会社経営においては、一定期間ごとの経営成績や損益状況を把握するために決算書を作成します。その中でも、損益計算書は「どれだけ稼ぎ、どれだけ利益が残ったか」を確認するための重要な書類です。
損益計算書で利益が出ていれば安心だと考えていると、実際には副業による黒字で本業は火の車だったというケースもあり、正しく読む上で何をポイントとして押さえておくべきか知っておく必要があります。
そこで、決算書を構成する貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書のうち、まずは損益計算書の基本的な見方と押さえていくべきポイントについてご説明します。
中小企業経営者向け!

損益計算書から確認できること
損益計算書は企業の一定期間の経営成績について、収益・費用・利益という3項目から確認できる表です。
当期にどのくらい稼ぐことができたのかという収益と、そのためにどのくらいの費用を使ったのか、そして結果的にどのくらい残ったのか利益がわかります。
損益計算書のチェックポイントとは
損益計算書の中で確認しておきたいのは、利益がマイナスとなり損失が発生していないかです。
利益が出て黒字であることばかりにとらわれすぎると、手元の現金の流れが把握できなくなり危険ですが、会社経営において利益を出すことは目標であり目的でもあります。
そのため損益計算書の5つの利益がどのような状態になっているかは必ず確認が必要ですが、その他チェックポイントと合わせてご説明します。
経常利益がマイナスでないかが重要
会社の通常の事業活動による利益を把握するうえで、重要な指標となるのが「経常利益」です。この部分がマイナスになっていないかまずは確認しましょう。
最終的な利益である「当期利益」がプラスだとしても、「経常利益」がマイナスであれば本業は赤字が発生し、その赤字を補填するため固定資産を売却するなど「特別利益」で補っていることが考えられます。
そのような場合、もし売却により現金化できる資産がなくなれば最終的な利益が出なくなり、損失を出してしまうことになるでしょう。
事業や資金計画を見直し、黒字経営を目指す戦略を立てることが必要になります。
「売上高利益率」を分析し収益性の確認を
収益性を確認できる指標として挙げられるのが「売上高利益率」です。
売上高利益率には、
- 売上総利益率
- 売上高営業利益率
- 売上高経常利益率
の3つがあるため、これらそれぞれを確認することで会社経営のどの部分で収益性が見込めるか確認できます。
売上総利益率
売上総利益率は売上原価にどのくらいの利益を上乗せしているか確認するための指標で、粗利率とも呼ばれています。
| 売上総利益率(%) = 売上総利益 ÷ 売上高 × 100 |
で計算できますが、売上総利益率が高いほど、利益が高く見込める付加価値の高い商品が販売できているといえます。
ただ、売上原価は業種により考え方が異なるため、同業種や自社の過去データとの比較しながら確認しましょう。
売上高営業利益率
売上高営業利益率は本業でどのくらい稼げるのかを確認できる指標であり、
| 売上高営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100 |
で算出できます。
売上高営業利益率が高いほど、本業で稼ぐ力が高く収益力の強さを確認できますが、こちらも同業種や自社の過去データと比較しながら分析することが必要です。
売上高経常利益率
売上高経常利益率は正常に事業活動ができているときの稼ぐ力を確認できる指標です。
| 売上高経常利益率(%) = 経常利益 ÷ 売上高 × 100 |
で計算できますが、数値が高いほど財務活動も含めた総合的な収益力の強さを確認できます。
一般的には、売上高経常利益率が4%以上であれば比較的収益性の高い企業とされ、5%以上であれば非常に高水準と評価されることもあります。ただし、業種や事業モデルによって適正水準は大きく異なるため、同業他社や自社の過去実績と比較しながら判断することが重要です。
反対に0%を下回る赤字のときには、収益を上げるか費用を削減するなど、利益を生み出す改善策が必要となるでしょう。
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