資金繰りのやり方とは?悪化したのは何が原因?

資金繰りが悪化する原因として考えられるものには、キャッシュインの減少(売上の減少、費用の増加、売掛債権の回収の遅延)、そしてキャッシュアウトの増加(在庫や不良資産、設備投資の増加、前払金・仮払金・貸付金の増加、借入金・仕入れ債務の早期支払いや返済)が考えられます。早急に資金繰りを悪化させた原因を突き止めて、手を打っていかなければ迷っている間にも資金不足は進んでしまうことになります。

回収期限や支払期日の交渉

資金繰りはできるだけ早く回収し、できるだけ遅く支払いすることが基本となりますが、いずれの場合も相手があることで勝手に決めることはできません。そのため回収期日について販売先と交渉を行い、交渉良否で資金繰りが好転する可能性も十分になります。

・資金繰りを楽にするためには?

仕入から販売、そして仕入の支払を行い差額が利益となりますが、実際は販売代金の回収より仕入に対する支払が先になります。そのため買掛の支払期日と売掛債権の回収期日の日数分、資金が必要になり資金繰りに影響します。商品を何日で販売できるか予測して、仕入先に支払を延ばしてもらうことができれば資金繰りが楽になるでしょう。さらに手形による不渡りを無くすために、現金払いを多くすることも必要です。

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売掛債権は早期に回収する

売掛債権を早く回収するために、社内で回収基準をルール化しておくことは必要です。営業マンは売上や粗利益への意識は高いのですが、回収についてまで考えているケースは少ないかもしれません。そのため取引先別に管理を徹底し、担当者の売掛残に対しての意識も高く持てるようにしましょう。

・資金繰りを楽にするためには?

さらに売掛債権は貸し倒れというリスクが取り巻いていますので、この貸し倒れリスクを軽減するために販売先の情報収集は常時得るようにしましょう。販売先の与信を行い、売掛限度額を設定し、場合によって販売停止や商品引き上げなども検討の視野に入れることが必要なケースも出てきます。売掛債権を早期で回収するために、手形割引の活用、長期売掛債権のファクタリングを活用といった方法もありますし、代金引換や銀行振り込みといった現金決済へと条件を変更する方法も必要かもしれません。

返済計画を見直す

その他、金融機関に対する借入金は月次返済額の減額や返済期間の繰延といった、元金返済を一次猶予してもらう方法を交渉しましょう。ただし金融機関と交渉する際には経営改善計画は必須になります。融資は57年で返済できるようにし、経費の削減計画を立てましょう。設備投資はできる限り抑えて、収入計画もできるだけ低く見積もるようにします。

・資金繰りを楽にするためには?

また、貸付金、仮払金、前払金は、一時的に発生することはあっても12か月で解消するべきです。慢性的に役員や関連会社に対して貸付金が発生していて長期に渡り残っているという場合には、金融機関から融資を受けたくても断られる可能性もありますので、早急に回収しましょう。

資金繰りのやり方に迷ったら

資金繰りのやり方次第で、悪化するのか改善させることができるかが異なってきます。そのため自社の資金繰りのやり方が今の方法で良いのか、一度見直してみる必要があるでしょう。