2021年10月25日
岸田新政権の経済分野における今後の注目点について
自民党の総裁選が終了したことで、総裁選に勝利した岸田新政権が誕生しました。
今月末に衆議院選挙を迎えることになりますが、事前の世論調査によると
基本的には自民党が政権を取り続ける可能性が高いと考えられます。
そこで、岸田政権の今後の注目点について、経済分野の2つに絞り考察してみようと思います。
まず1つ目に注目するべき点として、岸田政権が強く訴えているのは「成長と分配の好循環」を実現させることです。
岸田政権は、子育て世帯への住居費・教育費支援や介護士・保育士の待遇改善などによって、
中間層を拡大させて消費や企業投資を活性化させ、好循環を生むとしています。
安倍・菅政権では「アベノミクス」を打ち出したことで企業業績は改善され、富裕層の金融資産が増えました。
しかしその半面、賃上げの勢いは鈍く、格差拡大を招いたことが指摘されています。
野党もこの格差拡大を指摘しているため、今後、岸田政権が格差縮小と
そこからの成長と分配の好循環を描くことができるかが注目されます。
そして岸田政権は当初、「成長と分配」のうち「分配戦略」は金融所得課税の見直しを主張していました。
ただ、それによって後に日経平均株価が大きく下落したため、「当面は触れない」と主張を変えています。
しばらくは成長戦略が重要としながらも、成長を実現できた後には
これまでの政府の姿勢と矛盾を含む金融所得課税の見直しが実現されるかが注目されます。
2つ目に注目するべき点は、コロナ対策と経済政策を両立させることができるかです。
コロナ対策はワクチン接種希望者に2度ワクチンを接種し、
さらに3回目のブースター接種とコロナ治療薬の開発援助などを打ち出しています。
それにプラスし、「Go To トラベル」の再開を検討するとして、ワクチン・検査パッケージの実証実験を行っているところです。
これから「第6波」が訪れることを阻止しながら、経済を再起させるための施策を速やかに打ち出し、
実行できるかが注目するべき点といえるでしょう。
最後に、岸田首相は「聞く力」を強みとしている首相のため、
首相になってからも国民の声に耳を傾ける政権運営ができるかが注目されます。
その一方で、「バランス型、風見鶏」と評されるように、状況が変われば政策方針も変更してしまう可能性も十分ありますので、
今後の動向を注視していく必要があるといえます。
反響集客課 山下