事業資金を調達しようとビジネスローンに申し込みをしたけれど審査に落ちてしまったという場合、いったい何を基準に審査を行っているか気になってしまうものです。
審査で否決されると借り入れはできませんが、通りやすいビジネスローンなどは存在するのか、そもそもどのような方法で審査されているのでしょう。
そこで、ビジネスローンの審査に通るために何に注意すればよいのか解説していきます。
目次
ビジネスローンが誕生した理由
ビジネスローンが誕生したのは、銀行が独自の責任で行うプロパー融資では貸し付けが難しいとされる中小企業に対し、高めの金利を設定してリスクを回避しつつ融資を行おうとしたことから始まります。
ただ、近年では銀行ではビジネスローンでの貸し付けを積極的に行っておらず、むしろノンバンクのほうが事業者向けのローン商品として提供する傾向が強めです。
ビジネスローンはスコアリングシステムで審査される
ビジネスローンで行われる審査には、スコアリングシステムが採用されています。
スコアリングとは、統計的モデルに基づき、企業の信用度を点数化して与信の可否を即時に判断できるシステムのことです。
スコアリングで審査される内容
スコアリングの内容は企業秘密となっているため、一般的に公開はされておらず、金融機関によってどこを重視するかは異なります。
ただ、一般的には決算書の数字を基準に、年収や業務年数、企業属性、他社からの借入状況などを重視した審査が行われているとされています。
決算書の数値や属性などのデータを入力すると、自動的に審査の可否、融資可能限度額、適用金利などが自動的に算出される仕組みです。
スコアリングで比較対象となるデータとは
スコアリングで比較対象となるのは、過去の融資データなどで、似た企業に対して行った融資の過去実績の貸し倒れ率を参考に、推定される貸し倒れリスクを確認していきます。
もし、過去に融資した似た企業100社に対して貸し付けを行い、そのうち5社から回収不能状態となっていれば、貸し倒れ率は5%だったと判断されるわけです。
貸し倒れによるリスク低減のために金利は高め
金融機関は貸し倒れ率よりも金利を高く設定しておくことで、リスクを回避しようとします。さらに推定貸し倒れ率に、金融機関に儲けが出るような金利を上乗せして、貸し付けに適用される金利が決まります。
推定貸し倒れ率が高くなり、儲けを出すために必要な金利を上乗せすると上限金利を超えてしまうという場合には、貸し付けができないので審査で否決されてしまう流れです。
審査に通りやすいビジネスローンとは?
ビジネスローンは様々な金融機関やノンバンクなどで提供されている金融商品ですが、審査のハードルが高い順に挙げていうと、
- メガバンク
- 地方銀行
- 信用金庫
- 大手ノンバンク
- 中小ノンバンク
という順番です。
このような順に並ぶ理由として、中小企業がまず借り入れを行おうとする金融業者がどこになるかということが関係します。一般的に、まずはメガバンクや地方銀行に申し込みを行い、それでもダメなら信用金庫、さらに審査に通らないならノンバンクという流れになると予測されます。
ノンバンクのビジネスローンなら審査に通りやすい
メガバンクなどで比較対象となるデータは、審査に通過できた優良な状態の企業であることが多くなりますが、ノンバンクの場合は銀行で融資を受けることができなかった企業のデータを基準に審査を行うことになります。
このことからわかるように、もしビジネスローンで借り入れを行うのなら、銀行ではなくノンバンクのほうが審査に通りやすいといえるでしょう。