会社経営に失敗してしまうのは、融資を受けられなかったり初期投資を回収できなかったりなど、金銭的な問題を解消できないからです。
法人を設立してすぐに経営に失敗し、廃業や倒産してしまう会社も少なくありません。
そこで、会社経営に失敗する具体的な理由とは何なのか、廃業や倒産する経営者の特徴や成功のポイントについて解説していきます。
目次
会社経営に失敗する理由
法人設立後に会社を存続させることができず、経営に失敗してしまう背景には金銭的な問題などが大きく関係しています。
会社経営に失敗してしまうのは、主に次の5つの理由が関係すると考えられます。
- 銀行融資を受けられない
- 初期投資を回収できない
- 新規取引先を獲得できない
- 人材を確保できない
- 共同経営がうまくいかない
それぞれの理由について説明します。
銀行融資を受けられない
会社経営に失敗する理由として、銀行融資の審査に通らないなど、資金調達できないことが挙げられます。
事業を運営していく上で、資金を確保することは大切なことです。
手元に余裕資金がなければ、銀行からお金を借りるなどの方法で資金調達することになります。
しかし法人設立して間もない会社の場合、実績が十分ではなく、信用力が低いため審査に通りません。
中小企業は資金調達の方法を銀行融資に依存しがちであるため、審査に通らないことで調達手段を失い、資金繰りが悪化して経営に失敗しがちです。
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初期投資を回収できない
会社経営に失敗する理由として、法人設立や事業運営において投資した資金を回収できないことが挙げられます。
多額の初期投資が必要な場合、多くのケースで融資を受けて資金を調達し、そのお金を投じていることでしょう。
お金を借りれば、当然、返済義務が生じますが、返済資金は利益から捻出しなければなりません。
しかし売上が思うように上がらず、初期投資したお金を回収できなければ、返済困難に陥り倒産に追い込まれるリスクを高めます。
新規取引先を獲得できない
会社経営に失敗する理由として、法人設立後に新たな仕入先や販売先に営業をかけて、新規取引先として契約できないことが挙げられます。
企業間での取引は主に掛けによる信用取引となるものの、実績が十分ではない新設会社と契約してくれる相手を見つけることができなければ、新規取引先を獲得できません。
その結果、売上も上がらずに会社経営が失敗に終わってしまう可能性があります。
人材を確保できない
会社経営に失敗する理由として、一緒に事業を運営してくれる人材を確保できないことが挙げられます。
日本は少子高齢化が進んでおり、人口自体が減少傾向にあるため、人材を確保しにくい環境です。
募集をかけても応募がなく、現場で働いてくれる人材を獲得できなければ、事業を拡大することはできません。
経営者のみで事業運営できる場合は問題ないものの、専門的な分野の人材が必要なケースにおいては、雇用に失敗することで経営を断念しなければならないこともあります。
共同経営がうまくいかない
会社経営に失敗する理由として、たとえば友人と起業するケースなどにおいて、共同経営がうまくいかないことが挙げられます。
知人や友人、夫婦と共同で会社を経営する場合、法人設立のときは協力できていても、実績や利益が増えたときに揉めることもあります。
時間が経過することで、経営方針にズレが生じることや、利益の配分などでトラブルが起きてしまうケースは少なくありません。
ビジネスパートナーが会社のお金を持ち逃げしてしまうケースもあるため、共同経営する相手の見極めは大切です。
会社経営に失敗する経営者の特徴
会社経営に失敗するのは、経営者に次の共通の特徴が見られることが多いといえます。
- 会計知識が足りていない
- 経営計画を立てられない
- ビジネスモデルを確立できない
- ワンマン経営から抜けられない
- 人を見る目がない
それぞれの特徴について説明していきます。
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会計知識が足りていない
会社経営に失敗する経営者の特徴として、財務や会計知識が足りていないことが挙げられます。
財務会計の知識がなければ、資金繰りにも対応できず、資金ショートのリスクを高めます。
税金や社会保険などに関する知識も必要であり、いつ、どのタイミングで納めなければならないか把握しておく必要があります。
必要な知識を習得し、対処できる準備も必要です。
経営計画を立てられない
会社経営に失敗する経営者の特徴として、無計画な起業や事業拡大など、経営計画を立てられないことが挙げられます。
企業経営に対する知識や経験の不足は、認識の甘さにつながり、戦略を立てた上での事業運営ではなくどんぶり勘定で続けることになりかねません。
