年末年始の資金繰り問題とは?資金不足に陥りやすい理由と対策を解説

年末は何かとお金が必要ですが、しっかり準備できていなければ年始には資金繰りが回らなくなってしまいます。

年末年始は倒産する企業が増える可能性もあると言われるほど、中小企業にとって資金繰りは大きな課題といえるでしょう。

そこで、なぜ年末年始は資金繰りが重要なのか、無事に新年を迎え新たな年もお金に困らないようにするためにどうすればよいのか解説していきます。

年末年始に資金不足に陥りやすい理由

利益が出ていて黒字なら、特にお金が足らず困ることはないだろうと考えてしまいがちです。

しかしたとえ黒字でも、特に年末年始はお金が不足し、資金繰りが悪化してしまいがちです。

矛盾しているように感じる方もいるでしょうが、その理由として次のことが挙げられます。

  1. 売掛金と買掛金の増加
  2. 過剰な在庫の確保
  3. 資金調達方法の選択ミス

それぞれ詳しく説明していきます。

売掛金と買掛金の増加

年末年始は取引量や金額も増える時期であり、たくさん商品を販売できれば、売上もどんどん上がっていくため損益計算書では黒字になりやすいといえます。

ただ、取引量が増えるに従い、売上だけでなく販売するために仕入れた材料や製品の代金額も大きくなるものです。

商品を販売し、すぐにその代金を受け取ることができれば、仕入れ代金の支払いに充てることができるでしょう。

しかし実際には、売掛金が入金されるよりも先に仕入れ代金である買掛金の支払いが必要になります。

もしも売掛金の回収が遅れてしまえばそれが引き金となり、増えた売上で損益計算書は黒字になっていても、手元の資金は不足してしまう状況に陥ってしまいます。

さらに仕入れ・固定費・人件費などの支払いと、販売に対する売掛金回収を伴う取引が同時並行で行われれば、資金の流れを正しく把握できなくなり資金繰りは悪化しやすくなります。

年末年始で売上が上がり利益が出ていることに安心しきってしまうと、手元の資金が知らぬ間に不足し、最悪の場合には倒産に至ることもあると留意しておくべきです。

過剰な在庫の確保

年末年始商戦で、できるだけ多く仕入れ、在庫を確保しておいたほうが安心と考えることもあるでしょう。

しかし、仕入れ分がすべて販売できるとは限らず、売れ残りが出る可能性も考えておくべきです。

損益計算書には売れ残りの在庫分の支出は計上されないため、過剰に在庫を抱えれば資金が滞留し、資金繰りは悪化してしまいます。

資金調達方法の選択ミス

会社に十分な資金があれば、スムーズに様々な支払いができます。

しかし手元に十分な資金がなければ、仕入れ代金の支払いに充てるお金を何等かの方法で調達しなければなりません。

その調達方法が適切でないときや、資金を調達できなかったときには、手元の資金はショートしてしまいます。

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年末の資金繰りは特に注意したい理由

 

年末年始は資金繰りが悪化しやすい時期ですが、特に年末の資金繰りには注意が必要になります。

その理由として、

  1. 取引量が一気に増え
  2. 年末特有の支払いに追われやすい
  3. 金融機関も多忙になる

といったことが挙げられます。

それぞれ詳しく説明していきます。

取引量が一気に増える

年末年始は、商品やサービスに対するニーズが高まる時期でもあるため、いろいろなモノが多く売れます。

年末はクリスマスや年末年始商戦などで需要が高まることは喜ばしいことですが、この一時的な取引量の増加は仕入れ金額を増やすことになり、売掛金の回収が遅れれば資金はショートしやすくなります。

年末特有の支払いに追われやすい

年末ならではといえる支払いにも注意が必要ですが、年末特有の支払いとして挙げられるのが従業員に対する賞与や年末調整還付金、そして法人税・消費税などの予定納税です。

12月に冬季賞与を支払う会社や、年末調整の還付金を12月の給料に上乗せする会社などは、支払いに充てる資金が必要となります。

年末調整還付金

年末特有の支払いで特に注意しておきたいのは従業員に支払う年末調整の還付金です。

源泉所得税は給与支払日の翌月10日に納めることになりますが、年末調整の還付金を12月分の給料に上乗せして支払うことになっている会社や、年内の御用納め日(年内最後の出勤日)に支払う会社は、一時的に立て替えることになります。

