売掛金が倒産した場合の債権回収方法とは?

取引先がある日突然倒産するといったことはめずらしくありません。

取引先が倒産した情報が入った時点で、まだ回収できていない売掛金が残っていることや、商品を納品する予定がある場合などはどのように回収すべきかなど慌てることになるでしょう。

しかしこのような場合は、迅速さも必要ですが適切に対応することが必要です。

対応に誤りがあると、回収できるものも回収できなくなる可能性が高くなってしまいます。

売掛金が残っている取引先が倒産した場合、まず情報を迅速に収集して把握した情報をもとに債権回収措置を講じていくようにしましょう。

取引先の倒産が破産手続きによるものの場合

破産手続が開始されると、一般的に取引先の財産は裁判所の選任する破産管財人が管理することになります。

そのため取引先の売掛金を含めた全ての債務に対しては、破産管財人が取引先の財産を集めて配分していくことになりますので満額回収は困難な状況となると考えられます。

ただし売掛金を担保するため不動産などの担保提供を受けていた場合は、担保価値の範囲内で回収することは可能です。

反対債務がある場合

自社も取引先に対して債務を負っている場合、取引先に対する売掛金の金額の範囲内で相殺するが可能です。

相殺については、売掛金は一方的に回収すると同じ効果が生じることから取引先に請求出来る状態であることが必要です。

破産手続が開始した後は、債務者である取引先は支払時期が3か月後だという期限の主張は出来なくなります。

相殺を希望する際には、紛争にならないために意思表示を内容証明郵便により行いましょう。

破産管財人から催告があることも

なお、破産管財人は債権調査期間が経過した後、もしくは債権調査期日の終了後に、一月以上の期間を定めて相殺をするか催告できることになっています。

そのため破産管財人から催告を受ける可能性もありますが、いずれにしても期間内に相殺しないなら破産手続内で相殺という効力は主張出来なくなりますので迅速に対応しましょう。

取引先の倒産が民事再生手続や会社更生手続の場合

債権届出期間内に相殺しないと相殺出来なくなりますので、早急に相殺の意思表示を行うことが必要です。

相殺を行う場合、売掛金の回収を強制することになるため売掛金を即時に請求出来ることが必要です。

取引先が倒産した場合は売掛金を即時に請求できるといった内容の契約書を使うことが一般的です。

この契約が存在しない場合には相殺が出来ない可能性があります。

そのため取引先とは基本契約を締結しておくことが重要だと言えるでしょう。

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取引先が倒産して回収困難に陥らないため

相殺は取引先が倒産した場合、自社が負う反対債務の範囲で債権回収に役立ちます。相互に債権債務が生じる取引がある場合、与信管理としても役立てることが出来るでしょう。

取引の際には必ず基本契約を締結しておくようにしないと、相殺という方法を用いて回収することが困難になる可能性もあります。

必ず締結しておくようにしましょう。