ファクタリングは日本でまだ浸透しきっていない?その現状とは

利用者が保有する売掛債権をファクタリング会社に売ってお金に換える仕組みをファクタリングといいます。取引先の売掛金を前払いしてもらうともいえる仕組みですが、現状、資金調達の手法として有効に中小企業などで活用されているのか、一般的にどのような扱いなのかご説明します。

 

ファクタリングに対する明確な法規制はない?

ファクタリングは法律上、金銭の貸借や出資などではないため、規制や取り締まりを行う明確な規制はありません。

そのため、利用する上で設定される手数料などはファクタリング会社次第というところです。法規制が整備されていないことで、一部のメディアや法律事務所などでは違法なのではないかといったことを指摘する声もあるようですが、けっして違法な取引ではないのです。

ただ、法規制が整備されておらず、手数料などの設定がファクタリング会社次第という部分を上手く悪用する業者も存在し、売掛債権の売買ではなく融資を行い摘発される悪徳業者も存在しています。

このような状況から、ファクタリングに対する法規制を求める声も上がっているため、将来的には法規制などが整備されていく可能性があるといえます。

 

国も売掛債権の有効活用を推奨

中小企業などが資金を調達しようと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのはやはり銀行などからの貸し付けです。銀行融資は安全で信用力も高まるというイメージが強いですが、一方でファクタリングはまだまだ資金調達の方法として浸透しておらず、利用に不安を抱く企業も少なくありません。

しかし、経済産業省中小企業庁では売掛債権を資金の調達方法として活用することを推奨しています。中小企業は売掛債権を多く保有しているので、その権利を上手く資金を調達する方法に活用することにより、資金繰りが改善されるのでは?という考えがあるからです。

国土交通省なども、建築業や土木業において下請け業者が資金不足に陥りやすい状況について、改善させる方法に売掛債権を活用すべき推奨しています。

 

今後は資金調達の手法としてさらに浸透していく可能性大

ファクタリングにも種類がありますが、その中でも3社間ファクタリングでは取引先に通知を行うため、資金操りが悪化していることを取引先に知られたくないと考え利用を断念する企業もあったようです。

しかし現在、中小企業で多く利用されているのは、2社間ファクタリングという取引先を間に挟まないファクタリングです。

日本ではファクタリングはまだ主流ではありませんが、欧米では一般的な取引として行われていますので、今後はさらに国が売掛債権の活用を推奨し、法整備などが進むことでだんだんと浸透していくことが予想されます。