資金繰りがやばい取引先会社を見分けるポイントとは?

企業経営の中で取引相手を見極めることはとても大切なことです。取引先が倒産してしまったことで、売掛金が回収できずに貸倒れや連鎖倒産といった状況になることだけは避けなければなりません。
そのため取引するとやばい会社を見分けるためのポイントを検証していきましょう。

利益が大きい会社なら安心?
利益が大きい会社でも現金を多く保有しているとは限りません。事業とは関係しない有価証券を多く保有している場合や、価値のない不動産を保有しているケース、さらには回収できずに売上代金が残っていたり、売れない商品が在庫として溜まっていたりするケースもあります。
特に注意したいのは売掛金と商品や製品などの棚卸資産でしょう。売上が伸びていても入金されない売掛金が多く残っている場合には、無理に売上計上して利益が出ているように見せかけているケース、または回収の見込みがない売掛金を残しているケースなどもあります。
商品や製品などの棚卸資産も、資産として計上されているから価値があることにはなりません。
価値のない商品の処分に困って資産としてカウントしているケースや、架空の在庫を上げているケースも考えられます。

経営者への貸付金が異常に多い会社は?
取引先会社の資産に貸付金がある場合、経営者が持ち逃げしてしまわないかという問題も発生します。経営者自身のお金がなくなってしまった場合、税務上は会社に利息を払えば問題ないと考え会社のお金を持ち出す人もいます。
本当なら事業のために使うはずの現金を経営者個人の私用に使うことは問題です。経営者の生活費、個人的な借入返済などに充てるといったことで、会社に返済されることは考えにくいでしょう。
特に役員報酬を削り、利益水準を確保しながら貸付金を増やしている取引先会社には注意しましょう。

反対に経営者が会社に貸付けている場合は?
経営が苦しくなり、経営者個人の資産を会社に貸付けなければ資金繰りが立ち行かなくなると会社にお金を貸付ける経営者もいるでしょう。
貸付けたことで会社の資金繰りが安定すれば良いでしょうが、状況が改善されずたびたび貸付けている状況には注意が必要です。
会社が経営者から借り入れを常に起こしている状態の会社は、他に打つ手がないという可能性もありますので注意しましょう。

負債が少ない会社は健全な証拠?
買掛金や未払金といった債務がほぼない場合にも注意が必要です。通常であれば取引する上で買掛金や未払金が発生することが考えられます。しかし計上されていないということは、利益を無理に出す必要がある状況とも考えられます。
利益を出して銀行から融資を受け、借入金額が増加している場合にはかなりやばい状況だと考えられるでしょう。

取引先と連鎖倒産してしまわないためにも
明らかに倒産寸前の取引先と取引を行い、自社にまで影響してしまうことはそれまでの努力を無駄にすることになります。取引先会社をしっかり見極め、やばい会社とは付き合わないことが大切です。
取引の前には決算書の写しや信用調査の情報などを参考に、危ない状況にないかを確認するようにしましょう。