中小企業庁が公表しているデータでは、創業した中小企業が5年後に残っている生存率は約40%とされていますが、ベンチャー企業になればさらに厳しくなります。
ベンチャー企業の創業から5年後の生存率は15%、10年後6.3%、20年後はたったの0.3%です。
20年後の生存率は1%にも満たず、ベンチャー企業が置かれている世界がいかに厳しいものかをあらわしています。
そこでなぜ、中小企業やベンチャー企業の5年後の生存率は極めて低いのか、その原因を把握し生き残ることのできる企業経営を行っていきましょう。
目次
ベンチャー企業の生存率はなぜ低いのか
5年後には会社が倒産・廃業してしまう可能性が高いといわれると、これから起業しようと考えているベンチャーもモチベーションが上がらなくなってしまいます。
なぜ中小企業やベンチャー企業などの生存率が低いのかというと、会社名義で銀行から融資を受けるときにも、その連帯保証を経営者が行うことが多いからといえます。
もし会社が倒産すれば経営者個人も破産する可能性が高く、雇用している従業員や取引先などにその影響が連鎖して及ぶことになります。
営業能力や技術能力は高くても財務の知識が薄いと生き残れない
会社と経営者が共倒れしないためにも、数字には強くなっておくことが必要です。
倒産してしまうベンチャーなどに多いのが、どんぶり勘定による経営判断にミスがあったケースや、資金調達しなければならないタイミングを間違ったケースです。
いずれも経営者が数字に弱かったことが背景にあり、それは財務に弱いことを意味します。
ベンチャー企業の経営者は、前職では優秀なトップセールスマンだった方、技術の高い職人だった方が多いといえます。しかし創業からの売上が数億円ほどの企業経営者は、営業能力や専門職としての能力は高くても、経理の知識がなく財務を学んでいないことも少なくありません。
そのため起業により社長という立場になってからはじめて財務と向き合うようになり、すでに事業は進んでいることから知識が追い付かず、失敗してしまうことが多いといえるでしょう。
財務や資金の知識を身につけておくことが大切
実際に起業したものの、多くのベンチャー企業などが周知されず集客に苦戦し、規模縮小や廃業といった道を辿っています。
それは生存率からも確認できることですが、失敗しないためにも事前に経営・財務の知識や判断能力を身につけておくことが必要です。
これから財務を学ぼうとする場合、書籍を読んだりインターネットで調べたり、様々な方法があるでしょう。しかし専門的な用語に難解な内容で、独自で学習することが難しい場合もあります。
1つ忘れてはいけないのは、会社が倒産するのは資金が枯渇するからであり、赤字になるからではありません。
もし財務や資金面で悩みを抱えているのなら、コンサルタント業務を行っている専門家なども頼りながら、経営に必要な財務の知識を身につけていくことをおすすめします。