翌年1月10日には徴収した源泉所得税を納付しますが、還付した分を差し引いた金額を納めます。

先に還付金として立て替えた額が1月に納付する金額を超える場合、2月以降の納付額から差し引きます。

いずれにしても会社が立て替えることが必要となるため、従業員数の多い会社や、住宅ローン減税など控除を適用させる従業員が多いときには、100万円以上の還付金が必要になることも考えられます。

しっかり年末の資金計画に含めておき、資金をショートさせないようにしましょう。

予定納税

法人税などは中間申告の際に事業年度の前半(6か月分)の支払いが必要です。

中間申告は前半6か月を経過した日から2か月以内という決まりがあるため、たとえば3月決算の会社なら11月30日、4月決算なら12月31日までに中間納税分を支払うことが必要です。

予定納税に充てる納税資金も忘れずに準備しておくようにしましょう。

金融機関も多忙になる

年末に忙しくなるのは一般企業だけでなく金融機関も同じです。

平時であれば金融機関から融資を受けてスムーズに資金調達できる会社でも、年末は急な借入れの申し込みが殺到し、審査に時間がかかるといったケースもめずらしくありません。

銀行などに借入れの申し込みを行ってから融資が実行されるまで、最短でも数週間程度必要となることもあり、遅くても11月中には申し込みを行っておかなければ年末の支払いには間に合わなくなる可能性があります。

年末に向けて行うべき対策

中小企業の場合、年末には様々な要因が関係し、資金繰りが悪化しやすくなります。

年末に資金繰りが悪化してしまい、倒産することを年末倒産といいますが、年末倒産を防ぐためには先にできることを対策として行っておきましょう。

年末に向けて行うべき対策として、

  1. 徹底した資金管理
  2. 売掛金の徹底した回収
  3. 取引先の与信管理
  4. 不要な在庫の処分

などが挙げられます。

それぞれ詳しく説明していきます。

徹底した資金管理

年末年始は資金繰りが悪化しやすいことを前提とし、事前にいつ・何の支払いがいくら必要なのか、金額を算出しておきましょう。

最低でも3~6か月先の支払い予定を記載した資金繰り表を作成し、どのタイミングでいくら支払いが発生するのか、発生した売掛金はいつ・いくら入金されるのか確認できるようにしておきます。

年末には支出が増えることが予想されるため、支払い増加分を見込んだ上での資金繰り表作成がポイントです。

売掛金の徹底した回収

日頃から売掛金の回収に注意は必要ですが、予定通りに回収できなければ資金が不足する原因になります。

売掛金の入金が遅れそうな取引先や、取引金額が減る可能性がある取引先についても、事前に把握しておきましょう。

普段から約束通りに入金してくれない取引先には、督促を行いすぐ支払ってもらうように早期に連絡を入れることも必要です。

取引先の与信管理

自社が下請けの立場で仕事を請け負っている場合、元請けである会社が倒産すれば、巻き込まれる形で連鎖倒産してしまう可能性もあります。

年末年始に資金繰りが厳しくなるのは自社だけでなく元請けも同じです。

取引先の与信管理は適切に行い、リスクの高い取引先は現金決算や取引量の制限などを行い、万一に備えるようにしましょう。

不要な在庫の処分

年末だけでなく年始すぐに支払いがある場合も、その資金を確保しておくことが必要です。

そのため不要な在庫は早期に処分し、現金化しておいたほうがよいといえます。

在庫処分は売上に計上できるため、今後、銀行から銀行を受けて資金調達することを希望する場合でも、マイナス要素にはならないと考えられます。

年末年始の資金繰りに備える資金調達の方法

年末年始の資金繰りが悪化し、年末倒産しないためには手元の資金をできるだけ増やしておくことが必要です。

会社は赤字であることを理由に倒産することはありませんが、たとえ黒字でも手元の資金がショートし支払いができなくなれば倒産します。

そこで年末年始の資金繰り悪化に備え、次の資金調達の方法で備えることも検討しましょう。

資金調達の方法として挙げられるのが、

  • 自治体や商工会議所の相談窓口の利用
  • 政府系金融機関の無利子・無担保融資の利用
  • 信用保証協会の資金繰り支援の利用
  • ファクタリングの活用
  • 民間銀行からの借入れ

