売上金の帳簿上の未集金である売掛金。この売掛金の回収期間が長くなればなるほど、売掛金の残高は増えて資金繰りは悪化してしまいます。反対に売掛金の回収期間が短期になると資金繰りはスムーズになります。
売上債権の回収条件などを見直し、条件の変更などを検討することが必要になる場合もあるでしょう。資金繰りが悪化してマイナスを増やさないために、早期の回収ができるような状況を作りましょう。
売掛金を早期で回収するために
売掛金の回収期間を短縮してもらえるように取引先に交渉・要請が必要です。また、どうしても応じてもらえない場合には早期回収が可能な取引先に変更したほうが良いケースもあります。さらには納品時期を工夫することなども行い、早期回収に努めましょう。
その他にも次のように、社内で取り組みとして行うべきことを理解しておくようにしましょう。
・自社ルールの明確化
そして売掛金の回収を徹底させるために、ルールを明確化して従業員に広く周知させておくようにしましょう。
営業担当者には回収を徹底づけること、そして売掛金や受取手形のルールは明確化することが必要です。
・売掛金管理の徹底
売掛金を回収予定日に回収するには、管理ができるような資料の作成と整理をし、しっかりと活用することが大切です。
得意先別元帳などを作成し、売掛金台帳をもとにして得意先ごとの売掛金状況を把握しておくようにしましょう。
また、得意先ごとの売掛金年齢を確認しておくこと、取引は与信限度内で行うこと、請求書発行や集金は確実に行うことが重要です。
・与信限度の設定
与信限度とは取引先の信用度合いのことですが、売掛金の上限金額をあらわします。相手が重要資産をどのくらい保有しているか、資産に抵当権設定の枠があるかも確認しましょう。
手形サイトが長くなるといったように、支払条件が悪化する場合には与信限度額を見直すことが必要です。
なお、この与信限度額を簡便的に求めるには「1か月平均売上高×回収サイト(月数)」で算出することができます。
併せて買掛金の支払日と仕入日の見直しを
資金繰りを改善する場合には、売掛金だけでなく買掛金にも注目しましょう。買掛金の支払日や仕入日を見直すことで悪化した資金繰りは改善できます。
ただし仕入は取引先の都合もあるため簡単に変更できるとは言えないでしょう。条件を見直すなどを踏まえた上での交渉になると考えられます。
買掛金の支払日と仕入日を見直す場合には、受取手形期日後に支払手形の期日を迎えることができるようなサイト調整を行うと良いでしょう。そして仕入は締日直後に行い、支払サイトをなるべく長くすることが必要です。