
- 事業譲渡で使える補助金を知りたい
- 事業承継・引継ぎ補助金の申請方法や対象者を確認したい
このようなお悩みはありませんか。
事業承継・引継ぎ補助金を活用することで、M&Aや事業譲渡にかかる費用負担を抑えながら、円滑に事業承継を進めやすくなります。
この記事では、事業譲渡やM&Aを検討している方へ向けて、利用できる補助金制度の種類や申請方法、メリット、注意点について解説します。補助金活用の参考として、ぜひ最後までお読みください。
事業承継の際に使える主な補助金制度
事業承継や事業譲渡では、活用できる補助金制度を事前に確認しておくことが重要です。
なぜなら、M&Aや第三者承継では、専門家費用や設備投資など、多くの費用が発生するためです。補助金を利用することで、資金負担を抑えながら事業承継を進めやすくなります。
主な補助金制度は以下のとおりです。
- 事業承継・引継ぎ補助金
M&Aや事業承継時の専門家費用、設備投資などを支援する - 中小企業省力化投資補助金
人手不足対策につながる設備導入を支援する - ものづくり補助金
新サービス開発や生産設備の導入を支援する - IT導入補助金
会計ソフトや受発注システムなどの導入を支援する
補助対象や公募期間は毎年変更される可能性があるため、最新情報や改定版の要領を確認しながら申請準備を進めましょう。
事業承継・引継ぎ補助金とは
最も代表的な制度が、事業承継・引継ぎ補助金です。 この補助金は、事業承継やM&Aをきっかけに、新しい取り組みを行う中小企業や小規模事業者を支援するために作られました。
経営を引継いだ後の設備投資費用や、M&Aの手続きにかかる専門家への委託費用などが補助の対象となります。親族への承継だけでなく、第三者への事業譲渡を考えている場合にも広く活用されている制度です。経営革新や再編、事業統合を進める際の資金負担軽減にも役立ちます。
対象者
事業承継・引継ぎ補助金は、日本国内で事業を行う中小企業や小規模事業者、個人事業主を主な対象とした制度です。なぜなら、後継者不足による廃業を防ぎ、事業承継やM&A、事業譲渡を円滑に進めることを目的として設けられているからです。
例えば、親族内承継を行う企業や、第三者承継によるM&Aを検討している法人、個人事業主などが対象になる場合があります。また、経営者交代型や事業再編・事業統合を伴うケースでも申請可能です。
一方で、大企業や公募要件を満たしていない事業者、必要書類を提出できない場合は対象外となる可能性もあります。補助金ごとに条件が異なるため、申請前に最新の公募要領や手引を確認しましょう。
補助金の申請方法の流れ
事業承継・引継ぎ補助金を利用するためには、決められた流れに沿って申請を進める必要があります。
一般的には、まず公募要領を確認し、gBizID(プライム)の取得や事業計画書の作成を行います。その後、電子申請を行い、審査を経て交付決定通知が届きます。交付決定後に事業を実施し、最後に実績報告を提出する流れです。
また、交付決定前に発注や契約を行った経費は、原則として補助の対象外となるため、事業の実施タイミングには十分注意しましょう。期間内に手続きを完了させることも重要です。
交付申請
事業承継・引継ぎ補助金の交付申請はインターネットを通じて行い、「jGrants」という国の電子申請システムを利用します。
まずは公募要領を確認し、gBizID(プライム)を取得したうえで電子申請を行います。申請時には、事業計画書や決算書、事業譲渡やM&Aに関する資料などを提出しなければなりません。必要に応じて様式や規程を確認しながら準備を進めることも大切です。
特に、補助金を活用してどのように事業承継を進めるのか、具体的なスケジュールや資金使途を明確に記載することが重要です。
また、公募期間を過ぎると申請できないため、必要書類は早めに準備しておきましょう。不安がある場合は、認定支援機関やM&A専門会社へ相談する方法も有効です。
なお、gBizID(プライム)は事前取得が前提となり、発行までに1〜2週間程度(混雑時はさらに時間がかかる場合も)かかる点にも注意しましょう。年明けの公募開始直後は申請が集中する場合もあります。
交付決定通知
交付決定通知とは、提出した申請書類の審査を通過し、国から補助金の支給が正式に認められたことを知らせる通知です。これは、事業や各種手続きを開始してよいという許可証のような役割を持っています。
特に事業譲渡などの申請手続きにおいては、専門家への依頼費用などを補助対象にするため、交付決定通知を受け取った後に契約や発注を行わなければなりません。もし通知前に契約してしまうと、補助対象外になる可能性があるため注意しましょう。
なお、通知が届くタイミングは、一般的に申請の締め切りからおおよそ1ヶ月から2ヶ月程度です。
