法人が借入できない理由と借入以外で検討したい資金繰り方法3つ

経営者としてしっかりと資金繰りを考えるのは非常に重要な事ですが、なかなか思うように資金繰りができないときもあるかもしれません。今回は法人が金融機関から借入できなくなる理由と借入以外で考えたい資金調達の方法をご紹介します。

借入できない理由

金融機関に借入を申し込んでも借入できないことがあります。しかし、金融機関からは基本的に借入できない理由を教えてもらうことはできません。借入できない理由には次に紹介する3つが主に考えられるでしょう。

  1. 条件を満たしていない
  2. 業績が落ち込んでいる
  3. ブラックリストに載っている

1.条件を満たしていない

事業者向けの融資によっては融資の条件が定められているものがあります。条件がある場合は、条件を満たさなければ借入できません。

例えば、日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)では利用できる人として以下の条件が定められています。

【経営環境変化対応資金の対象者】
外的要因で一時的に業況が悪化しているものの、中長期的には回復や発展が見込まれるもので次のいずれかに該当する事業者

  • 直近の決算期の売上が前期または前々期より5%以上減少している
  • 直近3ヶ月の売上が前年または前々年の同期より5%以上減少している
  • 直近の決算期の純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期より悪い

など

参考:経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)|日本政策金融公庫

なお、金融機関などで融資を受けるにはさまざまな書類の提出が求められます。例えば、決算書や事業計画書、資金繰り表などの書類です。必要書類は金融機関で異なり、書類が揃っていなかったり不備があったりするときは借入できないことがあります。

2.業績が落ち込んでいる

金融機関は企業の返済可能性を融資判断の1つとして、返済原資があるか、財務の健全性はどうかなどを考慮します。そのため、事業が不調のときは返済可能性の面で融資を受けられない可能性があるでしょう。

また、財務基盤の弱い事業者は借入できないことがあります。同様に返済可能性の面で評価が劣るためです。さらに、経営の透明性に乏しく財務状況が明確に開示されていないケースでも融資を受けられない可能性があります。

3.ブラックリストに載っている

ブラックリストに載るとは、信用情報に事故情報が掲載されることです。

信用情報とは、金融機関が提供するローンやカードローンなどの利用状況のことで信用情報機関に情報が登録されます。

登録されるのは、商号(法人名)や代表者名などの基本情報の他、連帯保証人や融資、クレジットカードに関連する情報です。主に個人の信用情報が広く知られていますが、法人にも信用情報はあります。

信用情報として登録されることに問題はありませんが、金融事故が発生すると返済や延滞、異動情報(債務整理や代位弁済などの情報)が登録されるため要注意です。ブラックリストに載ると信用力に欠けるとの判断で借入できない可能性があります。

【無料ダウンロード】
資金繰りを見える化。資金繰り表テンプレート

もう資金繰りで悩まない!経営者・財務担当者のための資金繰り表テンプレート。財務管理を簡単にし、ビジネスの安定成長を目指しましょう。

いますぐダウンロード

資金獲得の基本は借り入れ

経営を安定させるためには資金繰りは欠かせません。資金繰りを考えるときには資金の獲得先や、返済の計画を立てる事が重要ですし、資金を確実に獲得できるのかも考える必要があります。

資金繰りが安定化するとそれだけで経営が安定化しますので、経営不安を抱えることがないように、しっかりと資金繰りの計画を立てるようにしましょう。

資金獲得の基本はまず借入です。資金の借入をするためには銀行などに融資の申し込みを行うのが基本ですが、銀行の審査は非常に厳しいもので、なかなか資金の獲得ができない場合もあります。

どこからも借入できないときの最終手段

資金調達の基本は借入と紹介しました。では、借入できないときはどうすればよいのでしょう。借入が厳しいときの主な対処法を3つ紹介します。

  1. 出資を受ける
  2. ファクタリングを利用する
  3. 補助金や助成金を活用する

1.出資を受ける

1つは出資を受けることです。株式を発行して購入してもらうことで資金を調達する方法で、株式会社において有効な手段になります。

融資のような返済義務はないものの、議決権の一部を出資者に譲ることになる点に注意が必要です。議決権割合によっては会社の重要な意思決定に影響することがあります。

方法としては、関係者からの出資の他、ベンチャーキャピタル(ベンチャーを対象とした投資会社)やエンジェル投資家(資金力のある個人投資家)からの出資が考えられるでしょう。

2.ファクタリングを利用する

ノンバンクや銀行からの借入では利子が発生してしまい、経営上あまりよくないと判断した場合にはファクタリングが役立ちます。ファクタリングは売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらうことで資金獲得ができる仕組みです。審査も銀行ほど厳しいものではありません。

売掛金が毎月大量に発生している場合には手数料こそかかるもののしっかりと資金獲得ができるのがファクタリングの魅力で、短い審査の期間で確実に資金の獲得ができます。

手数料は3社間ファクタリングの方が低いので一見魅力的に感じます。しかし、相手方にファクタリング企業の利用が知られてしまいます。ファクタリングの利用を売掛先の企業に知られたくない場合には2社間ファクタリングという手段を利用して資金獲得ができるので、利用を検討してみましょう。

3.補助金や助成金を活用する

補助金や助成金は国や自治体による制度です。補助金は設備投資の負担軽減に、助成金は従業員の採用促進などに有効な手段で、目的に適えば資金調達に役立ちます。

基本的に返済の必要がないのも補助金や助成金の魅力です。ただし、補助金については採択されないと受けられません。申請などの期限が限られるものもあるためタイミングも重要です。

まとめ

資金調達をしたくても、銀行などから借入できないこともあります。別の資金調達の手段としてファクタリングを検討してみるのもよいでしょう。

PMGでは、売掛債権早期資金化事業で安心できるファクタリングのサービスを提供しています。

金融支援として補助金・助成金のサポートを行っているのも特徴です。申請可能な補助金や助成金の調査から、申請代行機関と提携した申請・受給のためのサポートも行っています。資金調達でお困りならPMGへご相談ください。