すぐに資金が必要なときはファクタリングを審査なしでも利用できないものか…と考えてしまうものでしょう。
審査なしなら、すぐにファクタリング契約を結んで手元のお金を増やすことができますが、審査が必須であることには理由があります。
実際、ファクタリングで審査なしの契約は危険であり、様々なリスクがはらんでいます。
そこで、ファクタリングに審査が必須である理由、審査の通過が気になる経営者に向けて、審査落ちしにくいファクタリング会社の特徴などを説明していきます。
目次
ファクタリングは審査なしでも利用できるのか
ファクタリングを利用するときには、健全なファクタリング会社では必ず審査が行われるため、審査なしで利用することは出来ません。
審査では、ファクタリング利用の申し込みをした利用者と売掛先との間で本当に取引があるのか確認していきます。
債権額や売掛先の経営状況などを審査し、買い取ることにリスクはない安全な債権か判断されます。 審査に落ちればファクタリング契約はできません。
ファクタリング利用には審査が必須である理由
ファクタリング会社は、ファクタリング利用の申し込みがあったとき、必ず審査を行います。
現金化の後で売掛金を回収できるのか、利用者や売掛先を審査しなければ、ファクタリング会社が高いリスクを負うことになるからです。
ファクタリングで審査が必須である理由として、主に次の3つが挙げられます。
- 売掛金の買取可否を判断できない
- 売買手数料を決めることができない
- 詐欺などのリスクを回避できない
それぞれ説明していきます。
売掛金の買取可否を判断できない
ファクタリング会社が売掛金を買い取ろうとするとき、審査により売掛先の倒産リスクなどを確認しなければ、買取可否を判断することはできません。
もし未回収リスクの高い売掛金をファクタリング会社が買い取ってしまうと、万が一買取後に売掛先が倒産した場合、その損害をファクタリング会社が負うことになってしまいます。
リスクを避ける為にファクタリング会社が買い取らない場合もあるでしょう。仮にファクタリング会社が買い取ると決めた場合でも、売買手数料が割高に設定される可能性があります。
売買手数料を決めることができない
ファクタリングを利用する際には、売買手数料が発生します。
売買手数料は、契約形態やファクタリング会社が負うリスクの高さによって決まります。
ファクタリング会社が安心して買い取りできる売掛債権であれば売買手数料は安く設定されますが、ファクタリング会社にとってリスクの高い取引と判断された場合には売買手数料は高く設定されることになります。
売掛先の信用力が重要視されるため、審査を行わなければ売買手数料を決めることはできないといえます。
詐欺などのリスクを回避できない
ファクタリングを利用するときに、契約しようとしている会社が悪徳業者やヤミ金業者ではないか不安を感じるものですが、それはファクタリング会社も同様です。
例えば利用者と売掛先が結託し、架空の請求書(架空債権)を作成し、ファクタリング会社に売却しようとする詐欺行為もゼロではありません。
また、すでに別のファクタリング会社に売却され現金化された売掛金を持ち込まれる二重譲渡の可能性や、すでに不良債権化している債権を持ち込まれるといったリスクもあります。
そのためファクタリング会社は審査を行わなければ詐欺などのリスクを被ることを回避することができないといえます。
審査なしのファクタリングを利用した場合のリスク
健全なファクタリング会社にファクタリング利用を申し込むと、審査なしで契約できることは絶対にありません。
必ず審査が行われるはずですが、仮に審査なしのファクタリングを利用してしまうと、次のようなリスクを背負うことになるでしょう
- 法外な売買手数料を請求されるリスク
- 融資契約を結んでしまうリスク
- 買戻しを求められるリスク
それぞれのリスクについて説明していきます。
法外な売買手数料を請求されるリスク
審査なしのファクタリング契約を結んでしまうと、法外な売買手数料を請求されるリスクが高くなります。
そもそも審査を行わないということは、ファクタリング会社が負うリスクを加味した売買手数料設定ではないため、最大限にリスクを想定した売買手数料を請求される可能性が高いといえるからです。
想像を超える高額な売買手数料を請求されてしまっては、資金繰りの改善どころか悪化へと繋がりかねません。
理由もなく法外な売買手数料を請求されている場合は、ファクタリング会社の乗り換えも考えるべきです。
融資契約を結んでしまうリスク
