つなぎ融資は補助金で必要?理由や申請の流れ・融資以外の方法を解説

融資を受ける理由はいろいろですが、補助金を申請する際にも一時的に必要となるつなぎ資金を準備するため、金融機関などに相談しなければならない場合もあります。

一時的な資金需要に対応する借入れをつなぎ融資といいますが、補助金申請においても自己資金などに余裕がなければ必要です。

そこで、つなぎ融資はなぜ補助金で必要になるのか、その理由や申請の流れ、融資以外でつなぎ資金を用意する方法について解説していきます。

つなぎ融資とは

「つなぎ融資」とは、補助金においては採択から実際に入金されるまでの間に、一時的に必要になる資金を借入れることです。

一般的には、注文住宅を購入するときなど、土地購入や工事代金などの支払いが先行し、最期に残りを決済します。

先行する支払いに充てるお金がないときなどに役立つのがつなぎ融資であり、一時的に必要な資金を借入れる融資といえます。

 

補助金申請から支給までの流れ

 

「補助金」とは、国の政策目標に沿って事業を運営する事業者に対し、支給される返還不要のお金です。

スモールビジネス事業における資金調達で活用される制度であり、新規事業・起業促進・研究開発などの事業を運営する上で必要となる経費が補助されます。

補助金の目的は個人事業主や中小企業の事業活性化であるため、経済産業省などが管轄する制度以外にも、自治体や民間団体などが業界ごとに活用しやすい金制度を設けています。

新規事業や研究開発などを目的とするため、支給される金額も数百万円以上や数億円規模単位など多額であるため、要件を満たす制度があれば活用すると資金面で苦労することがありません。

