ファクタリングを使って資金調達しても、信用情報には悪影響が及ぶことはありません。
その理由は、ファクタリングがお金を借りる方法ではなく、売掛債権の売買で手元のお金を増やす方法だからです。
借入れでなければ、信用情報機関に申し込みや取引の履歴が記録されることはありません。
そこで、ファクタリングと信用情報の関係について、悪影響を与えない理由を解説します。
中小企業経営者向け!

目次
信用情報とは
信用情報とは、次の3つの総称です。
- 借入状況
- 返済状況
- 返済履歴
クレジットやローンの契約や申し込みなど、客観的な取引事実の登録情報といえます。
信用情報は、主にローン会社やクレジット会社などが、顧客の信用を判断するときに照会します。
人種・思想・保健医療・犯罪歴などの項目は含まれず、ファクタリングの申し込みや利用における情報なども記録されることはありません。
信用情報機関とは
信用情報を記録・管理しているのは「信用情報機関」です。
日本には次の3つの信用情報機関が存在します。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
この3つの信用情報機関は「信用情報交流ネットワーク」で情報を共有しています。
遅延などの事故情報が1つの信用情報機関で登録されると、他の機関にも共有される仕組みです。
信用情報が悪化すれば、銀行・消費者金融・クレジットカードのキャッシングなど、いずれの借入れにも影響が出ます。
それぞれの信用情報機関に加盟する金融会社は以下のとおりです。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
株式会社シー・アイ・シー(CIC)に加盟しているのは、主にクレジットカード会社や信販会社です。
2008年からは銀行系の登録も相次いで増え、会員には月1回以上更新することも義務付けられていることから、精度の高い情報が保有されているといえます。
株式会社日本信用情報機構(JICC)
株式会社日本信用情報機構(JICC)に加盟しているのは、主に信販会社と消費者金融です。
2006年に貸金業法が改正されてからは指定信用機関とされ、金融審査の要としての存在になりました。
JICCでは法人を特定する情報や、保証人を特定する情報なども管理していることが特徴です。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)は全国銀行協会(JBA)によって運営されている信用情報機関です。
メガバンク・地方銀行・ネット銀行・信用金庫・信用組合などの銀行が加盟しています。
信用情報を照会されるタイミング
金融会社が信用情報機関に対し信用情報を照会するのは、主に次の3つのタイミングです。
- 借入れの審査
- 割賦販売の審査
- 借入増額・与信の審査
お金を貸す側の立場になれば、回収見込みが低い事業者には簡単にお金を貸さず、安全で堅実な顧客を好みます。
信用情報に金融事故の記録があれば、危険な顧客と判断されるため、審査には通らないと認識しておきましょう。
ファクタリングで信用情報が確認されない理由
ファクタリングの場合、審査では利用者の信用情報について、照会することはありません。
その理由として、次の4つが挙げられます。
- 与信取引ではないから
- 審査対象が売掛先だから
- 信用情報機関に加盟していないから
- 法人の信用情報が少ないから
それぞれの理由を説明していきます。
与信取引ではないから
ファクタリングはお金の貸し借りによる与信取引ではないため、審査でも利用者ではなく売掛先の信用力を重視します。
そのため借金やカードローンの申し込みのときのように、信用情報を確認することはないといえます。
審査対象が売掛先だから
ファクタリング審査で重視されるのは利用者ではなく売掛先の信用力です。
信用情報機関に照会するためには申込者の同意が必要ですが、審査対象が売掛先であれば売掛先から同意を得ることが必要となります。
しかしファクタリングの利用者の多くは、売掛先に知られず資金を調達することを望んでいるため、売掛先の信用情報を確認することは現実的ではないといえます。
信用情報機関に加盟していないから
信用情報機関に対する信用情報の照会は、その機関に「加盟」することが必要です。
ただ、ファクタリング会社は貸金業者ではなく、たとえばCICなどの加盟資格として設けられている貸金業登録済の業者には含まれません。
信用情報機関に加盟するのは、金銭の貸し付けを行う貸金業者や銀行などです。
そのためファクタリング会社は対象ではなく、信用情報機関への信用情報照会は行わないといえます。
