コロナ禍でECサイトの需要が高まったため、経営不振で悩む運送業者はいないと思われがちですが、実際には改善させなければと頭を抱える経営者は少なくありません。
トラック運送業を取り巻く経営環境は、労働力不足や燃料価格上昇など厳しい状況であり、収益構造を改善させなければならない状況となっています。
そこで経営環境が悪化するトラック運送業が、今後どのように収益向上を見直し改善させていけばよいのか、その方法をご紹介します。
目次
トラック運送業が厳しい経営環境を乗り切るために
トラック運送事業者の中で、原価計算を行っているケースは6割程度です。
原価計算を実施している運送事業者の場合、荷主に契約条件を見直してもらうよう交渉できることもあるため、契約見直しに向けた一歩ともいえます。
車両別で運送原価を管理する
車両原価を把握するためには、車両ごとの運行費(燃料費・油脂費・修理費・車検整備費・車両の税金・高速道路利用料・車両保険料・ドライバー人件費・減価償却費・リース料など)を把握することが必要です。
その上で、間接費(役員や運行管理者の人件費・事務所の賃貸料など販売費や一般管理費など)を一定基準により各車両に配分します。
これで、車両ごとの期間・距離による輸送原価の計算が可能となり、車両原価を確認することが可能です。
その原価計算を基に契約交渉を行い、収益を改善させていくようにしましょう。
収益構造を改善させるためには原価計算が欠かせない
原価計算を行うことで、赤字や低収益の路線を特定できます。さらに荷主との契約見直しを交渉でき、収益を改善することにつなげることができるでしょう。
さらに原価を把握しておけば、新規の案件を受注するか迷ったとき、その判断をスムーズに行うことが可能です。
発生するコストを十分にカバーできる運賃か、一定水準に達していなければ受注しないといった選択もできるようになります。
結果的にコスト削減につながり収益構造の改善に
社内でも省燃費運転のコンテストや車両整備の講習会などを開催し、全体で原価意識を高めていくことができれば乱暴な運転をするドライバーなども少なくなるはずです。
結果的に運行中に車両が故障することもなくなり、修理費を削減できるでしょうし、交通事故などを防ぐ効果も期待できます。
トラックを修理している間に必要となる傭車にかかる費用も削減でき、収益構造の見直しに欠かせないコスト削減にもつながります。