会社を安定的に経営するためには、自社の状況を正しく把握する必要があります。同時に、経営リスクを理解して可能な限り被害を防止することも大切です。
経営リスクを理解しないまま現状維持や事業拡大を行うと、資金繰りの失敗などトラブルを呼び込みかねません。
今回は経営リスクとは何かを踏まえて、財務リスクに直結する資金管理について解説します。
目次
経営リスクとは
経営リスクとは、会社経営に影響するあらゆるリスクのことです。すべての会社が必ずしも経験するとは限らないものの、業種問わず発生し得るリスクも多くあげられます。
会社経営を成功に導くためには、経営リスクを把握・予測することが大切です。リスクを未然に防いだり、発生時の被害を最小限に抑えたりするための取り組みを考える必要があります。
経営リスクの種類とは
経営リスクは、大きく分けて以下の6つです。
- 財務リスク
- 経営戦略リスク
- コンプライアンス・法務リスク
- 人事・労務リスク
- サイバーセキュリティリスク
- ハザードリスク
経営リスクを正しく把握・対策するために、まずはどのようなリスクがあるのかを理解しましょう。
財務リスク
財務関係に起因するリスクです。たとえば、景気の変化や売上の低迷による経営悪化があげられます。売上の低迷は、商品・サービスの質が原因とは限りません。経営層の能力不足(いわゆる放漫経営)や、大きなプロジェクトの失敗なども財務リスクを生じさせる要因です。
また、取引先の倒産や商品・サービスの価格変更、金利の変動などが財務リスクを引き起こすこともあります。
財務リスクを軽減するためには、資金繰りの見直しや融資の返済状況、売掛先の経営状況に注視して変化に適宜対応することが大切です。
経営戦略リスク
会社の経営戦略や事業目標に起因するリスクのことです。会社経営には明確な正解がなく、従来の方法で成功することもあれば、采配や時代の変化によって失敗に終わる可能性もあります。
新商品・サービスの開発や事業拡大、海外進出、M&Aなど大きなイベントはもちろん、日々の資金計画もリスクにつながります。近年はSNSによる急速な情報拡散の影響もあり、不買運動も経営戦略リスクとなりかねません。
コンプライアンス・法務リスク
SNSの影響が大きい経営リスクとして、コンプライアンス・法務リスクもあげられます。主に経営陣や従業員による不祥事や法律違反のほか、販売製品の深刻な不備によって経営危機を招きうるリスクのことです。
たとえば異物混入は、従来は発生した店舗など狭い範囲での影響に留まっていました。現在はSNSの発達により国内外で広く知られやすくなっており、関係者ですらインターネットを通じてはじめて事態を把握するケースもあります。
コンプライアンス・法務リスクは社会的信用を失墜させ、不買運動にもつながります。
人事・労務リスク
従業員の労働に関するリスクを総じて、人事・労務リスクと呼びます。たとえば近年ニュースにあげられやすい過重労働や残業代未払い、不当な解雇なども人事・労務リスクです。従業員のメンタルヘルスも重視されつつある現代において、労働環境の改善施策は軽視できません。
また、上記のようなトラブルは人材の流出や損害賠償請求につながり、会社そのもののイメージダウンを招きます。
サイバーセキュリティリスク
主にサイバー攻撃など、インターネットを介して被る被害リスクのことです。マルウェアの感染やデータ破損、サイバー攻撃によって機密情報が漏えいしたり、顧客情報が盗まれたりすることがあります。
漏えいした情報は犯罪グループへの売買や悪用されるおそれがあり、企業の社会的信用に大きく関わります。「セキュリティソフトをインストールしたから大丈夫」と安堵せず、継続的にサイバーセキュリティリスク対策を見直すことが大切です。
ハザードリスク
さまざまな外的要因によって発生しうるリスクのことです。地震や水害、風害など自然災害はもちろん、火災や事故、故障などの被害もハザードリスクに含まれます。
ハザードリスクは社内の設備を破壊させる場合もあれば、従業員が出勤困難となることもあります。被災時に事業継続できるように早期復旧できる体制を整えたり、状況に応じてリモートワークへ切り替えたりできるような事前対策が欠かせません。
財務リスク管理の基本「資金管理」
上記のとおり、経営リスクはさまざまな分野で考えられます。経営を継続させるためには、中でも「財務リスク」が重要です。財務状況が悪ければ、ほかの経営リスクが生じたとき、早急に対処できないおそれがあります。
財務リスクを未然に防ぐためには、適切な「資金管理」を行いましょう。
資金のリスク管理の基本としてあげたいのが経営状態の把握です。キャッシュフロー計算書や損益計算書などをしっかりと活用しておくと、経営状態を把握できます。適切な経営状態の理解のためにこのような資金管理の基本を理解しておくことが非常に重要です。
この他にも注意しておきたいのが、資金繰表です。資金繰表は常に確認できるように注意しておくと資金管理が奏功します。しっかりとこれらの指標を有効活用して、資金繰に必要な着眼点を理解するようにしておきましょう。
売掛金に要注意
売掛金は売上にはなるのですが、残念ながら売掛金が発生してしまうとやがて資金が不足してしまいます。このため、売上が上がっているのに資金不足、ひどい場合には黒字倒産などのトラブルを経験するきっかけになってしまいます。このため、売掛金が大量発生しているときには資金繰の状態を適正に把握して、支払い日程の調整や売掛金のファクタリングなどの方法を利用して資金獲得を行わなければいけません。
ファクタリングは特に重要な手法です。しっかりと利用法を理解して資金管理を徹底するように注意しましょう。
ファクタリングを有効活用しよう
ファクタリングを有効活用すると売掛金を資金に変える事ができます。ファクタリングを利用するときにはファクタリング企業に売掛金の現金化を依頼する事ができ、資金獲得で欠かす事ができない非常に重要な手段です。
ファクタリングではまず、企業審査を受け、その後ファクタリングの可否が決定し、資金獲得ができるようになるのですが、基本的にこの審査は銀行の審査に比べて厳しくないので、審査に対して不安を覚える必要はありません。
審査に通った後には売掛金の額面から手数料分割り引かれた金額を受け取る事ができるので、手数料には要注意です。手数料は資金の獲得を考える上で欠かす事ができない非常に重要なポイントです。しっかりと注意するようにしましょう。
ファクタリングは資金獲得の基本です。しっかりと基本を意識してファクタリングを利用するようにしましょう。