ただし公募期間が1週間から1か月など特定期間のみに限定されていることや、採択されなければ支給対象にならないことは留意しておく必要があります。

さらに補助金は、採択されればすぐに入金されるわけではなく、実際に事業を運営することでかかった経費を後払いで支援してくれる制度です。

そのため一時的に経費支払いに充てるお金が必要となり、自己資金で賄うことができなければつなぎ融資など受けることが必要となります。

補助金でつなぎ融資が必要になるのは、申請から実際に手元に受領するまでの流れが関係します。

事業によって異なるものの、一般的な補助金申請の流れとして、次の6つの段階を踏むことになります。

  1. 申請
  2. 審査・採択
  3. 交付決定
  4. 事業運営
  5. 報告・検査
  6. 受領

それぞれの補助金の流れについて説明していきます。

①申請

補助金を受けるためには、募集要領に従って「申請」することが必要です。

必要書類などを準備して、受付期間の間に提出します。

そのため要件などに該当する補助金を見つけたときには、公募要領や期間を確認し、期限に遅れることのないように申請を済ませましょう。

なお、事務局窓口に持参したり郵送したりといった方法での申請はできず、電子申請のみの受付となっている補助金もあります。

電子申請が必要な場合、事前にIDを取得するなど準備も必要となるため、早めに確認しておくと安心です。

②審査・採択

補助金を申請した後は、「審査」を受けて「採択」されることが必要です。

提出した書類をもとに行う審査に加え、面談によるヒアリングが必要になる場合もあるため準備しておきましょう。

審査には1~2か月かかることが一般的であり、公募期間が終了した後に採択または不採択か決まります。

採択の決定については補助金事務局から郵送またはメールで通知されますが、採択されれば補助金が交付されるわけではないため、その点は勘違いしないようにしてください。

③交付決定

補助金で採択されたことが通知された後は、交付申請書の提出が必要です。

経費の適合性や申請内容など精査され「交付」されるかが決まり、いよいよ補助対象の事業を開始することができます。

④事業運営

補助金で交付申請書を提出した後は、補助対象となる事業を「スタート」しますが、事業によっては中間検査など視察や報告要請が入ることもあります。

手元に補助金として入金されるのは、補助事業期間に実際に事業運営において必要とされ、補助対象とした経費です。

そのため先に手元の資金で経費を支払うことが必要になるものの、大型の事業においては自己資金だけでは不足する可能性があります。

つなぎ融資が必要になるのはこのタイミングであるため、補助金を申請するよりも前に金融機関などに相談しておくことが必要です。

⑤報告・検査

補助事業期間に事業を運営した後は、決められた期限までに補助金事務局に「実施報告」を行います。

実施報告するときには、経費の支払いで受け取った領収証など、必要書類を添付するように求められるため、なくさないように保管しておきましょう。

さらに補助事業運営に関連する経費だったのか、証拠となる領収書など書類が適切か確認するために「確定検査」が実施されます。

検査の結果、問題ないと判断されれば補助金の支払いを確定する「確定通知書」を受け取ることができます。

⑥受領

補助金の実施報告で特に問題なしと判断されれば補助金が交付されますが、確定通知書を受けた後に「補助金支払い請求書」を提出することが必要です。

その後、1か月以内に指定した銀行口座が支払われ、補助金を受け取ることができます。

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補助金でつなぎ融資が必要である理由

補助金でつなぎ融資が必要である理由として、採択されたことが交付決定になるわけではなく、交付が決定してもすぐに入金されるわけではないことが挙げられます。

補助対象となった設備の購入費や経費などは、補助金が入金される前に負担することが必要です。

支払いが先行し、補助金は後払いとなるため、補助事業運営で発生する費用に充てるお金を準備しておかなければなりません。

自己資金に余裕があれば先行する支払いに充てることもできるでしょう。

しかし補助事業の規模が大きいときや、事業拡大を検討している中小企業などの場合、資金面での余力がなければ手元のお金が足らなくなってしまいます。

そのため、補助金を申請するときには、補助事業を実施するために必要な経費などの支払いにあてる資金を調達することが必要であり、その方法の1つがつなぎ融資といえるでしょう。

つなぎ融資の相談先

補助金申請においてつなぎ融資を受けたいときの「相談先」として、次の2つが挙げられます。

  1. 金融機関
  2. 専門家

それぞれの相談先について説明していきます。

金融機関

補助金申請においてつなぎ融資を受けたいときの相談先として、メインバンクなどの「金融機関」が挙げられます。

銀行などが補助金の申請から支援してくれることもあるため、つなぎ融資についても自動的に相談することになると考えられます。

また、つなぎ融資に力を入れている銀行などもあるため、これまで付き合いやつながりのなかった金融機関とのお付き合いがなかった場合、補助金やつなぎ融資をきっかけに取引が始まる可能性もあります。

専門家

補助金申請においてつなぎ融資を受けたいときの相談先として、申請に関する相談やサポートをお願いした「専門家」が挙げられます。

税理士や資金調達コンサルタントなど、補助金の申請に関する相談やサポートを受けた専門家に、つなぎ融資に関することもたずねてみましょう。

資金調達全般に詳しく、金融機関とつながりのある専門家であれば、スムーズにつなぎ融資を受けることができるように紹介してもらえることが期待できます。

補助金申請でつなぎ融資を検討する場合のポイント

補助金でつなぎ融資などを活用して、一時的に経費支払いに立て替えるお金を準備しておくことは欠かせないといえます。

一般的な借入れとはことなり、返済に充てる資金が最終的に入金されることが確約されているため、金融機関も比較的貸し倒れリスクが低いと判断し貸し付けやすいはずです。

ただし補助金のつなぎ融資であれば必ず借入れ可能になるとは限らないため、補助金が採択されたのにも関わらず、融資を受けることができず事業を実施できない事態を防ぐことが大切といえます。

