衰退する会社の特徴とは?経営不振に陥る共通点と成功へ転換する方法を解説

衰退する会社には共通の特徴があるといえます。

事業拡大など成長し続ける企業もあれば、衰退して廃業や倒産する会社もあるといえますが、長く会社経営を続けるためにもつぶれてしまう会社の共通点を知っておきましょう。

新たに会社を立ち上げたとしても、経営環境が整っていなければ、わずか数年で衰退に転じてしまいます。

そこで、衰退する会社の特徴や、経営不振に陥る共通点と成功へ転換する方法について解説していきます。

衰退する会社の特徴

成長することができず、衰退してしまう会社には以下の4つの特徴が見られます。

  1. 経営者の能力が低い
  2. ワンマン経営を続けている
  3. 経営陣が機能していない
  4. 過去の栄光にすがっている

それぞれ説明していきます。

経営者の能力が低い

衰退する会社の特徴として、経営者の以下の「能力」が低いことが挙げられます。

  • 経営能力
  • 経営管理能力
  • 戦略的思考力
  • マネジメント能力
  • マーケティング能力
  • 課題発見力
  • 人財育成能力

いずれも会社経営を続ける上で「経営者」に求められる能力といえるでしょう。

たとえば現状を把握・分析して問題を見つけることのできる課題発見力が劣っている場合、解決しなければならない問題を見落としてしまうこととなります。

見落とした瞬間から売上減少や赤字転落などが表面化し、会社は衰退し始めるともいえます。

売上や利益などの数字が悪化する前に、解決しなければならない問題を発見し、対策を打ち出して実行することが必要です。

ワンマン経営を続けている

衰退する会社の特徴として、社長が「ワンマン経営」を続けていることが挙げられます。

有能な社長の独自判断で会社を引っ張っているケースもあるため、ワンマン経営が必ずしも悪いこととは言い切れません。

しかし多くの場合、社長が従業員の意見に対して聞く耳を持たなくなることや、反抗的な態度をとる社員などを切り捨てる傾向があるため、現場の問題を見逃しがちです。

また、社長の周りには「イエスマン」のみが集まるようになり、思考停止に陥った「裸の王様」の会社経営では、衰退しても仕方がないといえます。

経営陣が機能していない

衰退する会社の特徴として、「経営陣」が機能していないことが挙げられます

具体的には、以下の特徴により機能が「停止」していると判断できるでしょう。

  1. 社内政治のみ対応する
  2. 現場をみない
  3. 勉強不足

それぞれ説明していきます。

社内政治のみ対応する

衰退する会社の幹部は、「社内政治」のみが仕事の中心になっているといえます。

社長自身が周囲をイエスマンの幹部で固めていることも関係しており、忖度が重要な体質の会社であれば、衰退していきます。

仮に現場で問題が発生した場合にも、幹部は責任回避のために現場へ責任を押し付けるなど、権限と責任が一致しないことが多いといえるでしょう。

現場をみない

衰退する会社の幹部は、「現場」やマーケットをみようとしません。

メインの仕事は社内政治であるため、生産・営業・販売などの現場を自身の目で見ることもなく、現場の意見にも耳を貸しません。

マーケットや時代の流れ・変化なども把握できておらず、過去の実績や成功例で判断してしまうなど、新たな方法などは取り入れないでしょう。

その結果、現在のニーズや競合なども把握できず、適切な戦略を立てることもできなくなるため、組織は疲弊し会社も衰退してしまいます。

勉強不足

衰退する会社の幹部は、日々進化する技術などに関する「勉強」が足りていません。

ITやDXに対応するためには、現場の従業員だけでなく、経営陣も学ぶことが必要です。

しかし幹部が何も理解できておらず、仮に質問を受けたときに答えることができなければ、上層部の能力を疑われることとなり会社は衰退します。

過去の栄光にすがっている

衰退する会社の特徴として、経営者や経営陣が「過去」の栄光にすがっていることが挙げられます。

過去に成長期や繁栄期など、儲かったことのある時代がある会社は、経営課題を見過ごしていても忠告に耳を貸さず、経営の見直しもしません。

今の経営方法が正しいという心の緩みや油断が、会社衰退の元凶を作ります。

経営課題を見落とさない見直しと改善を経営サイクルに定着させることが必要であり、業績が成長から横ばい傾向に転じた瞬間を見逃さないようにするべきです。

経営不振に陥る企業の共通点

経営不振に陥る企業の特徴として、次の5つの「共通点」があるといえます。

  1. 既存客のみ大切にする
  2. 古い営業方法を続けている
  3. 節税ではなく脱税している
  4. 市場を獲得できていない
  5. 労働条件・環境が悪い