ファクタリングは売掛債権の売買による資金調達方法ですが、審査なしで契約した場合には、売掛債権の売買ではなく、融資契約を結んでしまうリスクが高くなります。
本来、ファクタリングは借入れではないため、担保や保証人などは不要です。
しかし審査なしのファクタリング会社では、担保や保証人を求められたり、保証金や一時金などを請求されるなど、債権譲渡契約ではなく融資契約を結ばされてしまいます。
貸金業登録していない業者が金銭を貸し付ける行為は違法であり、ヤミ金業者が関係している可能性が高くなり大変危険です。
もしも融資契約を結んでしまうと、恫喝などによる取り立ても行われ、周囲にも迷惑をかけてしまう可能性があります。 審査なしに魅力を感じたとしても、それ以上の多大なリスクがあると留意しておいてください。
買戻しを求められるリスク
従来、国内のファクタリング会社は、銀行系が行う3社間取引(主にリコース型)しかありませんでした。
そこに後から2社間取引(ノンリコース型)が生まれました。
ノンリコースファクタリング(償還請求権なし)は許認可が必要ないため、貸金業登録がないファクタリング会社の方が取り扱いが多く、契約利用後にもしも売掛先が倒産してもその責任を利用者が負うことはありません。
しかし審査なしの契約を結んでしまうと、知らない間にリコースファクタリング(償還請求権あり)の契約を結んでしまい、売掛金が回収できなければ買戻しを求められる可能性があります。
債権の買戻しが契約内容に含まれている場合は、実質、融資とみなされる契約のため一般的な買取ファクタリングではありませんので注意しましょう。
ファクタリング審査の必要書類
ファクタリングを利用するとき、ファクタリング会社が行う審査では、主に次の必要書類を提出するように求められます。
- 本人確認書類
- 決算書
- 取引履歴を確認出来る通帳
- 成因資料
それぞれ説明していきます。
本人確認書類
ファクタリングの申し込みでは、申込者本人の身分証明書が必要です。
・免許証
・パスポート
・写真付き住民基本台帳カード
などを準備しておきましょう。
決算書
法人であれば、直近2~3年間の決算書(個人事業主であれば確定申告書)を提出する必要があります。
決算書が赤字の場合、提出することを躊躇してしまうかもしれませんが、赤字だからといって審査に落ちるわけではありません。
ファクタリングではあくまでも、売掛債権を回収できる見込みが重要視されます。 なお、決算から間が空いている場合には、直近の試算表を提出するように求められることもあるため準備しておいてください。
取引履歴が確認できる通帳
売掛先との取引履歴を確認できる銀行口座の通帳も必要です。
通帳の履歴から、売掛先から期日どおりに売掛金が入金されているか、本当に継続した取引があるのかを確認されます。 入金が遅れている場合には、信用力の低い売掛先と判断され、審査では不利になる可能性があります。
成因資料
本当に売掛債権が存在することを証明するための成因資料が必要です。
取引に関する基本契約書・請求書・注文書・納品書・受注書など、できるだけ多くの書類を用意しておいたほうが良いといえます。
資料なしだとファクタリング会社と契約するのは難しくなります。 また、資金繰り計画を書面化したものを求められることもあるため、準備しておくようにしてください。
ファクタリングで審査落ちする原因
ファクタリングで資金調達したくても、審査落ちしてしまい利用できない…という場合、何が原因なのか悩んでしまうことでしょう。
ファクタリング会社の審査による基準をクリアできず、審査落ちする原因として主に次の4つが挙げられます。
- 売掛先の信用力が低い
- 取引実績が不十分
- 債権の健全さに懸念がある
- 利用者の社会的信用が低い
それぞれ説明していきます。
売掛先の信用力が低い
ファクタリングで審査落ちする原因として、売掛先の信用力が低いことが挙げられます。
前述したように信用力の低い売掛先の債権を買い取れば、最悪の場合倒産してしまい売掛金を回収できなくなる可能性が高いからです。
少しでも倒産リスクのある売掛先の債権を持ち込むと審査で弾かれる可能性があるため、信用力の高い債権を選んで売却するようにしましょう。
取引実績が不十分
ファクタリング会社は売掛先との取引実績も重視するため、新規の契約先という場合には審査に通らない可能性があります。
初回取引でなくても、取引実績が少なく浅い売掛先の債権では信用できないと判断されてしまうため、できるだけ取引の長い売掛先の債権を選んだほうが良いといえます。
債権の健全さに懸念がある