そのため、全体のスケジュールを立てる際は、この審査期間による待ち時間もあらかじめ考慮して計画を進めることが大切です。
交付決定後の手続き
交付決定通知を受け取った後は、補助対象となる事業を計画に沿って進め、実績報告を行う必要があります。なぜなら、交付決定を受けただけでは補助金は支給されず、実際の支出内容や事業実施状況の確認が行われるためです。
例えば、事業譲渡やM&Aの手続きに関する仲介費用の支払い、設備投資、システム導入などを進めた後、領収書や契約書、振込明細書などをまとめて提出します。その後、事務局による審査が行われ、問題がなければ補助金額が確定し、支給される流れです。
そのため、必要書類の保管や経費管理を最後まで徹底することが不可欠です。不備があると支給の遅れにつながる場合もあるため注意しましょう。補助事業終了後の報告義務についても確認しておくことが大切です。
事業承継・引継ぎ補助金を利用するメリット
事業承継・引継ぎ補助金を活用することで、事業譲渡やM&Aを進めやすくなります。なぜなら、専門家への依頼費用や設備投資費用など、事業承継にかかる負担を軽減できるためです。
例えば、M&A仲介費用やシステム導入費用が補助対象となる場合があり、資金面の不安を抑えながら事業承継を進められます。補正予算によって支援内容が拡充される場合もあるため、最新情報を確認することが重要です。
また、後継者不足による廃業リスクを減らし、事業の継続や成長につなげられる点も大きなメリットです。そのため、事業承継を検討する企業にとって有効な支援制度といえるでしょう。
M&A・事業承継にかかる費用負担を軽減できる
事業承継・引継ぎ補助金を利用する大きなメリットは、M&Aや事業譲渡にかかる費用負担を抑えられる点です。
なぜなら、事業承継やM&Aでは、専門家への依頼費用や設備投資費用など、多くのコストがかかるためです。特に中小企業や個人事業主の場合、資金面の不安から事業承継やM&Aを進められないケースもあります。
例えば、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用枠など)では、以下の費用が補助対象になり得ます。
- M&A仲介会社やFAへの手数料(※)
- デューデリジェンス(買収監査)費用
- 廃業に伴う費用
- 設備投資費・システム導入費
※注意点:専門家費用の補助要件
M&Aの仲介手数料やアドバイザリー費用を補助対象にするには、委託先が中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関である必要があります。未登録の業者に依頼した場合は補助金の対象外となるため、依頼前に必ず確認しましょう。
また、補助金を活用することで、単に事業を引継ぐだけでなく、事業再編や経営改善、新規設備の導入などにも取り組みやすくなります。結果として、後継者不足による廃業リスクを減らし、事業の継続や成長につなげられる点も大きなメリットです。
さらに、専門家の支援を受けながら申請を進めることで、手続きの負担を軽減しやすくなる点も魅力といえます。
後継者不足による廃業リスクを減らせる
事業承継・引継ぎ補助金を活用することで、後継者不足による廃業リスクを減らせます。
なぜなら、事業承継やM&Aにかかる費用負担を軽減し、第三者承継を進めやすくなるためです。近年は中小企業や個人事業主を中心に、後継者が見つからず黒字のまま廃業するケースも増えています。
例えば、親族内承継が難しい場合でも、事業譲渡やM&Aを活用することで、第三者へ会社や事業を引継げる可能性があります。その際、補助金を利用すれば、M&A仲介費用や専門家への依頼費用などを補助対象にできる場合もあります。これにより、資金面の不安を抑えながら事業承継を進めやすくなるでしょう。
また、事業を継続できれば、従業員の雇用維持や取引先との関係継続にもつながります。長年培ってきた技術や顧客基盤を次世代へ引継げる点も大きなメリットです。そのため、廃業を避けたい企業にとって、補助金制度の活用は有力な選択肢といえるでしょう。
設備投資や事業拡大にも活用できる
事業承継・引継ぎ補助金は、設備投資や事業拡大にも活用できる点がメリットの一つです。
なぜなら、事業譲渡やM&Aを行った後にかかる設備導入費やシステム整備費なども、補助対象となる場合があるためです。
単に会社を引継ぐだけではなく、その後の成長戦略まで見据えて活用できる制度といえるでしょう。
例えば、事業承継後に老朽化した設備を更新したり、新しい機械を導入したりするケースがあります。また、店舗改装やITシステムの導入、販路拡大のための広告費などが対象となる場合もあります。
特に中小企業や個人事業主にとって、事業承継直後の大きな投資は資金面で負担になりやすいものです。そのため、補助金を活用することで初期負担を軽減し、経営の安定化につなげやすくなります。