そこで、補助金申請においてつなぎ融資を受けるのであれば、次の4つをポイントとして押さえておくようにしましょう。

  1. 早めに金融機関に相談する
  2. 実現できる事業計画書を作成する
  3. 計画内容を説明できる準備をする
  4. 専門家のサポートを受ける

それぞれのポイントについて説明していきます。

早めに金融機関に相談する

補助金でつなぎ融資を受けるためのポイントとして、早めに「金融機関」に「相談」することが挙げられます。

早めに銀行など金融機関に、補助金を申請することやつなぎ融資が必要になることを相談することで、どのくらいのお金を借りることができるか知ることもできます。

また、補助金の制度によって申請するときに金融機関の確認書を必要とすることもあるため、事前に相談しておいてください。

補助金で採択がされてもつなぎ融資を受けることができず、手元の資金不足で経費などの支払いができなくなることを防ぐためにも、早めの相談が大切です。

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実現できる事業計画書を作成する

補助金でつなぎ融資を受けるためのポイントとして、実現できる「事業計画書」を作成することが挙げられます。

事業計画書は、事業内容や戦略、収益の見込みなどを書面化した書類です。

必要な資金の根拠を示すとともに、事業を客観的に見る上でも必要といえるでしょう。

補助金や融資を受ける際には、今後の事業について実現性の高い事業契約書を作成することが必要です。

補助金事務局の審査員や銀行の融資担当者が、この事業計画なら確実に実行でき、収益を生み出すことができると納得してもらえる内容であることが求められます。

事業計画を立てるときには誰に相談するべき?作成する上でのポイントとは

計画内容を説明できる準備をする

補助金でつなぎ融資を受けるためのポイントとして、「計画内容」を「説明」できる準備をすることが挙げられます。

事業計画書を作成した後、その内容を経営者自身が説明できないことは問題です。

書類作成などはそれほど得意ではないという場合、専門家などに作成を依頼することもあるでしょう。

しかし実際に現場で事業を運営するのは専門家ではなく事業者であるため、経営者が事業計画書の内容を説明できないのであれば、そもそも実現できない計画であると判断されても文句は言えません。

専門家のサポートを受ける

補助金でつなぎ融資を受けるためのポイントとして、「専門家」の「サポート」を受けることが挙げられます。

補助金申請について、税理士やコンサルタントなど専門家に相談し、サポートを受けることで苦手な事業計画書などの作成に関してもアドバイスしてもらえます。

特に資金調達に関するコンサルタント業務を行っている専門家であれば、つなぎ融資だけでなく他の資金調達方法などに関する相談もできます。

つなぎ融資で資金を調達する必要があるものの、どの金融機関に相談すればよいかわからないときも紹介してもらえることがあるため、自力で補助金申請しようとせず専門家に頼ったほうが安心です。

融資以外でつなぎ資金を調達する方法

補助金は、たとえ採択され交付が決定しても、後払いで入金されるため「一時的」に経費支払いなどに充てるお金が必要です。

「立て替え」に充てる資金が手元にないときには、つなぎ融資などを受けて調達する方法があるものの、お金を借りることに抵抗がある場合には「ファクタリング」も方法として検討できます。

「ファクタリング」とは、保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化して手元のお金を増やすサービスです。

お金を借りる方法ではないため、決算書を汚すことなく資金を調達できることや、早ければ「即日現金化」できるスピーディさが魅力といえます。

つなぎ融資ではなく、スピーディに借入れを増やさず資金調達できる方法であるため、補助金申請のとき以外にも活用できる資金調達の方法です。

ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

資金調達コンサルティングとは?活用するメリットと選び方を簡単に解説

まとめ

補助金申請において、融資を受けることが必要であるのは、一時的なつなぎ資金を準備しなければならないからです。

つなぎ融資をスムーズに借入れたいなら、実現性の高い事業計画書の作成や、銀行や専門家に早めに相談することなどが必要となります。

ただ、つなぎ資金は融資を受ける方法以外にも、たとえばファクタリングなどでも準備することができます。

補助金申請において資金調達コンサルタントなど専門家に相談したいときや、ファクタリングを活用したいという場合には、コンサルタント業務と売掛債権現金化業務のどちらも対応できる当社にご相談ください。