資金繰り表を作成したけれど、資金が不足することが考えられる場合には悪化した資金繰りの原因は何かを突き止めて早急に対応していく必要があります。資金繰りを改善させるために、どのような方法を実践すれば良いかを考えて行きましょう。
目次
資金繰りの指標とは?
資金繰りを確認する際には、3期分の決算書や試算表などで回転期間を確認します。
・売上債権回転期間
「売上債権(受取手形・売掛金)÷平均月商」で売上債権の回収をどのくらいの期間で行っているかを確認します。長期化している場合には、回収不能や回収遅れの可能性があるため資金繰りは悪化してしまいます。
・仕入債務回転期間
「仕入債務(支払手形・買掛金)÷平均月商」で仕入債務が月商何か月分かをあらわします。どのくらいの期間で決済されているかを確認しますが、短くなると資金繰りは悪化していきます。
・棚卸資産回転期間
「棚卸資産÷平均月商」で月商何か月分の棚卸資産を保有しているかを確認しますが、長期化していると資金繰りは悪化します。なお、売上高(平均月商)ではなく売上原価を使うとより正確な数値を把握することができます。
回収や支払条件の見直し
取引先ごとに設定している回収や支払条件などの取引条件を確認しましょう。取引条件は一度決めると長期間そのまま続くことが一般的でしょうが、不利な条件を続けている場合には変更することも必要です。交渉することで自社の信用不安に繋がってしまうことが予想される場合には、新しい取引先との条件から見直すようにしていきましょう。
取引先の信用調査は確実に
中小企業の多くは新しい取引際を開拓し、売上増加していくことがなかなか実現できないで悩むこともあるでしょう。しかし新規顧客を獲得したいがために、信用面に不安がある取引先でも売上債権を増加させてしまい、不良債権化させてしまうこともあります。取引先の信用管理をしっかり行うために、調査会社を活用しながら営業担当に情報収集を促すなど日々確認が必要です。
在庫や経費の見直し
在庫が過大になっていないか回転期間で確認します。これまでよりも回転期間が長期化している場合、資金繰り悪化だけでなく不良在庫が発生してしまう可能性もあります。また、赤字企業の場合には率先して経費削減に取り組んでいると考えられますが、実はまだ徹底されていないケースもあります。事務所賃料、加入している保険、交際費、広告宣伝費など妥当性、必要性、売上増加に貢献できているかなど検証しましょう。人件費の削減はモチベーション低下で業績悪化に繋がる可能性がありますので、まずは役員報酬から見直すことが先です。
資金繰りが悪化しているなら
資金繰りがうまくいかない場合には、様々な見直しが必要になります。現在なぜ資金繰りが悪化しているかの原因を突き止め、改善していくようにしましょう。