債務超過とは、会社の資産総額を上回る負債総額がある状態です。
M&Aを検討している場合には不安な状況ですが、債務超過で事業継続が難しいからこそ売りたいと考えることもあるといえます。
そこで、M&Aで会社を買い取ってもらいたい場合、債務超過では売却できなくなるのか、将来的に改善させるべきことを解説します。
債務超過か確認する方法

自社が債務超過か知りたいなら、決算書の貸借対照表(B/S)から確認しましょう。
貸借対照表の左側が「資産」、右側は「負債」の記載があります。
資産には、現金・預金・売掛金・不動産・機械・設備など、負債には借入金・買掛金などが記載されていますが、財産よりもすでに借金が上回っていれば債務超過です。
債務超過の2つの種類
債務超過には、「簿価債務超過」と「時価(実態)債務超過」の2種類があります。
「簿価債務超過」の場合、帳簿上の純資産で債務超過となっているのに対し、「時価(実態)債務超過」は時価純資産での債務超過です。
たとえば、不動産や有価証券などの資産は、購入と売却では価値が異なります。
そこで、簿価債務超過ではなく時価(実態)債務超過かを判断することが必要です。
債務超過ではM&Aによる売却は困難
M&Aでは、優秀な人材や独自の技術、ノウハウといった「のれん(営業権)」が負債を上回る価値として評価されれば、債務超過でも成約の可能性はあります 。
買い手は、自社でゼロから立ち上げる「時間をお金で買う」ために買収を検討するからです 。
ただし、帳簿には記載のない保証債務や訴訟リスクなどがあれば、購入後に結局事業を続けることはできなくなるため、経営継続における問題発生の不安がぬぐえなければ不成立に終わると考えられます。
債務超過でもM&Aできるケース
時価(実態)債務超過でもM&A が可能なのは、営業赤字ではなく、将来の会社評価を基準として営業権に評価が出る場合です。
営業権の評価を加味し、債務超過としない方法であればM&Aで売却できると考えられます。
ただし、債務超過の原因が積もり積もった赤字であるのなら、収益性が見込めず営業権の評価は出ないため、買い手は見つかりにくいでしょう。
また、複数ある会社の事業の中で優良事業のみを売却する場合は、M&Aが成立する可能性はあります。
民事再生等を検討する際の手法といえますが、法的整理に至る前に、シナジー(相乗効果)を見込める買い手を見つけることが最善策です 。
自力できなくても、大手グループの傘下に入ることで、赤字や債務超過の状態から1年で黒字転換した実例も存在します 。
債務超過に陥る前の対策が重要に
債務超過だとしても、人材や技術、将来の収益性などが評価されれば買い手企業は見つかる可能性もあります。
業績や資金繰りが悪化して債務超過に陥るよりも前に、悪化の要因は何か洗い出し、改善することが必要です。
将来的にM&Aを見据え経営しているのなら、企業価値(株価)に最も影響を与える営業利益と純資産に注目しましょう。
売上を追うことよりも、必要のない私的経費を削減し、本業で利益を生み出せる正常収益力を強化することが必要です。


