ファクタリングを利用する経理上の大きなメリットとは?

ファクタリングは、急いで資金を調達しなければならないという中小企業などのニーズにもこたえることができる方法であることがメリットですが、他にも経理上のメリットがあります。

そこで、ファクタリングを利用することで資産をオフバランス化することができるという、経理部分でのメリットについてご説明します。

 

ファクタリングで可能になる資産のオフバランス化とは?

資産をオフバランス化するということは、賃貸対照表(BS)に記載される資産を資産の部から消し、総資産額を減少させることです。

純資産に対してどのくらいの利益を生んだかを示す総資産利益率(ROA)は、

当期純利益/総資産×100=総資産利益率(ROA)

で、算出しますが、総資産額が減少した分、高くなります。総資産利益率は財務分析を行う上で収益性を把握するための指標となるものです。

また、返済義務のない資本を意味する自己資本(純資産)が総資本(負債と純資産の合計)に占める割合を示す自己資本比率も上がります。

少ない資産で同じ利益を上げていることになれば、経営の効率がよいとみなされ銀行からの評価も上がります。

 

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ファクタリングで総資産利益率(ROA)が高まる理由

経営の実態は同じでも、経営指標が良くなれば銀行やノンバンクからの信用力など評価は上昇し、融資を受けやすくなります

仮に売掛金1,000万円を保有しており、500万円の資金が必要となったので金融機関から500万円を借りて入金してもらったとしましょう。

この場合、賃貸対照表(BS)は、

資産 負債
【流動資産】 【流動負債】
売掛金1,000万円 短期借入金 500万円
普通預金500万円

【総資産】

利益剰余金1,000万円
合計:(総資産額)1,500万円 合計:1,500万円

という状態になります。

一方、売掛金のうち、500万円分をファクタリングで現金化して入金してもらった場合には(ファクタリング手数料は加味しない)

資産
【流動資産】

売掛金500万円

【総資産】

預金500万円

利益剰余金:1,000万円
合計:(総資産額)1,000万円 合計:1,000万円

となります。

利益が300万円とすると、融資を受けて資金を調達した場合の総資産利益率は20%、ファクタリングを利用して資金化させたときは30%となります。

500万円の資金を調達したことは同じでも、融資と資産の勘定科目が変化したのとでは資産総額が異なるので、同じ利益なのに総資産利益率が違ってくるということです。

 

ファクタリングの大きなメリットを活かして

ファクタリングで総資産利益率などを高めることにより、銀行融資などで不利になりやすい中小企業にも有利になる可能性も高まります。

早ければ即日売掛金を現金化できるといった迅速性が注目されがちなファクタリングですが、実は資産をオフバランス化できるという大きなメリットがあると理解しておくと、より有効な資金調達の方法として活用できるでしょう。