などが挙げられます。

それぞれ詳しく説明していきます。

自治体や商工会議所の相談窓口の利用

各都道府県や商工会議所では、中小企業などの年末年始の資金繰りなどについて、相談を受け付ける特別窓口を開設しています。

特別相談の窓口は小規模事業者の厳しい経営状況に対応するために開設されており、

  • 年末年始の資金繰り相談
  • 融資制度の紹介
  • 借り換えの提案

などを行っています。

年末は中小企業の資金需要が高まる時期であるため、金融相談や融資申し込みなどが増える傾向にあります。

窓口の開設期間は自治体などによって異なりますが、多くの都道府県・商工会議所・商工会・信用保証協会などでは、土日祝日を除く12月1日(水曜日)から12月28日(火曜日)までの間になっています。

新型コロナウイルス感染症による影響が懸念されることもあるため、早めの相談がよいでしょう。

政府系金融機関の無利子・無担保融資などの利用

政府系金融機関の実質無利子・無担保融資は2021年度末まで延長されることになり、資本性劣後ローンは2022年度も実施されます。

伴走支援型特別保証も上限を引き上げ2022年度も継続されるようになりましたが、それぞれどのような制度か紹介していきます。

政府系金融機関の制度のうち利用したいものには、

  1. 実質無利子・無担保融資
  2. 資本性劣後ローン
  3. 伴走支援型特別保証
  4. セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)
  5. 中小企業等経営強化法関連融資

などが挙げられます。

実質無利子・無担保融資

実質無利子・無担保融資とは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上が減少した中小企業や個人事業者に利子補給制度を使って実質無利子・無担保で貸し付けを行う制度です。

民間金融機関を通じた無利子融資は2020年度で終了となりましたが、コロナ禍も収束したといえず、経営を立て直すまで時間がかかる中小企業も少なくないため活用したい制度といえます。

対象者 新型コロナの影響で 売上が減少した中小企業(小規模個人マイナス5%・小規模法人△15%・その他△20%)

融資枠の上限 日本政策金融公庫(中小企業事業)6億円(国民生活事業)8,000 万円・商工組合中央金庫(危機対応融資)6億円

実質無利子となる上限 日本政策金融公庫(中小企業事業)3億円(国民生活事業)6,000 万円・商工組合中央金庫(危機対応融資)3億円

無利子期間 当初3年間

貸付期間 運転資金15年以内・設備資金20年以内

据置期間 最大5年

資本性劣後ローン

資本性劣後ローンとは資本的性格をもつ劣後ローンのことであり、金融機関から借入れを自己資本とみなされます。

業績に応じた貸付利率を低くすることができ、期限一括返済なので返済負担も抑えることができるため、財務を安定させ他の金融機関からも融資を受けやすくなるでしょう。

償還期限5年前までは借入残高の100%を資本とみなすことができますが、償還期限5年未満からは1年ごと資本とみなすことのできる金額が20%ずつ減少していきます。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響により資金繰りが悪化している企業や、一時的に財務状況が悪化したために企業再建に取り組む必要のある企業など

融資上限 日本政策金融公庫(中小企業事業)10億円(国民生活事業)7,200万円

貸付期間 5年1か月・7年・10年・15年・20年

伴走支援型特別保証

伴走支援型特別保証制度とは、いくつかの要件に合う中小企業がコロナ禍を乗り切るための「経営行動計画書」を作成し、金融機関から継続して伴走支援を受けることを条件として借入れの際にかかる信用保証料を大幅に引き下げる制度です。