さらに、設備投資を進めることで、生産性向上や売上拡大も期待可能です。後継者や譲受企業が新たな経営方針を実現しやすくなるため、事業承継後の成長を促進する制度としても注目されています。
事業承継・引継ぎ補助金を利用する際の注意点
事業承継・引継ぎ補助金を利用する際は、いくつかの注意点があります。
なぜなら、補助金は申請すれば必ず受給できる制度ではなく、公募期間や審査条件、そして支給の仕組みに特有のルールが定められているためです。
例えば、事前の資金計画が不十分だと、事業の継続自体が危うくなるリスクもあります。また、事業計画書の準備不足で申請期限に間に合わない可能性や、不採択となる場合もあるため、以下の注意点を必ず確認しておきましょう。
事業承継・引継ぎ補助金を利用する上で、最も注意しなければならないのが「原則として精算払い(後払い)である」という点です。
なぜなら、補助金は採択されたらすぐにお金がもらえるわけではなく、事業にかかる費用を一度すべて自社で立替払いし、その実績報告が国に認められて初めて手元に入金される仕組みだからです。
「最初から資金を援助してもらえる」と誤解したまま事業譲渡やM&Aを進めてしまうと、専門家への仲介手数料や設備投資費などの高額な支払いが発生したタイミングで、致命的な資金ショートや黒字倒産を起こす危険性があります。
そのため、補助金が入金されるまでのタイムラグを考慮し、以下のような事前の資金繰り対策を確実に立てておくことが不可欠です。
- 十分な自己資金の確保
- 金融機関への「つなぎ融資」の事前相談・手配
- 支払時期と補助金入金時期を見据えたキャッシュフロー計画の策定
補助金はあくまで「後から一部が戻ってくるもの」と捉え、まずは自力で全額を支払える資金調達の目処を立てた上で申請を進めましょう。
PMG MA Partnersでは、M&Aの検討段階からグループの知見を活かし、補助金入金までのタイムラグを見据えた資金繰りの整理や、つなぎ資金の検討など、経営者のキャッシュフローに寄り添った総合的な支援が可能となっておりますので何なりとご相談ください。
公募期間が限られている
事業承継・引継ぎ補助金を利用する際は、公募期間が限られている点に注意しましょう。
なぜなら、事業承継・引継ぎ補助金は常時募集ではなく、一定期間のみ申請を受け付けているためです。申請準備に時間がかかることも多く、締切直前では間に合わない場合があります。
補助金の募集は年に数回行われますが、毎回申請期限が定められています。電子申請の準備や事業計画書の作成には時間がかかるため、事業譲渡やM&Aを検討している段階から、最新の公募情報を確認しておくことが重要です。
制度内容や申請時期で迷った場合は、事業承継・引継ぎ補助金の公式サイトや認定支援機関、M&A仲介会社へ相談するとよいでしょう。早めに情報収集を行うことで、申請タイミングを逃しにくくなります。
申請書類の準備に時間がかかる
事業承継・引継ぎ補助金を利用する際は、申請書類の準備に時間がかかる点に注意を払わなければなりません。
なぜなら、事業譲渡やM&A補助金の申請では、事業計画書だけでなく、決算書や見積書、会社概要、株主構成に関する資料など多くの書類を提出しなければならないためです。
特に、事業承継や第三者承継では、譲渡内容や今後の経営方針を具体的にまとめることが求められます。また、契約書や手続きの進捗を示す資料を用意しなければならない場合もあり、書類に不備があると再提出となることもあります。定義書や関連資料の確認が必要になる場合もあるでしょう。
そのため、申請を検討している場合は、早めに提出すべき書類を確認し、認定支援機関や専門家へ相談しながら準備を進めましょう。
必ず採択されるわけではない
事業承継・引継ぎ補助金は、申請すれば必ず受給できるわけではありません。
なぜなら、事業承継・引継ぎ補助金には審査があり、事業内容や将来性、地域経済への貢献度などをもとに、採択の可否が判断されるためです。申請条件を満たしていても、不採択になるケースはあります。
例えば、事業計画の内容が不十分だったり、収支計画に具体性や実現性が不足していたりすると、不採択となる可能性があります。また、公募ごとに採択件数には限りがあり、応募者数が多い場合は競争率が高くなる傾向です。
さらに、補助金を活用する目的や承継後の経営方針を明確に示すことも欠かせません。経営革新や事業化につながる内容が重視される場合もあります。
そのため、採択率を高めるには、審査のポイントを理解し、専門家や認定支援機関の支援を活用しながら、質の高い申請書類を作成することが求められます。
説明会へ参加し、最新の改訂版要領を確認しておくことも有効です。


