経営における重要課題である資金調達の効率的な流れとは?

近年では日本で資金調達の動きが活発化していますが、実際に調達した後の事業の運営やすり合わせについてのノウハウがなければ効果を得ることはできません。
そのため資金調達の流れを把握し、どのような手段で行うと良いのかを理解しておくと調達後の運営の妨げにならずスムーズです。

調達する資金は2通り
大きく資金調達を分類すると、設備や施設といった固定資産を取得する際、もしくは維持するために必要になる「設備資金」、そして製造や販売活動において材料や部品などを供給するための「運転資金」に分けることができます。
設備資金は金融機関から融資を受けたり、投資家から社債や出資金を調達したりといった資金源で賄うケースが多いようです。
運転資金については金融機関からの短期的な借入れや、日常的な企業活動での与信取引に伴うものが多くなります。

資金調達の主な方法とは?
企業間の取引は多くが掛け売りですので、決済時期を遅らせることで資金にある程融通をきかせることができます。
取引相手の企業に決済期間の交渉などを行うことが必要ですが、債権者となる相手企業は債務者となる企業の信用状況を確認した上で物的担保の取得の必要性などを検討することになります。
継続的な取引関係にある場合、不動産や動産を担保にするケースが多く、換価性が高い売掛債権や商品などの動産などを効果的な担保としているようです。
また、取引当事者間に介入する場合には、取引先から回収した手形などの決済期日を待たず、期日前に資金化する方法や仕入先に手形を決済手段として利用するという方法もあります。

売掛債権の流動化とは?
企業が引受けた与信リスクを金融機関等に転嫁する売掛債権の流動化も方法も1つです。決済期日が到来する前に企業が保有している売掛債権を、銀行など第三者に譲渡します。
調達可能になる額は売掛債権の信用力に依存しますので、取引先の信用状況を調査し、分析結果によって取引額の限度額を設定することになるでしょう。

倒産の危機に直面しないためにも
売掛債権は決済期日の到来まで数か月という期間があります。しかしこの期日の到来を待っている間に資金繰りが悪化すれば、到来を迎えることなく倒産などの危機に直面する可能性もあります。
先に売掛債権を資金化することにより、資金繰りを安定させることができるでしょう。売掛債権の流動化には、次のような手法があります。

・売掛債権証券化
企業が保有する売掛債権を特定目的法人(SPV)に譲渡し、その対価である資金を受取る方法です。

・ファクタリング
企業が売掛債権をファクターと呼ばれる企業に譲渡し、その対価でえる資金を受取る方法です。ファクターが売掛先から債権を回収します。

・売掛債権担保融資
売掛債権の信用力を担保に融資を受ける方法です。ただし融資ですので調達資金については返済する必要性が出てきます。

資金繰りが悪化しないために
安定した資金繰りを確保するためにも、資金調達がどのような流れで行われることが一番良いのか、自社のスタイルに合う方法を選択していくことが必要です。