もしもすでに別のファクタリング会社に売却済の債権を持ち込まれ、二重譲渡が行われれば売掛金を回収できなくなってしまいます。
また、本当は存在しない売掛債権(架空債権)を持ち込まれれば、当然回収することはできません。
健全さが低い債権と判断されればファクタリング会社は買い取りを拒否せざるを得ないため、安心して買い取ってもらえる債権を売るようにしましょう。
利用者の社会的信用が低い
本来、ファクタリングの審査では利用者ではなく売掛先の信用力が重視されます。
ただ、利用者の信用力がまったく関係ないとはいえません。
利用者とファクタリング会社のみで契約する2社間ファクタリングでは、売掛金の回収は利用者が行います。
もし利用者の財務状況が悪化しており、売掛金が入金されたタイミングで資金繰りが悪化していれば、回収した代金を使い込んでしまう可能性があるからです。
また、過去に重大な過失を犯している利用者の場合、信用力が低いためまた同じ過ちを犯す可能性も否定できません。
社会的信用の低い利用者の場合、ファクタリング審査に通りにくくなる可能性があるといえるでしょう。
ファクタリング会社の審査に落ちた場合の対応
ファクタリング会社の審査で落ちた場合、どのような対応をすれば良いのか解説いたします。
以下の方法を実践して、審査の通過率を高めましょう。
ファクタリングに出す債権の種類を再検討する
まずは、ファクタリングに出す債権の種類を再検討しましょう。売掛債権の健全さに問題があると、ファクタリングの審査に通らない可能性があります。
例えば、財産的な価値が無くなって回収できなくなった不良債権です。
また、実存性が疑われやすい売掛債権や未回収リスクの高い売掛債権も、審査に通りません。
初めて取引する売掛先の売掛債権であったり、利用金額が大きすぎる場合も、架空の売掛金が含まれている可能性が高いとして、落とされてしまうことがあります。
このようにファクタリングの審査に通るかどうかは、債権の種類によって大きく変わります。ファクタリングの審査に落ちてしまった際は、債権に問題がないかを確認しましょう。
また、現在保有している売掛債権を全てファクタリング会社へ提出し、選定してもらうのも一つの手です。
取引実績が多く、信用度が高い債権であれば審査に通りやすいです。
買取金額の上限・下限をチェックする
ファクタリング会社によっては、買取金額の上限と下限が定められています。買取金額が限度額に抵触していると、審査に通らない可能性があるため注意しましょう。
買取金額を変えるのは難しいため、限度額に抵触してしまった場合は別のファクタリング会社を利用する必要があります。
限度額が原因で審査に落ちた場合は、ほかの要素には問題がない可能性が高いです。そのため、別のファクタリング会社に切り替えれば、問題なく審査に通ると考えられます。
限度額は、契約する前に各ファクタリング会社に確認しておくと安心です。
複数のファクタリング会社に同時に見積もりを依頼する
ファクタリング会社によって審査基準は異なります。審査に通りにくい会社、通りやすい会社があるのです。そのため、複数の会社に依頼をして、見積りを取りましょう。
ホームページや口コミなどを調べて、気になる会社に連絡し複数の会社で審査に通った場合は、条件や会社規模などを比較して1社に絞って契約をしましょう。
審査落ちしないためのファクタリング会社の選び方
せっかくファクタリングの申し込みをするのなら、審査落ちしにくいファクタリング会社を選びたいと考えるものでしょう。
審査落ちしないためのファクタリング会社の選び方について、解説していきます。
必要書類が少ない
ファクタリングを利用するときには、ファクタリング会社から要求された必要書類を準備することが必要です。
ただ、必要書類が多ければ事前に準備する手間や時間がかかることとなるため、審査の負担を少しでも軽減したいならできるだけ必要書類の少ないファクタリング会社を選んだほうが良いといえます。
しかし、求められる書類の少なさに飛びついて契約した会社が、違法業者であったという事態を避けるためにも、会社の規模や透明性は必ず確認を行いましょう。
また、契約時に印鑑証明書が必要なファクタリング会社が多いため、審査に通過したことが分かった時点で取得しておくことがよいでしょう。
過去の実績が高い
過去の申込実績が高いファクタリング会社は、審査の回数も多く行っており、どのような売掛債権なら買い取っても良いか判断が早いため、申込実績が高いファクタリング会社のほうが審査には通りやすく、なおかつスピーディーな資金調達が可能といえるでしょう。