それぞれどのような部分が共通しているのか説明します。

1.既存客のみ大切にする

経営不振に陥る企業の特徴として、「既存客」のみを大切にし、新規顧客を獲得できていないことが挙げられます。

既存客を大切にすることは重要であるものの、新規顧客を獲得することは容易ではありません。

新しい顧客を獲得するよりも、既存客をリピートさせることのほうが「即効性」もあり、「費用対効果」も見込めるでしょう。

しかし既存客は次第に萎むと考えれば、頼りすぎることで先を見失います。

まだ顧客ではない潜在顧客を発掘し、新規顧客の獲得につなげることが大切であるといえます。

2.古い営業方法を続けている

経営不振に陥る企業の特徴として、従来までの営業アプローチにこだわり、時代に合わない「古い」営業方法を続けていることが挙げられます。

目標達成に向けた営業を行うことは大切なことではあるものの、飛び込み影響や押し込み販売などは、「時代」に合っていない方法といえます。

インターネットやSNSを活用した営業などが主流となっているため、従来までの古い営業方法は見直し、新しいやり方を導入することも必要といえるでしょう。

3.節税ではなく脱税している

経営不振に陥る企業の特徴として、会計操作により、節税ではなく「脱税」していることが挙げられます。

節税は税負担を軽くするための有利な選択によるテクニックといえるのに対し、脱税は売上や経費をごまかして不当に税負担を免れることです。

節税は合法的な行為であるのに対し、脱税は「犯罪行為」に該当します。

業績が良好で、儲けが増えたときには行き過ぎた節税により、脱税行為に該当してしまうこともあるため注意しましょう。

4.市場を獲得できていない

経営不振に陥る企業の特徴として、「市場」を獲得できていないことが挙げられます。

顧客やマーケットの調査や研究を怠ったことで、競合に「シェア」を奪われてしまっているのに、それさえ気がついていないケースもあります。

商品やサービスが売れないのは、その価値を理解できない顧客のせいだと考えるケースもあるといえますが、経営方法に問題があることに気がつかなければいずれ衰退してしまうでしょう。

5.労働条件・環境が悪い

経営不振に陥る企業の特徴として、労働条件や「労働環境」が悪化していることが挙げられます。

残業が多く、長時間労働であるのに低賃金で、休みも取りにくいといった労働環境では、離職が進み定着率は低下します。

既存の従業員のみで現場を回すことになり、一人ひとりの「負担」が重いため、さらに労働時間は長くなるでしょう。

生産性も低下し無駄な業務なども増えてしまえば、労働と賃金が見合わないことに不満を感じ、優秀な社員は去ってしまうため会社も衰退してしまいます。

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衰退か成功か決定づける経営能力

会社が今後、衰退するのか、それとも成功できるのか決定づけるのは、経営者の以下の「経営能力」です。

  1. 管理会計
  2. マネジメント
  3. リーダーシップ

それぞれどのような経営能力で決まるのか説明していきます。

管理会計

「管理会計」とは、会社経営において社内向けにまとめる会計です。

株主や金融機関などのステークホルダーに対して提出する財務会計とは異なり、あくまでも「経営判断」に役立てる会計手法といえます。

会社の数字を有益な情報へ変換・管理・運用していくため、経営判断の根拠となる「情報」をまとめる能力が求められます。

マネジメント

「マネジメント」とは、組織の成果を最大化させる上での「経営資源」を管理することです。

会社経営における資源は、ヒト・モノ・カネの3つですが、これらを管理していきます。

経営陣と社員の意思疎通を図る上でのコミュニケーション能力や、組織の方向性を決める能力、そして次に説明する人材を先導するリーダーシップスキルを含みます。

リーダーシップ

「リーダーシップ」に関する能力は、組織やチームをまとめ、目標達成に向けて導く複合的な能力です。

チームを1つにまとめる力はもちろんのこと、部下を指導・育成する能力や、トラブル発生における対処などの能力なども含みます。

衰退する会社から成長する会社へ転換する方法

衰退する会社には共通する特徴があるといえ、その多くは経営者に原因があるといえます。

そのため、衰退する会社から成長する会社に「転換」するためには、社長自らが取り組みを行うなど会社経営に対する「姿勢」を変えていくことが必要です。

具体的には、次の2つの方法を実践していきましょう。

  1. 経営理念を確立・浸透させる
  2. 経営者自身が学ぶ姿勢を保つ

それぞれ説明します。

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経営理念を確立・浸透させる

会社が衰退することに歯止めをかけるのであれば、「経営理念」を確立し、社内で浸透させることが大切です。

経営理念とは、会社の管理・運営に関する考え方を明文化した経営の道しるべといえます。

企業によって、社是・社訓・行動指針・ミッションなどの呼び方をすることからもわかるとおり、事業活動する上での基本となる考え方です。

経営者の哲学や信念に基づいた企業の根本といえる活動方針を決定し、社内に浸透させるためには、常に目に触れる場所に掲げておくことをおすすめします。

経営者自身が学ぶ姿勢を保つ

会社が衰退することに歯止めをかけるためにも、経営者自身が現状を把握し、様々なことに対して学ぶ姿勢を持ちましょう。

社会情勢や政府の施策など、市場に大きな影響を与える変化に関して、経営者が何も把握できていないことは問題です。

時代や市場環境の変化に対応するためにも、常に新たな情報を入手し続け、知らない言葉や知識などは学ぶことも必要といえます。

専門的な知識のある社員や、外部の専門家などの意見にも耳を傾けつつ、会社を永続的に発展させていける環境を整備していきましょう。

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まとめ

衰退する会社の特徴として、経営者や経営陣の能力が低く、機能していない状況にあることが挙げられます。

現場は従業員にまかせっきりというケースもあれば、反対に社長のワンマン経営で社員の意見は一切聞かないという場合もあるものの、どちらのケースも経営陣と現場の従業員の連携が取れていない状態です。

会社を成長させていくためには、経営理念を確立し、社内に浸透させること、そして社長自身が経営に関する多くのことを学ぶ姿勢を持ち続けることが大切です。

社内だけで解決できない問題などは、外部の専門家などに相談し、意見も取り入れつつ解決していくことも必要といえるでしょう。