ファクタリングなのに利息制限法が適用された判例とは?


ファクタリングは借り入れではなく、保有する売掛金などの売掛債権を、ファクタリング会社に譲渡して現金化する資金調達の方法です。

借り入れではないということは、ファクタリング会社に支払う費用は利息ではなく手数料です。しかし、過去の判例では、ファクタリングに利息制限法が適用されたことがあります。

ファクタリングを利用する方にとっては、借り入れを行ったつもりはないのに、金銭消費貸借契約を知らない間に結んでいたとなれば大問題です。

そこで、間違った取引を行わないように、過去に利息制限法が適用された判例の内容を確認しておきましょう。

 

ファクタリングに利息制限法が適用された判例

締結された債権譲渡契約はファクタリングに名を借りたものであり、金銭消費貸借契約に準じるものとして利息制限法の適用と過払金返還請求を認めた判例は、平成29年3月3日、大阪地裁で判決されました。

その内容は、毎月60万円を借りて翌月100万円を返済するといった金銭授受と返済を、何度も借主ファクタリング会社が行ったというものでした。

借主となった運送業者(原告)が、ファクタリング会社(被告)に対して行われた運送料債権の譲渡が、実質的には譲渡担保の金銭消費貸借取引であるとした裁判です。

利息制限法を適用させた場合には過払いが生じることとなり、運送業者からファクタリング会社に対し、過払い金約491万円が請求されました。

裁判の争点となった部分

争点となったのは、金銭の授受を伴った取引の性質が、債権譲渡なのか、それとも債権譲渡担保付の貸し付けなのかという部分です。もし、債権譲渡担保の貸し付けであれば、利息制限法が適用されることになります。

裁判所は、この一件を債権譲渡担保付の貸し付けであると判断し、利息制限法の適用を認めたわけですが、ポイントとなったのはファクタリング会社が債権回収リスクをほとんど負っていないことでした。

裁判所の判決。なぜ利息制限法の適用が認められた?

取引が金銭消費貸借契約であれば、金銭を貸した側は利息制限法所定の制限利率の限度でしか利息を収受することができません。

もし、今回の取引が債権の売買契約であり、利息を上回る利益を上げることができることを正当化するとすれば、ファクタリング会社主は売買の対象となった売掛債権について、ある程度は回収リスクを負うといった相応の理由があるべきです。しかし、ファクタリング会社は、債権回収のリスクをほとんど負っていなかったわけです。

さらに、債権の額面とは関係なく、金銭の授受が行われていたことや、運送業者が買戻しを行わなかった場合には不利になる条件をつきつけ、買戻しを行わざるを得ない立場にあわせたことなどが決め手となったようです。

 

資金調達を正しく行うために

このように、ファクタリングと思っていたのに、実は売掛債権を担保とした借金だったという契約では、正しい資金調達がなされなくなります。悪徳な業者に騙されないように十分注意するようにしましょう。