法人の信用情報が少ないから
法人の信用情報は、信用情報機関の中でも「JICC」のみが保管しています。
また、過去に消費者金融などから融資を受けた法人の情報の保管にとどまるため、JICCに信用情報の登録がある法人自体それほど多くないといえます。
そのため信用情報機関に照会をかけても、限られた情報量の中でヒットするとは限りません。
審査で信用情報を確認しないケースが多いといえるでしょう。
ファクタリングが信用情報を守る理由
ファクタリングでは利用者の信用情報を照会されるだけでなく、そもそも信用情報を守るという意味で、高いパフォーマンスを発揮する方法といえます。
その理由として、次の3つが挙げられるでしょう。
- 審査に通らなくても登録されない
- 履歴を残さず資金調達できる
- 借入金の返済遅延を回避できる
それぞれの理由を説明していきます。
審査に通らなくても登録されない
ファクタリングの審査に通らなかったとしても、その情報が信用情報に登録されることはありません。
ローンであれば、複数社に申し込みをして断られると、「申込ブラック」という状態になります。
ただしファクタリングではその心配がなく、信用情報を傷つけません。
履歴を残さず資金調達できる
信用機関には金銭の貸し借りなどの取引履歴が記録されますが、ファクタリングの利用は借金をする方法ではありません。
売掛債権の売買であるため、信用情報機関に「履歴」を残すことなく、資金を調達することができます。
借入金の返済遅延を回避できる
銀行や消費者金融から借金をしているのに、返済が遅れればその事故情報が信用情報機関に登録されてしまいます。
手元の資金が足らずに借金の返済ができないときでも、ファクタリングならすぐに売掛金を現金化できます。
借入金の返済資金として使えば、返済遅延を回避できます。
信用情報が不安な場合のファクタリング利用のポイント
ファクタリング会社が行う審査は、貸金業者が行い審査とは違った内容であり、重視するポイントも異なります。
そのため信用情報に不安がある利用者でも、資金調達の方法として利用しやすいことが特徴です。
ファクタリングによる資金調達を成功させるために、次の4つをポイントとして押さえておきましょう。
- 信頼性の高い売掛金を選ぶ
- 継続性の高い売掛金を選ぶ
- 好印象を抱いてもらえる対応を心掛ける
- 連絡はスムーズに行う
それぞれのポイントについて説明していきます。
信頼性の高い売掛金を選ぶ
ファクタリングの審査では売掛先の信用力が重視されるため、回収見込みや信頼性の高い売掛金を選ぶことが必要です。
利用者の属性や信用状態が良好だとしても、売掛先の信用力が悪ければ審査に通らないこともあると留意しておいてください。
継続性の高い売掛金を選ぶ
売掛先と取引がどのくらい継続しているかも、審査では重視されます。
契約したばかりで売掛金の支払いが初めてという場合や、創業したばかりの売掛先の債権は、回収に不安を残すため審査で断られる恐れもあります。
継続して毎月売掛金が入金される売掛先の債権を選んだほうが、ファクタリングの審査では有利といえます。
好印象を抱いてもらえる対応を心掛ける
ファクタリングの審査では、利用者の印象も重視されます。
利用者の信用情報は照会しない代わりに、どの程度信頼できる相手なのか、人柄などを見極めながら審査を行わなければならないからです。
横柄な態度やマナーを守れない利用者の場合、人柄が悪いと判断されてしまう可能性もあります。
好印象を抱いてもらえる対応を心掛けるようにしましょう。
連絡はスムーズに行う
ファクタリング会社とのやり取りの中で、連絡はスムーズに行ったほうが信頼を得ることにつながります。
スムーズに連絡が取れる利用者のほうが、審査や契約など、すべての手続において迅速に進めることができます。
ファクタリング会社と利用者のどちらにとってもメリットがあるため、連絡はできるだけスピード感をもって取るようにしてください。
まとめ
ファクタリングを利用して資金調達しても、信用情報に傷をつけることはありません。
売掛金を現金化する方法であり、お金を借りて資金を調達するわけではないことが理由です。
仮に申し込み後の審査で落ちてしまったとしても、その情報が信用情報機関に登録される心配はありません。
もしも信用情報に自信がなくても、ファクタリングなら売掛先の信用力を重視した審査を行うため、利用できる可能性は大きいといえます。
安心してファクタリング会社に相談してみましょう。
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