中小企業の強みと弱みとは?競争に勝つための体制整備に求められること

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、厳しい状況となっている中小企業は少なくありませんが、弱みを補うことができる強みを活かした経営で事業を継続できる体制を整備していくことが必要です。

そこで、大企業にはない中小企業の主な強みとは何なのか、それによってどのような弱みを補うことができるのか説明していきます。

中小企業の強みとは

大企業のほうが安定しているという印象が強いでしょうが、中小企業にも大企業にはない強みはたくさんあります。

主な強みとして挙げられるのは、

  • 意思決定のはやさ
  • 社内コミュニケーションがスムーズ
  • 特定分野に対する専門性の高さ
  • 柔軟な経営が可能

などです。

それぞれ詳しくご説明します。

意思決定がはやい

まず中小企業の強みとして挙げられるのは、意思決定のはやさです。

大企業の場合、現場担当者に意思決定権はなく、決裁者にゆだねなければなりません。

しかし実際に顧客や取引先の生の声や動向などを把握できているのは現場で働いている担当者であり、現場にいるからこそわかることがあっても決裁者に理解してもらえないこともあります。

意思を実行に移すためには上司や他決裁者の理解と承認が必要であり、手続そのものの時間や手間がかかってしまうことで、せっかくのビジネスチャンスを失ってしまうことも少なくないといえるでしょう。

しかし中小企業の場合には、経営者や管理者など意思決定権のある人物と、現場担当者との距離が近いといえます。

現場担当者に意思決定を任せてもらえることもあり、迅速な意思決定がしやすいことは顧客満足度や市場シェア先行につながりやすく、何よりの強みといえるでしょう。

円滑な社内コミュニケーション

大企業は様々な部署に分かれており、上司と部下の縦関係の断層も区切られています。

所属する社員の数も多いため、同じ会社にいてもコミュニケーションを取ったことがない人がいるなど、部署や組織が分離されていることがほとんどです。

同じ部署でも顧客や業種など担当分野が異なれば、部署を超えた情報共有はほとんどされていないことも少なくありません。

しかし中小企業の場合には、経営者や管理者、現場で働く社員との距離が近く、担当者ごとに業務領域が明確に分けられていないこともあります。

同じ社員が企画と営業など、複数の業務を兼務していることも多いため、役職や業務の内容に関係なく社内のコミュニケーションが取りやすいというのも強みといえるでしょう。

特定分野における専門性が高い

大企業では様々な分野の事業を多岐に渡り行っていることがありますが、それは経営資源が豊富であり新たな事業へも参入しやすいからです。

新製品を開発するにあたっても、下請や異業種と提携し外部の力を借りて行うことができるといった特徴があります。

ただ、この場合には自社での専門的な知識や技術は残りません。

それに対し中小企業の場合には、大企業のように経営資源の余裕はないものの、ある特定の分野に特化した専門的知識や技術を磨くことに集中しています。

大企業にその能力を貸す立場として、専門分野に一点特化した戦略での経営を行うことにより、高い専門性で事業を拡大させるといったことが可能なのも強みといえるでしょう。

柔軟な経営判断

大規模な経営を行う大企業では、資金や人員を大量に投入しているため、取引先や顧客など利害関係者も多くなります。

そのため実際に事業を動かすまでは綿密な市場調査や取引先との関係構築が必要となり、準備にかかる期間も長くなってしまうでしょう。

しかし中小企業の場合には、資金や人員も限られているため、すばやい決断で迅速に動くことがほとんどです。

その結果、事業の途中で市場環境が大きく変化してしまい、流れに乗り遅れてしまうことを防ぐことができます。

また、仮に環境が変化してしまった場合でも、新たな施策を立てたり方針転換したりといった調整や変更をスムーズにできる柔軟性の高さは強みといえます。

中小企業の弱みとは

大企業であれば様々な分野のノウハウや大量のデータを蓄積できますが、中小企業では大企業のように広い規模で経済性を発揮させることはできません。

また、価格競争では大企業に勝つことは難しく、ブランド力という目線でも知名度の低さは弱みとなるでしょう。

しかし中小企業では、一定の得意分野を強みとして専門的な技術や知識を蓄積していけます。

大企業には作れない製品やサービスの付加価値を実現させやすいことも強みです。

確かに大企業のほうが顧客数は多いですが、その反面、対応しきれない数の顧客や取引先を抱え細かい要望やニーズに応えることができていないこともあります。

中小企業なら柔軟な対応や細かなニーズなどにも対応しやすいため、経営資源は限られるとしても戦略に換えることができます。

大企業にはない強みを活かすことで、自社に求められていることや今後の対応・戦略などを分析・実行し、経営を成功させることができるでしょう。