中小企業はいかに円滑に資金繰りを行うかが経営にとって重要です。
特に創業したばかりのときは、事業を続けていけるのか瀬戸際での資金繰りになる場合もあり、仮に資金が底をつけば創業したばかりで廃業という可能性もでてきます。
大げさではなく恐怖との戦いであるともいえるでしょう。
創業時を乗り切った後も、会社が成長していく過程においてやはり資金繰りが必要になります。
成長過程であれば、それなりに資金繰りは楽だろうと思うかもしれませんが、本当の資金繰りはここから始まるといっても過言ではありません。
そこで、なぜ中小企業の経営において資金繰りは重要なのか、その必要性についてご説明します。
中小企業は成長過程でもたくさんの資金が必要
中小企業の成長過程では、ある程度は入金されるお金の予測もつきやすくなる一方で、出ていくお金が増えていいきます。
創業したばかりのときのほうが初期投資などで支払いも多く、入金される金額も少なかったはず…。
それなのに成長過程においても、手元のお金が足らない状況に遭遇することに納得できない方もいるでしょう。
売上も利益も創業時より増えたはずなのに、資金が不足してしまう理由として、成長過程において動かすお金の金額が大きくなることが挙げられます。
中小企業の成長スピードが早いほど必要な資金も多くなる
企業が成長するスピードが早ければ早いほど、必要な資金も膨らんでいくことになります。
売上が増えていけば、その分、販売するための仕入れも増やすことになるでしょう。
そうなると、商品や製品などを売った分の代金は期日が到来するまで入金されないのに、仕入れ分の支払いは先に行わなければならなくなり、自己資金が不足する状況に陥ってしまうのです。
不足する資金は何らかの方法で調達する必要があるなど、成長過程でも資金繰りは欠かせないといえます。
成長過程において資金繰りがうまくいけば、成長の波に乗ることができるでしょう。
反対に、資金繰りが滞れば、成長の波に乗ることができず、資金がショートしてしまう可能性もでてきます。
銀行からの融資は悪ではない場合もある
中小企業が資金を調達する方法はいくつかありますが、一般的に用いられやすいのが銀行などからの借り入れです。
しかし、借金をしてまで資金を調達して、その後、経営は本当に大丈夫なのかと不安になる方もいるでしょう。
銀行から借り入れを行う場合、担保を求められたり経営者が連帯保証人にならなければならないなど、不安を煽りやすい要素は確かにあります。
ただ、銀行から融資を受け、毎月しっかり返済を行うことで信頼取引ができる企業であるという実績を作ることができます。
今後、さらに企業を成長させるために
中小企業がさらに成長し、事業規模を拡大することになれば銀行融資に頼らなければならない場面も出てくるかもしれません。
そのとき、銀行との信頼関係を築くことができていれば、融資における審査において有利に運ぶ可能性もあります。
高金利の金融機関から一時しのぎの借り入れを行うことは、毎月の返済額を増やし最悪の場合、自転車操業に繋がる可能性もありますが、実績作りという視点では銀行融資もときには必要と考えておいたほうがよいでしょう。