資金繰りに困ったときは、金融機関からの追加融資を検討する必要があります。
ただし追加融資を受けるタイミングは、お金に困ったときだけではありません。
困っているのに追加融資を受けることができなければ、支払いに充てるお金がなく会社は倒産してしまう恐れもあります。
そこで、追加融資の適切なタイミングや、相談先や満たすべき条件を解説します。
目次
追加融資のタイミング
創業融資を返済中でも、審査に通れば追加融資を受けることはできます。
ただし、タイミングに左右されるため、「資金繰りに困っていないからまだ必要ない」と考えるのではなく、計画的に検討することが大切です。
そこで、追加融資のタイミングについて次の2つを説明します。
- お金に困ってからでは遅い
- 決算終了後が適切なタイミング
お金に困ってからでは遅い
融資を受けたいと銀行に相談したとき、担当者が積極的に応じてくれるのはお金に困っていないときです。
たとえば設備投資などで資金を必要とするタイミングであれば、相談した企業によるものの、銀行の担当者も積極的に融資相談に応じてくれるでしょう。
しかし運転資金が不足し、早くお金を準備しなければ倒産してしまうといったタイミングで銀行を頼っても追加融資を受けられません。
すでに融資を受けている銀行であれば、反対にすでに貸したお金を回収しようとする可能性もあります。
あからさまな貸し剥がしが行われることはないとしても、業績が悪化しているタイミングでは融資を受けることが難しいといえます。
決算終了後が適切なタイミング
追加融資を受ける適切なタイミングは、1年間の業績を示す決算終了後、個人事業主の場合は確定申告後です。
決算後なら、金融機関は企業の経営状態をイメージしやすくなります。企業側も決算書を使って経営状況を説明できるため、審査がスムーズに進みます。
追加融資の相談先
追加融資の相談先には、次の3つの選択肢があります。
- 大手都市銀行
- 地方銀行、信用金庫、信用組合
- 日本政策金融公庫
それぞれの相談先について説明します。
大手都市銀行(メガバンク)
大手の都市銀行の取引先は、おもに大企業です。
中小企業や個人事業主が融資の相談をしても、積極的に話をきいてくれる可能性は高くありません。
地方銀行・信用金庫・信用組合
中小企業であれば、地元の地方銀行や信用金庫、信用組合などで融資を受けたいと相談したほうがスムーズです。
特に信用金庫や信用組合の取引先は小規模企業、個人事業主が多く、きめ細やかな対応が期待できます。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は国が100%出資、運営する政府系金融機関です。
中小企業だけでなく個人事業主に対しても積極的に資金の貸し付けを行っています。
無担保・無保証人で融資を受けられるうえ金利も低いため、資金繰りに困ったときに頼りになります。
創業間もない会社やこれから事業を始めようという方、小規模事業者などが利用しやすいため資金が必要なタイミングでまずは相談してみることをおすすめします。
追加融資の条件
追加融資を受ける際の条件は、日本政策金融公庫のケースを例に挙げると、主に以下の4つです。
- 既存融資の3割程度を返済している
- 経営状態に問題がない
- 希望額に満たない理由が改善されている
- 追加融資の必要性を説明できる
それぞれ説明します。
条件1.既存融資の3割程度を返済している
追加融資は、既存の借入金の30~50%程度を、期日内に返済していることが必要です。
安定した返済実績があれば、金融機関からの信頼を得やすくなるでしょう。
条件2.経営状態に問題がない
決算書が赤字続きの場合、資金を回収できない会社と判断されます。
また、経営状態や他社からの借入れの有無、カードローンの利用なども審査の対象です。
条件3.希望額に満たない理由が改善されている
前回の借入れが融資希望額に満たなかった理由は、事業計画書や面談状況から収益に不安があると判断されたからです。
そのため状況が改善されていれば、追加融資の確率が高まるでしょう。
条件4.追加融資の必要性を説明できる
資金の必要性や今後の収益性を説明できなければ、審査に通過することはが難しくなります。
既存の借入金の適切さも疑われる恐れがあるため、合理的な理由を説明できるようにしておきましょう。
まとめ
すでに銀行や日本政策金融公庫から融資を受けていても、追加融資は受けることができます。
ただし、実際に融資が実行されるまでは一定の時間がかかるため、タイミングと条件に注意して、計画的に利用しましょう。
融資を受けるまでの支払いに充てるお金がないときは、ファクタリングによる資金調達をおすすめします。