経営を立て直すまで時間がかかってしまう中小企業は多いことから、一定の規律を設け新たに2021年4月からスタートしています。

融資上限を引き上げ2022年度も継続されるため、有効活用を検討するとよいでしょう。

対象者 新型コロナウイルス感染症の影響で売上が15%以上減少し、金融機関から継続的な伴走支援を受け経営改善に取り組む中小企業など

融資上限 6,000 万円

保証料 原則0.2%

保証期間 最大10年

据置期間 最大5年

セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)

セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)とは、経営環境の変化で一時的に業況が悪化している企業に対し、資金繰りを支援するために設けられた制度です。

対象者 社会的・経済的環境の変化など外的要因で、一時的に売上の減少など業況が悪化しているものの、中長期的には業況回復し発展することが見込まれる中小企業・小規模事業者

対象資金 設備資金・運転資金

貸付限度額 日本政策金融公庫(中小企業事業)7億2,000万円(国民生活事業)4,800万円・商工中金7億2,000万円

貸付期間 設備資金15年以内・長期運転資金8年以内

据置期間 最大3年

中小企業等経営強化法関連融資

中小企業等経営強化法関連融資とは、中小企業の経営力向上に向けた取り組みを支援するために、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた事業者の行う設備投資に対し特別利率で貸し付けを行う制度です。

対象者 中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けた中小企業・小規模事業者

対象資金 設備資金及び運転資金

貸付限度額 日本政策金融公庫(中小企業事業)7億2,000万円うち運転資金2億5,000万円(国民生活事業)7,200万円うち運転資金4,800万円

貸付期間 設備資金20年以内・長期運転資金7年以内

据置期間 最大2年

信用保証協会の資金繰り支援の利用

信用保証協会でも資金繰り支援制度を設けており、たとえば2口以上の信用保証付き借入金があるものの、毎月の返済負担が重く借り換えすれば軽減できるといったケースなどは相談するとよいでしょう。

さらに条件変更による返済緩和などすでにリスケジュールしている場合でも、経営改善計画の策定を前提として既往借入金を借り換えする制度もあれば、中小企業再生支援協議会などから支援を受けて作成した事業再生計画に従い事業再生する企業を支援する制度があります。

信用保証協会の資金繰り支援制度には、

  1. 条件変更改善型借換保証(条変改善型保証)
  2. 事業再生実施関連保証(改善サポート)
  3. 事業再生計画実施関連保証 感染症対応(改善サポート)

などがあるためそれぞれ詳しく説明します。

条件変更改善型借換保証(条変改善型保証)

条件変更改善型借換保証(条変改善型保証)とは、事業改善意欲があっても保証付きの既往借入金の返済条件緩和を行っており、前向きな金融支援を受けることが難しい中小企業者が、経営改善を見込める事業計画を策定し既往借入金を借り換え資金繰りを安定させるための保証制度です。

対象者 信用保証協会で儲けられている通常の申込人としての資格要件だけでなく、次の要件を満たすことが必要となります。
①保証申込時点で保証付き借入金残高があり、その全部または一部の返済条件緩和を行っていること
②金融機関および認定経営革新など、支援機関から支援を受け、事業計画策定・計画実行・進捗報告を行うこと

融資限度額 2億8,000万円(組合などは4億8,000万円)

資金使途 運転資金・設備資金

融資期間 15年以内

返済方法 原則、均等分割返済

据置期間 最大1年(ただし新たな事業資金調達を含めた借り換えは最大2年)

担保・連帯保証人 原則、制度利用で返済する保証付き既往借入金の保証条件よりも不利にならない保証条件

事業再生実施関連保証(改善サポート)

事業再生実施関連保証(改善サポート)とは、中小企業再生支援協議会などの支援で作成した事業再生計画に従い、事業再生を行う中小企業者の資金調達を支援し、中小企業者の事業再生を着実に進捗させていく保証制度です。

対象者 中小企業者(個人・会社・組合)

