」をイメージされることが多い言葉ですが、あえて手段を特定せずに「資金調達に動いている」と伝えたい場合に重宝します。

 

また、相手に質問する場合も「How are you raising funds?(どうやって資金を集めているの?)」のように、シンプルな動詞を使うほうがスムーズに会話が進みます。

直訳するとズレやすい英語表現

日本語の「資金調達」や「資金繰り」という言葉を、そのまま辞書にある英語に置き換えると、意味が食い違ってしまうことがあります。

 

ここでは、直訳するとズレやすい英語表現を紹介するので、参考にしてください。

「資金繰り」と「funding」は同じではない

日本語では「資金繰りが大変だ」といった表現をよく使いますが、これを「Funding is difficult」と訳すと意味が変わってしまいます。

 

日本語でいう「資金繰り」とは、日々の入金と出金のタイミングを管理し、手元のお金が尽きないよう調整することです。これは英語では「cash management(キャッシュマネジメント)」と言います。

 

「funding」は新しい事業などのために、外部からまとまったお金を調達してくることを指します。「資金繰り」の話をしているのに「funding」という言葉を使うと、相手は「新しい出資者を必死に探しているのか?」と勘違いしてしまいます。

 

社内のお金の管理なのか、外部からの調達なのか、しっかりと区別しましょう。

financing を使うときに誤解されやすいケース

「financing」という言葉は便利ですが、それだけでは「どんな条件のお金なのか」がわかりません。

 

たとえば、工場の建設資金のような長期的な資金(long-term financing)なのか、今月の支払いに充てる短期的なつなぎ資金(short-term financing)なのかで、金融機関の審査基準はまったく違います。

 

また、こちらがお金を借りたい(debt)つもりで「financing」と言っても、相手は「株式をもらえる出資案件(equity)」だと期待してしまうかもしれません。

 

英語にする前に、期間と返済義務の有無をはっきりさせておきましょう。

【まとめ】英語表現で迷ったら、前提整理が必要なこともある

英語でどう言うか悩むときは、実は日本語での情報の整理が追いついていないケースが少なくありません。

 

言葉を選ぶ前に、まずは自分たちの状況を見直してみましょう。 

英語の問題に見えて、実は整理不足なケース

「資金調達」を英語にしようとして手が止まるのは、その資金の性質が決まっていないからかもしれません。

 

たとえば、もし調達する資金に返済義務があるなら「loan」、ないなら「investment」や「grant」を選びます。つまり、「いつまでに返すのか」「そもそも返す必要があるのか」といった前提が決まらない限り、正しい英単語は一つに絞れないのです。

 

自社の状況を整理し、誰からどのような形でお金を集めるかが決まれば、使うべき英単語はおのずと決まるでしょう。

PMGホールディングスは「言葉以前の整理」を相談できる先

PMGホールディングスは、資金調達の実行だけでなく、資金繰りの改善や財務の整理まで幅広く対応しています。

 

英語での対応が必要な場面であっても、まずはその土台となる「誰からどのような形でお金を集めるのが最適か」という部分から、日本語でしっかりと整理いたします。

 

困ったことや迷うことがあれば、まずはお気軽にご相談ください。