建設業は、お金の流れを把握しておかなければ、たちまち資金繰りが悪化してしまいやすい業種といえます。
なぜなら建設業は発生する経費が多く、工事の報酬が支払われるまで一定の時間がかかるため、お金の流れ次第ですぐに資金不足に陥りやすいからです。
そこで、建設業が資金繰りをスムーズに行うために、業界ではどのようなお金の流れになっているのかご説明します。
目次
建設業の主なお金の流れとは
もし手元に十分なお金がない状態で、先に人件費や外注費、材料の仕入れ代金や税金などの支払いが発生すれば手元の現金は枯渇してしまいます。
建設業のお金の流れでも、先に支払いが必要になることもあれば、中間分のお金を前渡しで先に受け取ることが可能となる場合もあります。
ゼネコンなどから下請工事を請け負う会社の場合には先に支払いが発生することが多く、材料費や職人に対する報酬などは、工事代金を受け取るまで一旦自社が立て替えなければなりません。
一旦立て替えたとしても、すぐに工事代金を受け取ることができればそれほど大きな問題にはならないでしょう。
しかし実際には、元請から工事代金を回収するまで一定の時間がかかってしまいます。
さらに工事完了後に保留金と称し、下請の行った工事に何らかの問題が発生したときに備え、支払い総額の1割程度は3か月ほど保留する元請もあります。請求額の査定次第で満額受け取れるとも限らないのが現状です。
そして建設業界では支払いに手形を用いる慣習が残っているため、手形により決済が行われてしまうとさらにお金の流れを妨げることとなってしまいます。
下請として仕事を請け負うことの多い中小建設業の場合、工事で発生するお金の流れを事前に把握しておくことが重要といえます。
お金の流れをスムーズにするために必要なこと
建設業では、元請から支払われる工事代金の回収サイトと、協力業者などに支払う報酬の支払いサイトがズレ、資金不足に陥ることも少なくありません。
銀行からの増額融資などで資金を賄うこともあるでしょうが、資金体力の乏しい中小企業の場合、追加融資にスムーズに応じてもらえるとも限らない状態です。
もし売掛金が発生しているのに回収まで時間がかかっていることでお金の流れが滞っているのなら、その売掛金を現金化する方法も検討してみましょう。
お金の流れを円滑化させるファクタリング
元請工事の受注比率を増やせば施主との契約条件次第で工事着工前に契約金が入ることとなり、さらに上棟の際にも入金があるため、建物が完成してすぐ住宅ローンの融資実行で入金を受ければ資金繰りも好転させることは可能です。
しかしどの中小建設業者がこの手法を実践できるともいえないため、まずは元請から工事代金を受け取るまでの間、発生する売掛金はファクタリング会社に売却し現金化することを検討してみましょう。
この売掛金を現金化するファクタリングという方法は、融資を受けて資金を調達する方法ではないため、借金を増やすことなく早ければ即日現金を確保できます。
お金の流れをスムーズにしたいというニーズにぴったりの方法なので、もし代金の受け取りが遅く資金がショート寸前という状況であれば、ぜひ検討してみることをおすすめします。