オンライン契約が可能
最近ではインターネットを利用した申し込みや契約が主流となり、すべてオンラインで完結できるファクタリング会社も増えてきました。
オンライン契約が可能なファクタリング会社であれば、わざわざ会社の窓口まで出向く必要や郵送による手続などが必要なく、スムーズに契約することができます。
また、対面では緊張してうまく話できないという経営者でも、オンラインであればスムーズにコミュニケーションを取ることができ、審査に通過する可能性も期待できるといえるでしょう。
ファクタリングで即日現金化を実現するポイント
ファクタリングの審査に通ったとしても、現金をすぐに受け取れない場合があります。
資金調達を急いでいる場合は、即日現金化してもらえることが必須となるでしょう。余談ですが、ここでは即日現金化を行ってもらうためのポイントを解説いたします。
即日現金化に対応しているファクタリング会社を選ぶ
ファクタリング会社には、即日現金化に対応している会社と対応していない会社があります。そのため、ファクタリングを申し込む時点で、即日現金化の可否については必ず確認しておきましょう。
即日現金化が可能なファクタリング会社であっても、利用する時間帯次第では翌日以降の入金になってしまうケースもあります。そのため、即日現金化が可能な時間帯についても確認しておくと良いです。
最短だと、平日の午前中に申し込みをすれば、午後には現金化が可能です。土日祝日や夕方以降は、営業時間外の可能性があります。
土日祝日に営業し、対応しているファクタリング会社もありますが、金融機関が土日祝日に営業していないため、現金化が翌営業日になることがあるので、利用する場合は確認をしましょう。
2社間ファクタリングを利用する
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング会社の2社のみで行うファクタリングの契約方法です。
売掛先を含めた3社間ファクタリングでは、サービスの利用者が売掛先に債権の譲渡について承認を得なければいけません。手続が複雑であるため時間がかかり、即日現金化が難しいというデメリットがあります。
2社間ファクタリングでは、売掛先との手続が不要です。その分、手続が早く完了するため、即日現金化を実現しやすいのです。
一方で、ファクタリング会社にとっては、代金が未回収となるリスクが高い契約方法となります。そのため、売買手数料は三社間ファクタリングと比べて高めに設定されています。
売買手数料が高くても即日現金化を望んでいる方は、2社間ファクタリングの利用をおすすめします。
オンラインファクタリングを利用する
ファクタリング会社のなかには、オンラインで手続できる会社が存在します。一般的なファクタリング会社は、書類を対面で渡したり郵送したりしなければなりません。
そのため、書類を確認してもらうまでに時間がかかるというデメリットがあります。
オンラインファクタリングを利用すれば、手続きをオンラインで実施できるため、手続きにかかる時間は短いです。そのため、即日現金化ができる可能性も高くなります。
ただし、オンラインファクタリングのなかには、混合型の契約方法をとっている会社も存在します。
ほとんどの手続はオンラインでできても、契約締結時には対面が必要になるというものです。即日現金化してもらえない可能性があるのでオンライン完結型か確認しておきましょう。
住んでいる場所や働いているエリアから近いファクタリング会社を利用する場合は、手続きがスムーズに行いやすく、即日現金化できる可能性がオンラインと同様に高いです。
そのため、オンラインファクタリングは、近くにファクタリング会社がない場合におすすめです。
まとめ
ファクタリングを利用するとき、審査なしの業者を選ぶと悪徳業者に騙されるリスクを高めてしまいます。
健全なファクタリング会社に申し込みをすれば、必ず審査は行われるはずです。
ファクタリングの審査では、ファクタリング会社が買い取っても安心できる売掛債権なのか、本当に期日に回収できるのか判断されます。
仮に回収できない債権をファクタリング会社が買い取ってしまうと、存在しない売掛金だったり未回収になったりなどで貸し倒れになる可能性が高いからです。
これらを踏まえて、必ずファクタリング利用のときには審査が必要であることを理解しておき、もし審査なしで利用可能という業者があっても悪徳業者であることを疑うようにし、絶対に契約しないようにしてください。
ファクタリング利用で迷うことや不安なことがあるときには、PMGまで気軽にご相談いただければと思います。