融資限度額 2億8,000万円(組合などは4億8,000万円)

資金使途 事業再生計画を実施するために必要な事業資金

融資期間 15年以内(一括返済なら1年以内)

返済方法 分割返済・一括返済(分割返済は据置期間最大1年で設定可能)

保証料率 年0.68%(責任共有制度対象外は年0.80%)

担保 必要に応じて徴求

連帯保証人 原則、法人代表者以外不要

事業再生計画実施関連保証 感染症対応(改善サポート)

事業再生計画実施関連保証 感染症対応(改善サポート)とは、新型コロナウイルス感染症の影響で業況が悪化する中で、中小企業再生支援協議会など支援を受けて作成した事業再生計画に従い、事業再生を行う中小企業者の資金調達を支援するための保証制度です。

対象者 中小企業者(個人・会社・組合)

融資限度額 2億8,000万円(組合などは4億8,000万円)

資金使途 事業再生計画を実施するために必要な事業資金

融資期間 15年以内(一括返済なら1年以内)

返済方法 分割返済・一括返済(分割返済は据置期間5年以内で設定可能)

保証料率 年0.80%(責任共有制度対象外は年1.00%)ただし国からの当初保証料補助により実質負担は年0.20%)

担保 必要に応じて徴求

連帯保証人 原則、法人代表者以外不要

ファクタリングの活用

ファクタリングとは売掛金を売却することで、前倒しにより受け取ることを可能とするサービスのことです。

まだ入金されていない売掛金が多く、取引先に発送した請求書の束が手元にあったとしても、期日に入金されなければ単なる紙切れになってしまいます。

ファクタリングを利用することで、売掛金の入金を2〜3か月先早期化できるため、万一取引先から入金されないリスクの回避にもつながります。

ファクタリングを利用するメリットは主に次の5つです。

  • 売掛金を早期現金化可能であること(ファクタリング会社によっては即日)
  • 借入れによる資金調達方法ではないこと(売掛金の売買なので負債増加を回避できる)
  • 売掛先が倒産しても支払い義務を負うことはないノンリコースであること(売掛金と同時に貸倒リスクも譲渡)
  • 手形割引より手数料を安く抑えることができる
  • リスケジュール中や税金を滞納している場合も利用できる

比較的、お金を借りるときの審査よりもハードルが低い審査内容ですが、信頼性の高い売掛金を保有していることが必要です。

なぜならファクタリングの審査では利用者の信用力よりも、遅れることなく期日に回収できるかという売掛金の信用力が重視されます。

ファクタリング会社に持ち込んだ売掛金について、審査では主に次の点を確認されることになるでしょう。

  • 商品やサービスを提供済みの売掛金であること
  • 請求書をすでに発行済であること
  • 期日が決定していること
  • 過去の支払い履歴が良好な売掛先の売掛金であること
  • 期日が半年以内の売掛金であること

ファクタリング会社によっては審査で重視されるポイントや、確認項目は異なるためさらに細かい部分をチェックされることもあります。

ただ、主に上記の5つはクリアしていることが必要と理解しておきましょう。

ファクタリングの年末利用は有効

年末年始に向けて資金繰りの準備は余裕を持ってしておきたいという場合でもファクタリングは活用できます。

本来なら月末に入金されるはずの売掛金が、年末年始の連休明けにズレてしまうというケースや、月の上旬になる支払いが年末前に支払いが必要になるといったケースでは、資金繰りが悪化します。

