取引先に商品・サービスは販売している状態でも、まだ代金を回収していないとき、請求できる権利を売掛債権といいます。
その売掛債権を専門業者に買い取ってもらい、現金化させる仕組みがファクタリングです。
そこで、実ファクタリングによる売掛債権の現金化について、その仕組みを説明します。
中小企業経営者向け!

目次
ファクタリングとは
自社製造の製品を販売する場合、元となる材料を仕入れなければなりません。
材料を仕入れて製品を製造販売した場合でも、その場で現金を受け取るわけではなく、後日請求書を発行して入金までは一定期間待つ掛け取引が主流です。
そのため売上は発生し、利益も出ていても、入金がまだのために資金不足に陥ることはめずらしいことではありません。
しかし入金までのタイムラグが長すぎれば、資金繰りは困難な状態となってしまいます。
このタイムラグをなくし、すぐに売掛債権を現金に換えることができるのがファクタリングです。
ファクタリングの仕組み
ファクタリングを利用するためには売掛債権を保有していることが前提であり、以下の流れで現金化される仕組みです。
- 商品を納品、またはサービスを提供することで売掛金が発生する
- 売掛金を専門業者に持ち込み買取の可否、さらに買取可能な場合、いくらで買い取ってもらえるのか見積もりを出してもらう
- 専門業者と契約を結ぶ
- 専門業者から買取金額を入金してもらう
- 売掛先から期日に支払われた売掛代金を専門業者が受け取る
資金調達の手法として注目される債権流動化
実はファクタリングを資金調達に利用することについては経済産業省中小企業庁のお墨付きであることも特徴です。
ファクタリングは売掛債権を活用することで資金を得ますが、国の政策としてこの売掛債権をもっと資金調達に有効活用させるべきだと推奨する動きがみられます。
すでに経済産業省中小企業庁では、中小企業者が資金調達の方法として、不動産を担保とする融資に過度に依存しないよう、売掛債権を担保とする融資保証制度を創設しています。
また、インターネットで閲覧できる中小企業庁の公式サイトでも、売掛債権を利用促進についてというページにおいて、もっと売掛債権が活用されるべきであるという内容が記されています。
資金調達の多様化の必要性
アメリカなどでは当たり前のように資金調達の手法として用いられているファクタリングですが、日本ではまだ十分に周知されているとはいえず、利用方法も存在自体も知らないという方もいるようです。
ただ、以前までは手形による取引が多かったですが、最近では減少傾向にあり、資金を調達する際に手形割引など使われることも少なくなっています。
資金の調達方法が限定されてしまうと、仮に銀行からの融資を受けることができない体力の弱い企業などは、不足する資金を調達できず倒産してしまうでしょう。
資金調達の方法を多様化させるためにも、ファクタリングはその方法の1つとして認識されるべきものであるといえます。
利用において重要となるファクタリング会社選び
今後は拡大していくことが予想されるため、現在でもファクタリングを取り扱う専門業者は増えつつあります。
しかし、ファクタリングを資金調達の方法として利用するのなら、信頼できる専門業者選びが非常に重要です。
まだ日本では歴史が浅いこともあり、老舗と呼ばれる専門業者はほとんどなく、判別が難しいことが難点ではあります。
特にヤミ金業者と呼ばれる怪しい業者も混ざっていることがあるため、信頼できる専門業者を見極めた上で利用するようにしてください。
ファクタリングの特徴
ファクタリングは融資を受けるわけではないので、担保や保証人は必要ありません。
また、ファクタリングにおける審査も、金融機関からの融資での審査とは異なり、利用する企業ではなく売掛先の企業の信用度を重要して行われます。
融資ではないことで信用情報機関に影響することもなく、決算書を悪化させることもありません。
利用に必要な書類も少ないので、手短に資金を調達したいという場合にぴったりの手法です。
まとめ
ファクタリングが日本で十分に浸透していない原因の1つには、従来の手形取引の文化が関係していると考えられます。
その手形による取引もだんだんと少なくなり、何で資金を調達すればよいのか、その方法を広げていくことが必要です。
不動産を担保として融資を受けたくても、肝心の不動産を所有していなければ利用することはできません。
しかし、ファクタリングなら通常の取引で日常、当たり前のように発生する売掛金を売却することで、現金化させることができます。
経営する上で資金調達方法の種類やその実態を把握しておくこととても大切です。
リスクヘッジの方法の1つとして、ファクタリングの仕組みを知っておくようにしましょう。
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