仮に売上が順調に伸びている場合でも、売掛金の回収が遅れているときや、過剰に商品を仕入れることで手元のお金が不足します。
赤字経営でも倒産しませんが、資金ショートすれば潰れてしまうため、経営計画を立てた上での会社経営を徹底しましょう。
ビジネスモデルを確立できない
会社経営に失敗する経営者の特徴として、曖昧な目的や方針で事業を運営しており、ビジネスモデルが確立できていないことが挙げられます。
勢いだけで会社を設立し、市場規模や収益性などの調査や分析もせず、行き当たりばったりで事業を続けていても成功しません。
流行りや儲かるなどの理由で事業を始めるのではなく、継続するための戦略や他社との差別化を図り、ビジネスモデルを確立させていきましょう。
ワンマン経営から抜けられない
会社経営に失敗する経営者の特徴として、ワンマン経営から抜けられないことが挙げられます。
ワンマン社長とは、経営者の独断で事業を運営するなど、会社経営を支配している社長です。
単独による経営判断を次々に裁決していくため、経営判断や意思決定のスピードがはやいことはメリットといえます。
しかしその判断が当たり続ければ順調に会社を成長させることはできても、イエスマンを増殖させるなど深刻な弊害を生みだします。
ワンマン社長がワンマン経営から抜けられなければ、すべての采配が見事に当たり続けることはあり得ないため、いずれ会社は衰退し失敗に終わるといえるでしょう。
人を見る目がない
会社経営に失敗する経営者の特徴として、他人を信用しすぎて失敗するなど、人を見る目がないことが挙げられます。
共同経営をした相手が会社のお金を持ち逃げしてしまうことや、取引先にお金を貸して返してもらえないなどを理由に、会社経営に失敗してしまうケースです。
人を見極める力がなければ、経営の舵取りは難しくなります。
会社経営を成功に導くためには、他人を信用することも大切であるものの、信用しすぎない見抜く力も大切です。
会社経営で成功するポイント
会社経営で失敗することなく、成功させるためには次の3つのポイントを押さえておく必要があります。
- 常に経営状況を把握する
- 定期的に経費を見直す
- 方針や目標は社内で共有する
それぞれのポイントについて説明します。
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常に経営状況を把握する
会社経営に成功するためには、常に経営状況を把握しておくことが必要です。
円滑な経営のためにどうすればよいのか、対策を立てるためにも経営状況を把握しておくことは大切といえます。
売上拡大に成功したとしても、現場では人手が足りていなかったり設備が古かったりと問題が起きている可能性もあります。
その場合、積極的に人材を募集することや、設備投資に資金を投じる計画が必要であり、スムーズな経営判断が必要です。
適切な判断のためにも、常に経営状況を把握しておくことは大切なことといえるでしょう。
定期的に経費を見直す
会社経営に成功するためには、無駄なコストを発生させないためにも、定期的に経費を見直すことが必要です。
経費削減を行うときに見直したほうがよいコストは、次の3つといえます。
- オフィスコスト(印刷や消耗品などにかかる費用)
- エネルギーコスト(電力やガスなどの費用)
- オペレーションコスト(業務改善による費用)
この中でオペレーションコストを軽減するための業務の見直しや効率化を図ることで、働き方改革で課題とされる生産性向上に繋げることもできます。
ただし、必要な費用まで削減してしまい、提供している商品やサービスの品質低下を招くことのないように注意してください。
方針や目標は社内で共有する
会社経営に成功するためには、経営方針や目標を社内で共有することが必要です。
社内で経営方針や目標に関する認識がズレている場合や、温度差があることで進む方向が変わってきます。
会社の経営方針を現場に落としていくためには、経営層から部門長、部門長から課長、課長から課員という伝達が必要です。
写真・動画などを用いた視覚化を実施することで、より伝わりやすくなります。
たとえば営業部門などで、ホワイトボードなど使い、目標と進捗を見える化するケースなどはすぐに見て現状を知ることができ、目標達成に関する意欲へ影響を与えることができるでしょう。
ただし目標が高すぎると、実現を諦めてしまい、モチベーションを低下させるおそれもあるため注意してください。
まとめ
会社経営に失敗せず、成功させるためには常に経営状況を把握し、定期的に経費を見直すことや経営方針・目標を社内で共有することが必要です。
外部環境の変化にも対応し、時代に流れに置いて行かれないためにも、経営者としての自覚・知識・判断力を磨くことも求められます。
会社経営を成功させることや事業を発展させるためには何が必要なのか常に考え、戦略的な判断を行っていきましょう。