どの金融機関やサービス機関も年末年始で休業しており、資金調達の相談をしたくてもできないという状況の中、焦りだけが大きくなってしまうことになるでしょう。

年末で時間がない中、資金調達の方法を探しているときにこそ、ファクタリングが有効です。

頼れるファクタリング会社の特徴

ファクタリング会社といっても金融機関ではないため、何を重視してどの業者を選ぶべきか迷うこともあるでしょう。

ファクタリング会社を選ぶポイントとしては、

  • 取引実績が多い
  • 現金化までのスピードがはやい
  • 売買手数料の提示が明瞭
  • 資金力が高い
  • 口コミなどの信頼性が高い

などです。

取引実績が少ないファクタリング会社の場合、過去の取引から比較できる会社も少ないため、売買手数料は割高になる傾向が見られます。

年末年始に向けて急いで資金調達しなければならない中、審査も不慣れであれば時間を取られることになりかねません。

現金化までのスピードも、ファクタリング会社に十分な資金力がなければ遅くなります。

どのくらいの売買手数料がかかるのか、明確に提示してくれない業者は危険といえます。

契約直前に説明されていなかった名目が含まれていたといったトラブルもあるため、必ず事前に確認しておいたほうがよいでしょう。

実際にファクタリングを利用した方の口コミなども参考に、信頼度の高いファクタリング会社を選ぶようにしてください。

違法業者に注意

年末年始の資金繰りに向けて、急いで資金調達しなければならないと焦ってしまい、違法業者と取引してしまわないように注意してください。

法外といえる多額の費用を請求する業者や、悪質な督促を繰り返す業者なども存在するため、被害に遭わないために細心の注意を払うことが必要です。

すでに逮捕者が出たファクタリングを装った業者も存在しています。

取引先から期日に代金を受け取れなくても支払いを求めない契約であるはずが、支払いがなかったことを理由に、督促を繰り返し売掛金の債権額より高額の支払いを求めていたケースも発覚しています。

また、実際には売掛金を買い取らず、担保として貸し付けを行っていたケースもあるようです。

契約書に「売買契約」であることが記載されていない場合などは、特に注意が必要になります。

民間銀行からの借入れ

民間銀行から融資を受けることもできないわけではありませんが、年末には簡単に資金を出してくれないと留意しておくべきです。

不渡りや不良債権の発生などの理由により、回収不可とされる融資金が増えれば、金融庁から指導を受けることになります。

そのため中小企業から融資を受けたいと申し込みがあっても、審査で不可とされるケースも出てきます。

ただ、中小企業の多くは売上増加や年末特有の支払いで、資金が必要となり銀行に融資の打診をすることも多くなり、銀行・中小企業の需要・供給のバランスは崩れます。

そのため年末はより銀行から融資を受けにくくなると考えられますが、審査に通りやすくするためには次の条件をクリアすることが必要です。

  • 経営状態が良好
  • 既存の借入金の返済実績が良好
  • 長年に渡る取引実績がある
  • 決算書以外にバランスシートやキャッシュフロー計算書など提出できること
  • 取引先が売掛金・手形の貸し倒れや不渡りを出していないこと

融資を受けて資金調達するときには、まず資金繰り表を作成し、年末まで現金や預金がどのような残高推移になるか予測しましょう。

準備を怠った状態で年末直前に融資を申し込んだとしても、銀行の審査部署はすでに混雑状態となっており、仮に審査に通っても融資実行が年明けになる可能性もあります。

事業計画書の提出も求められるため、説得力のある内容で作成し、記載された数字などを証明できる資料も準備しておくことが必要です。

まとめ

年末は金融機関だけでなく、ファクタリング会社も多忙な時期となるため、万一に備えて資金を調達したいと考えるなら、早めに準備したほうがよいでしょう。

中小企業は年末年始に資金繰りが悪化しやすく、様々なことに注意しておくことが必要となります。

すでに資金繰りが悪化しているときには今以上に悪化させないようしなければならず、事前に対策が必要です。

年末倒産という言葉があるように、年末には資金ニーズが高くなるため手元のお金が足らなくなりやすいといえます。

十分な資金を事前に確保しておくことで、年末を無事乗り切り、年始にも慌てることはなくなるでしょう。

資金の調達方法はいろいろありますが、融資審査に通らない場合や税金を滞納しているときでも、ファクタリングなら利用できます。

もし資金繰りについて悩んでいるのなら、豊富な経験があり、様々な業界や業種とも取引実績のあるピーエムジーにまずは相談してみてください。

一緒にどの資金調達方法がベストか考え、最善の方法を提案させていただきます。